八戸の夏の風物詩と言えば、まず思い浮かぶのが「イカ」です。
子供の頃、夏になると、大きなバケツいっぱいの朝獲れイカを捌く母の姿を朝登校前によく目にしました。
八戸港は日本一のイカの水揚げを誇り、その量は全国の4〜5割を占めています
日本全国、イカの食べ方には地域性や特色がありますが、
九州でイカの天ぷらを塩コショウでいただいたときは、初めてのいただき方に感動したものです。
ここで、私の故郷・八戸のイカの食べ方をご紹介しましょう。
やはり最初はイカ刺し。一番に思い出すのは、
たっぷりのイカの腑を醤油に溶かした肝醤油で新鮮なイカをいただくこと。
さっぱりとしたショウガ醤油はもちろん、次の日の予定が許せば、すりおろしたニンニクたっぷりの
ニンニク醤油でいただくイカ刺しも、一度食べたらクセになる味わいです。
上級者向けなのが、酢だけをつけていただくイカ刺し。
よくある酢イカとはまた違うサッパリ感が夏バテにも効果大です。
個人的にはミミやゲソが好きですが、
獲れたてのイカ刺しは、その部位を問わず無条件で人をとりこにします。
また、冬には「八戸鍋」といわれるイカ鍋がオススメです。
鍋に1本分の大根おろしを入れ、惜しげもなくイカの腑を溶かします。
あとは、食べやすく切ったイカやキャベツ、豆腐と長ネギのみ。
味付けは、味噌かお醤油のみのシンプルなものです。藤川家の冬の夕食には欠かせない鍋で、
鍋のあとの雑炊は、イカの腑のコクと風味でそのやさしさと懐かしさに感動。
なによりもお酒の後によく合うのです。
“朝獲れイカ”という言葉は、集魚灯を使って夜に釣ったイカを朝に水揚げして食べる新鮮なイカの代名詞
ですが、八戸では最近、昼に水揚げしたイカを、夜にお店で食べられるところが増えてきました。
新鮮なイカの歯ごたえは何とも言えず、噛めば噛むほどに甘みが広がります。
八戸名物の横丁でも食べることができるお店が何軒かあります。
八戸の夏の味覚を代表する夏イカ。この夏、ぜひお気に入りの食べ方を見つけてください。