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まだまだ知られざるご当地の味 行って食べたい!ニッポンA級発掘グルメ

vol.14 一色のウナギ [愛知県西尾市]


冬に川を遡上するシラスウナギを採捕し、池入れを行うが、今年度のシラスウナギの池入れ量は前年比約70%と深刻だ。原因は河川の環境変化などと言われているが、詳しいことはわかっていない

昭和40年代後半頃までの主流は路地池養鰻。徐々に切り替わり、現在ではハウス養殖が一般的となっている。池の水温は平均28℃で、夏季は30~34℃にもなる。ハウスの中は湿度も高く、とても暑い

池入れしたシラスウナギは、5~7日後くらいから餌付けを開始。水車を回して酸素を送る。大きさによって各池に分養する作業を、3カ月ぐらいの間で数回行い、出荷まで育てる。出荷の目安は180日程度

一色町では外食でウナギを食べるより、家庭の食卓で食べる傾向にあるとか。地元に伝わる調理法は、コンロの焼き魚用グリルの網で白焼きにしたウナギを、自家製のタレが入った鍋で煮込む方法

清らかな川の水を引いて育てる限りなく天然に近い“一色産うなぎ”

 三河湾に面する西尾市一色町は、ウナギの生産量日本一の町。昭和58年(1983)から現在まで、30年連続で市町村別生産量1位の座を守り続けている。2012年の生産量は約3,400t。これは、全国生産量の約25%にあたる数字だ。国産ウナギの4本に1本が一色産とは、恐れ入る。

 一色町に養鰻が導入されたのは、明治27年(1894)の話。日本で初めて地方に設立されたというこの地の水産試験場で、コイやボラの池にウナギを混養したことが始まりと言われている。10年後の明治37年(1904)には、民間による養鰻がスタートした。
 一色町の養鰻の歴史は100年以上と長いが、産業として急速に発展したのは昭和34年(1959)から。周辺の土地に大きな爪痕を残した伊勢湾台風の影響が大きい。被害対策や稲作転換事業として約280haもの農地が養殖池に転用されたことで、一色町の養鰻産業は一気に拡大を果たした。現在は、養鰻を営む経営母体が102軒もあるそうだ。

 近隣の碧海地区(高浜市・安城市)、豊橋市などでも養鰻が行われているが、一色町にとりわけ養鰻場が多いのはなぜなのか。 その理由は、『養鰻専用水道』の存在にある。通常、養鰻場では井戸を掘り、井戸水を使うところが多いが、この町では清流・矢作(やはぎ)川の表流水を養鰻専用水道によって各養鰻場に給水している。この水道は、国からの補助を受けて敷設されたもの。「こういった設備が整っているのは国内でも西尾市一色町だけだと思います」と、漁協の渡辺哲久さんは話す。
 ほかの地区では井戸水を引き、コンクリート造りの池で育つのに対し、一色町で養殖されたウナギは河川水を引いた、底が土でできた池で育つ。ストレスの少ない自然に近い環境で育った一色産のウナギが「限りなく天然ものに近い」と称される所以はここにある。
 皮がやわらかく、身に脂がのった上質なウナギ。これこそがこの町のウナギの魅力なのだ。

 ちなみに、東京と大阪の間に位置する一色町の蒲焼きスタイルは、背開きにして、蒸さずに焼くのが主流。背開きにして蒸して焼く「関東風」とも、腹から開いて蒸さずに焼く「関西風」とも異なるが、皮目がパリッとしているという点では関西風に近いそう。タレの味は店によるが、地元でなじまれているのは濃い目の味付け。いわゆる濃口醤油ではなくより濃厚な味わいの“たまり”を使い、甘みを強めに効かせた味が好まれるという。

 一色地区のウナギは単年養殖が主流のため、池入れから180日くらいで初出荷の時期を迎える。このタイミングで出荷される若いウナギは“新仔(しんこ)ウナギ”と呼ばれ、太くて短く、皮と身のバランスがよい。この新仔のシーズンこそが、一色ウナギの旬。出荷の最盛期を迎える6月中旬~9月頃――つまり土用丑の日の頃が出盛りの時期にあたる。
  2013年夏の土用丑の日は7月22日(月)と8月3日(土)。
  今年の夏は、ウナギの本場で精をつけてみてはいかがだろうか。


SPOT いざ、ウナギを食べよう!

