錦秋の木次(きすき)線。逆光で撮影するこ とによって、紅葉はより赤く表現され、すす きはキラキラと輝きます。さらに風景に奥行 感を出すこともできます。
【アクセス】
JR米子駅・松江駅などから山陰本線経由、宍道駅から木次線を利用。
【便利なきっぷ】
【おすすめ情報】
トロッコ列車「奥出雲おろち号」が
2011年11月23日までの毎日運行中
鉄道写真ファンにとって、待ちに待った紅葉のシーズンがやってきました。錦秋の中を走り行く列車はもちろん、実りの秋に歓喜する里の風景、黄昏時の印象的な風景など魅力的なテーマがいっぱいです。今回は秋の鉄道風景撮影におけるコツを伝授しましょう。
まずは鉄道写真の基本として、シャッタースピードのお話から。動きのある列車を狙うわけですから、速いシャッタースピードで撮影しないと列車がブレてしまいます。列車の占める割合が小さい鉄道風景でも1/500秒以上が必要で、列車メインの場合は1/1000秒以上必要な場合もあります。1/60秒とか1/125秒などという値では厳しいということを頭に入れておきましょう。
さあ、撮影に出発です。秋の被写体のメインと言えば、もちろん紅葉ですね。桜の撮影と同じで、天気予報などで発表される紅葉情報をもとに撮影地を選びます。最も美しい紅葉になるのはほんの数日間で、1週間以上美しさが維持されることはありません。撮影地の紅葉情報を常にチェックして、最終的には現地の観光協会などへ問い合わせしてみると良いでしょう。
次に撮影ポイントの選定です。撮影にあたり、逆光などを敬遠する人は多いのではないでしょうか? 順光で撮影するのも良いのですが、紅葉撮影でのおすすめは半逆光、逆光なのです。
半逆光というのは、向かって10時や14時の方向に太陽があることを言います。なぜ半逆光、逆光が理想なのか……。それは、紅葉の葉っぱを光が透過してくることによって、さらに赤みが増すからです。また、風景に立体感が出るので、とても奥行きのある作品にすることができます。もちろん列車はつぶれ気味になってしまいますが、ここでの主役は紅葉なのですから、列車より風景メインの露出設定をすることが大切です。
もし、列車を明るく出そうと露出設定すると、美しい紅葉は露出オーバーになってしまい残念な結果になってしまいます。何をテーマにして撮影しているのかということをしっかり認識することが、紅葉撮影のみならずとても大切なことなのです。
稲干しの風景も秋ならでは。紅葉シーズン前におすすめのテーマです。
【アクセス】
JR名古屋駅から紀勢本線を利用(特急「南紀」や快速「みえ」が便利)。
【便利なきっぷ】
秋の黄昏時はとても美しい光景が広がります。日中だけが撮影タイムではありません。
【アクセス】
JR岡山駅から瀬戸大橋線経由、予讃線を利用(特急「しおかぜ」などが便利)。
【便利なきっぷ】
横浜市生まれ。大学卒業後、鉄道写真家・真島満秀氏に師事。青春18きっぷなどの JRポスターを撮影する他、JR時刻表では「ごちそう路線旅」を担当。 (社)日本写真家協会会員、日本鉄道写真作家協会会員。