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ウマイ! といわれる 「鉄道写真」を撮りに行こう!|Lesson16.「黎明、黄昏の時間帯を撮ってみよう!」

予讃線(下灘駅)

夕焼けの名所として有名な下灘駅。この日はかわいいお客さんがホームで遊んでいました。夕焼け優先の露出設定を基本に、ホームが真っ黒につぶれないように露出補正をして撮影しました。

【アクセス】

JR高松駅、松山駅などから予讃線を利用。

【便利なきっぷ】

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【おすすめ情報】

第11回 夢見る木造駅舎 下灘駅・知和駅

極意|一 朝、夕の時間限定のドラマチックシーンを逃さない|二 朝、夕ならではの露出設定をマスターしよう|三 シャッター速度に困ったら、列車を遠くに置くか、流し撮り

 夜明けの時間帯の黎明(れいめい)と夕方の時間帯の黄昏(たそがれ)。なんだかドラマチックな響きですね。他のテーマでも早朝やブルーモーメントの時間帯の大切さをお話ししてきました。日の出前後、日の入り前後の約1時間は、ドラマチックシーンを撮影できる最高の時間帯なのです。日中の撮影をする前にちょっと早起きをしてみる、もしくは日中の撮影後、カメラをしまうのをもうちょっと待ってみませんか。きっと素晴らしい世界があなたを迎えてくれるはずです。

 この時間帯で最も頭を悩ませるのが露出の設定です。朝焼けや夕焼けを多めに入れて撮影する場合、カメラに任せて撮影すると、明るさが強いためカメラは露出を暗くする方へ計算してしまいます。そのまま撮影すると、朝焼け、夕焼けはしっかりと写っても周りの景色が真っ黒になってしまうことがよく起こります。その場合は「露出補正」という機能を使用します。明るくする場合はプラスに露出補正をするのが基本で、目安として+1/2から+1程度に設定するとうまくいくでしょう。フィルム時代はこのさじ加減を体で覚えたものですが、時代はデジタルカメラです。カメラの液晶モニターを見ながら自分の好みになるように設定してみて下さい。本当にいい時代になったものだとつくづく感じてしまいます。日の出前、日の入直後のブルーモーメントの時間帯も同じ設定でうまくいくと思います。

 逆に、周りの景色を真っ黒にして、ギラギラした太陽をメインに撮影することもあります。この場合はマイナス補正をします。この時注意をしなくてはいけないのが、列車の配置です。景色は真っ黒になってしまいますから、そこに列車を配置すると列車も真っ黒になってしまいます。そこで夕日に輝く海原のような、太陽の光でギラギラと輝いた部分に列車をシルエットとして配置するのです。そうすることで、とてもドラマチックな作品になりますが、条件に見合った撮影地を探すのが意外と大変です。背景が空だけになる鉄橋も、同じ条件になりますので覚えておくとよいでしょう。

 日の出前、日の入り後の撮影で困ったことが一つあります。それは太陽が出ていないため光がとっても弱く、速いシャッター速度が切れないということです。最近のカメラは高感度性能が非常に良くなっているので、ISO感度を思いきり上げて撮影することも可能になりました。ですが、低感度でよりクオリティーの高い画質で撮影したいという気持ちも当然あるわけです。その場合、まず頭に思い浮かぶのは「流し撮り」ですよね。そして、遠くに列車を配置するという方法があります。列車を遠景にすれば見かけの速度は遅くなりますので、遅いシャッター速度でも対応することができます。ただ、遠くに配置するだけでは列車の存在感が薄くなってしまいます。そこで利用するのが列車のライトです。このライトがたとえ遠景であってもガツンと効いてくるのです。特に黎明やブルーモーメントの時間帯ならばレールもそのライトによって輝き、とてもドラマチックな作品になります。参考までにISO感度の話ですが、最近のカメラならばISO1600程度までは常用感度として安心して使用できます。機種によってはISO6400程度でも美しい作品に仕上げることが可能です。数年前までは考えられなかったことですね……。

根室本線(金山~東鹿越 間)

日の出前の黎明の時間帯に撮影しました。朝霧に包まれた独特の空気感を表現できました。露出が厳しいので列車を遠くに配し、ライトを生かしました。

【アクセス】

JR新得駅などから根室本線を利用。

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【おすすめ情報】

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予土線(土佐大正~土佐昭和 間)

四万十川の夕暮れです。夕焼けをしっかり出す露出設定をすると、四万十川が真っ暗になってしまいます。夕焼けのほんわかした雰囲気になるように露出設定をしました。

【アクセス】

JR窪川駅などから予土線を利用。

【便利なきっぷ】

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【おすすめ情報】

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東海道新幹線(静岡~掛川 間)

日の出直後を疾走する「N700系のぞみ」です。新幹線はさすがにISO感度を上げても対応できません。流し撮りでカッコよくとらえました。後方車両の輝きがお気に入りです。

【アクセス】

JR東京駅などから東海道新幹線を利用。

【便利なきっぷ】

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羽越本線(吹浦(ふくら)~女鹿(めが) 間)

露出のマイナス補正をして太陽がギラギラと表現できる露出にしました。列車を海の輝きの部分に配置して、シルエットとして表現しました。

【アクセス】

JR新津駅などから羽越本線を利用。

【便利なきっぷ】

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講師●長根広和 Hirokazu Nagane

横浜市生まれ。大学卒業後、鉄道写真家・真島満秀氏に師事。青春18きっぷなどのJRポスターを撮影する他、JR時刻表では「ごちそう路線旅」を担当。(社)日本写真家協会会員、日本鉄道写真作家協会会員。

http://hirokazu-nagane.com

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