備長炭で香ばしく焼き上げたウナギを約3,000坪の公園を眺めながら楽しむ|うなぎ割烹 みかわ三水亭

養鰻から自社で手掛ける、ウナギ問屋の専門店。プロが選んだ本当に旨い一色産ウナギを、備長炭で香り豊かにじっくり焼き上げる。タレは、地元のたまり醤油と三河産のみりんで濃い目、甘口に仕上げたもの。強めの焼きを効かせて表面をカリッと香ばしく焼いたウナギを、コク深い自慢のタレで楽しむ。敷地内には約3,000坪の公園があり、ゆったりとした食事の時間が過ごせるのも魅力。

特丼:2,750円 特上重:3,250円 ひつまぶし2,650円
営業時間:11:00~14:00LO・17:00~20:00LO(11~3月の平日は19:00LO)、水休
住所:愛知県西尾市一色町坂田新田西江95-10
交通:東海道新幹線・東海道本線三河安城駅から車で約50分
TEL.0563-72-8817 店ホームページはコチラ

丼からはみ出るほど大きなウナギ!ボリューム満点「一本丼」が名物|うなぎ専門店 西尾かねぶん

この土地で100年以上続く老舗店。「焼きが命」と語る三代目が、絶妙なかえしで、表面はパリッ、中はふんわりとした食感に焼き上げる。タレはたまりを使った濃い目の味付け。最初に甘み、時間差でたまりの辛みが押し寄せ、ひと口食べるだけでも味わいが変化する。300g以上もある(大きさは変動)大きなウナギが丸ごとのる「一本丼」は「ウナギでおなかいっぱい」が叶う嬉しい一杯。

一本丼:3,150円 櫃(ひつ)まぶし:(並)2,850円~ ※吸い物付き うな重:(並)2,850円~ ※うな重ほか5品付き ※価格・サイズは変動の場合あり
営業時間:11:30~14:00・17:00~20:30、木休
住所:愛知県西尾市神下町112
交通:東海道新幹線・東海道本線三河安城駅から車で約30分
TEL. 0563-57-2395 店ホームページはコチラ

お値打ち価格で確かな味を提供!ウナギを知り尽くした漁協の直営店|一色うなぎ 漁業協同組合直営店

店があるのは、新鮮な魚介類を扱う物販店や食事処が軒を連ねる「一色さかな広場」内。蒲焼きの香りが買い物客の食欲をかき立てる。皮目はカリッと香ばしく、身はふっくらとしたウナギは、定番の「うなぎ丼」と細切り蒲焼きの上に海苔をまぶした「まぶし丼」の2種の丼を用意。どちらも注文を受けた後にじっくり焼き上げてくれる。1尾丸ごとの「蒲焼き」や「白焼き」は土産用としても人気。

うなぎ丼:1,950円 まぶし丼:1,700円 白焼き:1,850円 蒲焼き:1,950円 ※価格は変動の場合あり
提供時間:9:00~17:00(食事は11:00~14:00)、水休
住所:愛知県西尾市一色町小薮船江東176 一色さかな広場内
交通:東海道新幹線・東海道本線三河安城駅から車で約50分
TEL.0563-72-9247 店ホームページはコチラ

西尾市内でウナギが食べられる店(参考)はコチラ 西尾市内でウナギが食べられる店(参考)はコチラ

ACCESS いざ、西尾市へ行こう!

<東京方面から西尾市へ> 

JR東京駅から東海道新幹線「ひかり」で約1時間30分の三河安城駅下車、車で約1時間

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※8月11日~20日、12月28日〜1月6日、4月27日〜5月6日は適用外     

東京⇔三河安城(往復672.6km) 東海道新幹線「のぞみ」+ 三河安城駅⇔西尾市 駅レンタカー参考:駅レンタカー(ベーシックタイプ/Sクラス/24時間までの場合) 7,200円 レール&レンタカーきっぷの詳細はこちら

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取材・執筆・構成:松井さおり(teamまめ)
協力:一色うなぎ漁業協同組合
写真提供:一色うなぎ漁業協同組合、うなぎ割烹 みかわ三水亭、うなぎ専門店 西尾かねぶん
※掲載されているデータは2013年6月現在のものです。
※運賃等は繁忙期で計算。

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