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鉄道が嫌いじゃない貴女におくる、女子力アップのヒント集『鉄子の部屋』 近頃認知度急上昇中なのが、女性鉄道ファン・通称“鉄子”。男性鉄道ファンに比べると、マニア度や緻密度においてはひけを取るかもしれませんが、情熱や遊び心は全く負けてない! 『鉄子の部屋』は全く新しい、女子のための楽しく明るい鉄道エッセイです。(注)鉄道が好きな女性を愛称で“鉄子”と呼びます。

*第9鉄* 3泊4日で鉄子必須のゴールデンコース ひたすら山中を走る、愛すべきローカル線を訪ねる。 Part4』

含まれる鉄分
★山田線 ★釜石線 ★三陸鉄道 ★上有住駅 など

文=屋敷直子

若干しりすぼみの3日目

 ふたたび釜石線に乗って、遠野で降りる。といってもあまり時間はなく、運良く河童と会えたらいいなと思っていたら、いきなり駅前にいた。みな考えることは同じなのかもしれない。駅の近くは観光地然としていて、大型バスが大挙してやってくるような物産館くらいしかない。あたりまえだが、ほんとの河童がいるような場所は、そうかんたんにはたどりつけないのだ。
 3日目の宿は、台(だい)温泉。花巻温泉郷のさらに奥にある温泉街で、600年前に発見されたとも、1200年前に坂上田村麻呂が入ったともいわれる、歴史ある温泉である。この旅の唯一の金銭的贅沢だけに気分も高まるが、宿へのバスが出ている新花巻駅で降りると、気持ちがしぼんだ。地方の新幹線駅にはよくあるが、街の中心から離れた何もない平地にぽつんと寂しい。さらに冷たい雨も降ってくる。その夜はずっと雨が続いた。

旅の締めは、新幹線連結で

 最終日。しとしと雨が降るなかをバスに乗って花巻駅へ向かう。バスはブルー×シルバーの骨董品で、乗客は我々のみ。天気のせいもあるが、温泉街全体にどことなく不穏な空気が流れていて、バスに乗るとどこか恐ろしいところに連れて行かれるような気がしてくる。

 11時。無事に花巻駅に到着。せっかくなので、宮沢賢治記念館や童話村などを観光する。ふたたび花巻駅へもどったころには、だいぶ空は明るくなっていた。花巻から盛岡までは東北本線、久しぶりのロングシートで、なんだか急にリュックサック持参の己の姿が浮いて見える。ロングシートに旅姿は合わないと実感。3日ぶりの盛岡駅は、照明が明るくまぶしくて人が多い。旅の終わりを認めざるをえない。盛岡駅名物、〔こまち〕と〔はやて〕の職人技のまばゆい連結を見て、胸がきゅんとなる。集まっているのは、なぜか妙齢の女性ばかり。やはり増殖中、鉄子。

主な“鉄子”

神田ぱん
1963年生まれ。おひつじ座のO型。茨城県日立市出身。三児の母。ミニコミ『車掌』(内容は非鉄)の営業部員という顔も持つ。「ケータイ国盗り合戦」ではまだ武将止まり、目指せ太閤。文筆業。
屋敷直子
1971年生まれ。おとめ座のO型。川崎市生まれ、福井市出身。故郷を愛するあまり「ふくいブランド大使」に登録。会員番号05121359。特技はピアノ。0系新幹線ラブ。文筆業。
さくらいよしえ
1973年生まれ。てんびん座のA型。大阪府交野市出身。『日刊ゲンダイ』で連載。著書に『立ち飲み天国』(ライブドアパブリッシング)『読みキャベ』(交通新聞社)。転換クロスシート愛好家。文筆業。
H岩美香
1972年生まれ。しし座のA型。東京都目黒区出身。株式会社弘済出版社(現交通新聞社)入社後、時刻表編集部、月刊『散歩の達人』を経て、月刊『旅の手帖』編集部へ異動。忘年会はお座敷列車希望。サラリーマン。

書籍紹介

鉄子の部屋
『JR時刻表』『交通新聞』『鉄道ダイヤ情報』などでおなじみの交通新聞社が、満を持してお届けする、女子による女子のための鉄道エッセイ&ガイド本。
●定 価 1,365円(税込)
●仕 様 A5版160ページ

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