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久住 昌之 Kusumi Masayuki (文・写真・画)

東京都出身。ドラマ化もされた『孤独のグルメ』(谷口ジローとの共著・扶桑社)、『花のズボラ飯』(水沢悦子との共著・秋田書店)ほか、漫画、エッセイ、音楽など多方面で創作活動を展開中。足掛け2年をかけて東京から大阪までを散歩した近著『野武士、西へ 2年間の散歩』(集英社)が発売中。

内房線 うちぼうせん

蘇我(千葉市)から安房鴨川(鴨川市)までの全30駅。119.4km。東京から館山までは特急「さざなみ」が直通運転していて、2時間弱で到着する。今回歩いたのは館山市と南房総市。房総半島の、くびれ部分。

 東京駅17時30分発、内房線特急「さざなみ7号」に乗って、房総半島の先端に向かった。内房線に乗るのは何年ぶりだろう。館山で降りて1泊して、翌日は朝から内房線につたい歩き、外房の千倉まで行く腹だ。
 東京駅で缶ビール1本と柿ピーを買って、乗り込む。よかった。このさざなみでは車内販売がなかった。電車が動き始めてすぐ飲んだらすぐに眠くなってしまい、1時間ぐらいぐっすり眠ってしまった。このところ忙しかったので、旅を決め込んだとたん緊張感がほぐれて疲れが出たのかもしれない。

 19時23分館山着。館山シーサイドホテルが取ってある。タクシーで行ったらすごく近くて、歩けばよかったと思った。このホテルを選んだのは温泉だったからだ。部屋に入ってすぐ大浴場に向かう。誰もいなくて気持ちいい。
 上がったら、浴衣には着替えず、部屋で少し休んだら、駅前に夕食がてら飲みに行った。カラオケスナックなども多く、ものすごい大音響でものすごい音痴な歌声が店の外まで聞こえた。中は地獄だ、と思った。

 すぐ駅前の「味の蔵ふたご」に入る。小さい店だが、定食もやっているので家族連れや、10人ほどのサラリーマン客で賑わっていた。ここにして正解、と思った。
 カウンターに着いて、まずは生ビールを頼み、「塩しめ鯖」という、初めて聞くものを頼む。脂ののったサバを酢でなく塩でしめ、薄く切って大根おろしを巻いてある。これをポン酢につけて食べる。館山流なのかと思いきや、ご主人のオリジナルだそうだ。ポン酢につけたとたんパッと脂が浮き、これはウマそうだ。と思ったら、予想以上においしかった。サバの臭みがまったくない。これはビールを飲んでいるどころではない、と日本酒に切り替える。


館山で食べた塩しめ鯖。これをポン酢につけて食べる。
ウマイ!

 さらにイカの一夜干し、ミョウガの甘酢漬け、ミンク鯨の刺身をもらう。深酒したら翌日に響くので、長居せずお会計して歩いて宿に戻って、早々と寝た。

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