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駅でほっこり 湯のある駅
元祖・温泉施設のある駅舎

 JRと地元の自治体が協力して新駅舎を建設する場合、この合築駅舎には地元の公共施設などが併設される。役場や図書館、劇場、イベント広場など駅ごとに特徴のある施設があるが、岩手湯本・湯川温泉の玄関口となる北上線ほっとゆだ駅には、平成元年4月1日に湯田町の温泉会館「ほっとゆだ」を併設した新駅舎が誕生。2階に休憩室がある本格的な温泉入浴施設で、1階の大浴場にはあわ風呂や寝風呂も設置。大浴場には列車用の信号機があり、列車の到着時刻が近づくのにあわせて青色→黄色→赤色に変化。ユニークな信号機のお陰で列車に乗り遅れることもなく、安心して温泉三昧が楽しめるというもの。なお、以前は陸中川尻の駅名であったが、平成3年6月20日に温泉施設と同じ駅名になっている。

トンガリ屋根の上に時計台をのせた温泉付き駅舎。温泉会館の玄関には「ゆ」の暖簾がかかっている

大浴場に設置された鉄道用の信号機。列車が駅に近づくのにあわせて点灯する色が変化する

手軽に楽しめる足湯が人気上昇中

 北上線ほっとゆだ駅と同様に、町の日帰り温泉施設を併設した合築駅舎が山形新幹線(奥羽本線)高畠駅および飯山線津南駅。童話の故郷にふさわしいメルヘン調の高畠駅舎には高畠町の温泉施設「太陽館」、松之山温泉や秘境秋山郷の玄関口となる津南駅舎には温泉コミュニティーセンター「リバーサイド津南」を併設。列車を利用した観光客だけでなく、地元エリアの日帰り温泉施設として人気が高い。

メルヘン調の駅舎の中にある高畠駅「太陽館」。まほろばの里を散策した後に利用することができる

駅舎2階に温泉施設がある津南駅「リバーサイド津南」。男湯から列車の発着シーンを眺めることができる

 駅舎の並びに新たな温泉施設が誕生したのが、熊野那智大社を模した社殿風造りの駅舎がユニークな紀勢本線那智駅。温泉施設は那智駅交流センター「丹敷(にしき)の湯」で、ガラス張りの浴場からは青く輝く太平洋を一望することができる。
 また、上越新幹線(上越線)越後湯沢駅の高架橋下には、新潟県の地酒を一堂に集め、利き酒ができる「ぽんしゅ館」が誕生。その中に美肌効果が期待できる酒風呂のある「湯の沢」があり、新潟の旨い肴と地酒、そして酒風呂で身も心も温めることができる。冬の日帰りスキーの帰りに立ち寄りたいスポットだ。
 なお、各温泉施設はすべて有料で250円〜800円。休憩室を備えた施設では、ゆったりと日帰り温泉入浴が楽しめる。

ユニークなスタイルの駅舎横に建つ「丹敷の湯」。大浴場からは雄大な太平洋を一望することができる

左党は見逃すことができない越後湯沢駅の「ぽんしゅ館」。酒風呂で温まった後は新潟の地酒を楽しめる

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