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鉄道が嫌いじゃない貴女におくる、女子力アップのヒント集『鉄子の部屋』 近頃認知度急上昇中なのが、女性鉄道ファン・通称“鉄子”。男性鉄道ファンに比べると、マニア度や緻密度においてはひけを取るかもしれませんが、情熱や遊び心は全く負けてない! 『鉄子の部屋』は全く新しい、女子のための楽しく明るい鉄道エッセイです。(注)鉄道が好きな女性を愛称で“鉄子”と呼びます。

*第7鉄* 3泊4日で鉄子必須のゴールデンコース ひたすら山中を走る、愛すべきローカル線を訪ねる。 Part2』

含まれる鉄分
★山田線 ★釜石線 ★三陸鉄道 ★上有住駅 など

文=屋敷直子

再び岩泉線に乗って、ちょっぴり観光

 2日目。6時35分宮古発の山田線で、再び岩泉線へ向かう。朝の岩泉線を味わうのだ。夕暮れ岩泉も良かったが、また別の空気があるはずだ。
 7時1分茂市発の岩泉線は、清々しい。疲れとか淀みとか濁りとか、そういったものとはまるで無縁で、すみずみまで晴れ渡っている。これほど澄んだ日の光を見たのは、いつ以来か。ものすごく眠いけど、気分は爽快だ。
 途中、その秘境ぶりで名を馳せた押角(おしかど)駅では、チーム岩泉、いっせいに窓の外を見てざわつく。これがあの! なるほどほんとにホームだけしかない。ぜひ写真におさめて おかなくては。誰も声には出さないけれど、各々の心の叫びで車内は騒然となる。
 7時53分、岩泉着。昨日と、とくに変わりはない。たぶん10年前とも、とくに変わりはないのだろう。そこがまたいい。
 今日はここからバスに乗って龍泉洞という洞窟へ行ってみる。日本三大鍾乳洞のひとつで、国の天然記念物。洞窟は2500mほどまでは解明されているが、その2倍は続いていると推定される壮大なものだ。洞内にはいくつか地底湖があり、最深部の第三地底湖は水深98m、とある。そうはいっても、のぞきこんですぐに深いとはわからない。暗くて果てしなくて、時折したたり落ちる水滴が音もなく吸い込まれていく。しばらくして目が慣れてくると実感がわいてきて、足下がおぼつかない、腰のあたりがムズがゆいなど、地底なのに高所恐怖症的おそろしさを感じ始めるのだ。

オシャレ車両に、ちょっととまどう

 龍泉洞から小本(おもと)までのバスは11時過ぎまで来ないので、あらゆるヒマつぶし手段を駆使して時間をつぶす。
 待ちわびたバスに乗って、三陸鉄道の小本駅へ向かう。三陸鉄道は久慈(くじ)~宮古、釜石~盛(さかり)の区間に分断されていて、JRのおトクきっぷが使えない。なんとも悔しい思いをして宮古までの750円を払う。駅舎はスーパーも兼ねていて、レジのおばあちゃんから切符を買う。しかも硬券。ちょっとなごむ。
 さらに小本駅が高架の眺めが良い駅で、集落を一望できて気持ちがよい。加えて反対方向に来た車両が、青×赤のファンキーなヤツだったので、750円の価値があったと喜んでいたら、やってきたのはエセヴィクトリア調のおしゃれ車両だった。こういう狙いすました感じは、なんというか、すごく困る。どちらかといえば、あのファンキー野郎に乗りたかった。
 12時46分、宮古に戻り、名勝・浄土ヶ浜を見て、夕食は宮古魚菜市場で購入。牛乳ビンにぎっしり詰まった生ウニや、ホタテやアジの刺し身とビールを買い込み、鉄(テツ)の定宿でむさぼり食う。ちなみにこのホテルでは、アダルトチャンネルが無料で視聴できます。

次回に続く

主な“鉄子”

神田ぱん
1963年生まれ。おひつじ座のO型。茨城県日立市出身。三児の母。ミニコミ『車掌』(内容は非鉄)の営業部員という顔も持つ。「ケータイ国盗り合戦」ではまだ武将止まり、目指せ太閤。文筆業。
屋敷直子
1971年生まれ。おとめ座のO型。川崎市生まれ、福井市出身。故郷を愛するあまり「ふくいブランド大使」に登録。会員番号05121359。特技はピアノ。0系新幹線ラブ。文筆業。
さくらいよしえ
1973年生まれ。てんびん座のA型。大阪府交野市出身。『日刊ゲンダイ』で連載。著書に『立ち飲み天国』(ライブドアパブリッシング)『読みキャベ』(交通新聞社)。転換クロスシート愛好家。文筆業。
H岩美香
1972年生まれ。しし座のA型。東京都目黒区出身。株式会社弘済出版社(現交通新聞社)入社後、時刻表編集部、月刊『散歩の達人』を経て、月刊『旅の手帖』編集部へ異動。忘年会はお座敷列車希望。サラリーマン。

書籍紹介

鉄子の部屋
『JR時刻表』『交通新聞』『鉄道ダイヤ情報』などでおなじみの交通新聞社が、満を持してお届けする、女子による女子のための鉄道エッセイ&ガイド本。
●定 価 1,365円(税込)
●仕 様 A5版160ページ

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