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久住 昌之 Kusumi Masayuki (文・写真・画)

東京都出身。ドラマ化され、テレビ東京系で絶賛放映中の『孤独のグルメ』(谷口ジローとの共著・扶桑社)、『花のズボラ飯』(水沢悦子との共著・秋田書店)ほか、漫画、エッセイ、音楽など多方面で創作活動を展開中。平成21年から足掛け2年、東京から大阪までを散歩した近著『野武士、西へ。~二年間の散歩』(集英社)がついに発売。

氷見線 ひみせん

高岡駅(富山県高岡市)から氷見駅(富山県氷見市)までの全8駅。16.5km。地元出身のマンガ家・藤子不二雄にちなむ「忍者ハットリくん列車」も走る。今回は高岡市から氷見市を歩いた。

 雨晴(あまはらし)海岸と雨晴岩というのがあったので、線路を渡って海岸に行く。誰もいない。この辺は遠浅の海と書いてある。だから波がないのか。源義経ゆかりの地だとあるが、歴史は別に感じない。でも静かで落ち着く。すぐに雨晴駅。ここは駅員がいそうな普通の駅。

 また線路と少し離れ、並行して歩く。海沿いに防風林があり、そのすぐ内側を線路は通っている。歩いている道との間には水田。この辺にはトンビが多い。都会でカラスがとまっているような電柱の上にいる。少し、怖い。

 またちょっと市街地に入って来て、足が疲れたなあ、9時過ぎから歩き通しだもんなぁ、と思っていたら、その足元のマンホールにブリの絵があり「ひみ」と書いてある。氷見市に入った! 時刻は2時17分。


富山湾に沿って氷見線と歩いた道。
列車の音がして慌てて戻って撮った一枚

わかるよ。ヤツらは俺だ。セツねーよ

 島尾海水浴場があるようで、民宿も増えた。島尾駅。小さいけどモダンな駅舎。

 さらに歩いて行ったら、海で遊ぶ中学生男子たちが見えた。女子はひとりもいない。まだひと気のない海で、固まって遊んでいる。あれは俺だ。わかる。55の大人にはちょっと鼻の奥がツンとくる景色。

 キャンプ場やバーベキュー場があるが、まだこれからみたいだ。松林。飛砂(ひさ)防備保安林、とあった。氷見市海浜植物園というのがあった。ここ、結構よさそう。右手の海に励まされて癒されてとうとう氷見駅到着。午後3時16分。約6時間。さすがにかなり疲れた。

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