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まだまだ知られざるご当地の味 行って食べたい!ニッポンA級発掘グルメ

vol.21 大石田町の
そば[山形県大石田町]


寛政4年(1792)に舟役所が置かれ、酒田を経て上方文化が北前船を通して入ってきた大石田は、最上川の舟運の中枢地だった。大石田大橋下流には塀蔵風の壁画を演出する「最上川特殊堤修景」があり、今もその名残を漂わす。

大石田町はソバの産地。昔から食されているが、明治期になり、原野を開墾するため、救荒作物のソバ栽培が推奨され、そば街道ができるきっかけになった。

大石田町のソバは10月上旬に刈り取られ、いよいよ新そばのシーズンが到来する。

通常より大粒の玄そば(ソバの実)になる「来迎寺在来」。一般的には夏になると風味が落ちるが、この品種は鮮度が落ちにくいため、一年を通して香り高いと評判だ。

2日間で5000食以上振る舞われる、県下有数のそばイベント。役場前の会場で10時から整理券が配布されるので、早めに訪れたい。

農家がのれんを掲げたそば街道でもてなされる

 全国各地にそばの里が散在するが、山形県にはそば街道なるものがある。発祥は村山市の「最上川三難所そば街道」で、県内随一のソバ生産量を誇る尾花沢市「おくの細道尾花沢そば街道」も人気だ。そして、現地に足を運ばないと味わえないそばがあるのが大石田町の「大石田そば街道」だ。

 昔から、人が集うと手打ちそばでお客をもてなすという文化が根付いている地域。そばの味は母から娘や嫁へと受け継がれ、「あそこのうちはうまい」という近隣の評判が高まり、軒先にのれんを掲げた店が少なくない。それゆえ、現在も女性が手打ちする店が少なくなく、仏壇や床の間のある居間にテーブルを並べた昔ながらの農家や民家にお邪魔する風情が魅力だ。街道筋にはそんなそば名人の店が点在する。

大石田ならではの在来種で香り高い新そばを!

 風情ばかりじゃない。大石田町は地そばも自慢だ。次年子(じねんご)地区在来の「次年子そば」に加え、現在、町が力を入れているのが「来迎寺(らいこうじ)在来」。香り高く、そば通が新そばを心待ちにしている品種で、明治以降に来迎寺地区で代々守り続けられてきた。

 界隈はもともと最上川の舟運で栄え、舟乗りが多く住んでいたという。しかし明治以降、舟運は衰退の一途。そこで当時、郡役所に勤めていた来迎寺出身の阿部与佐エ門(あべ よざえもん)氏が「やせて水稲には向かない原野でも作付けできるソバ栽培を」と、九州より新品種を導入したと伝わる。

 山形の一般的な栽培品種である「でわかおり」「最上早生」に比べると、粒が大きく、挽くと香り高い。ならばもっと出回ってもおかしくなさそうだが、「よその土地だと根付かないんです」と話すのは、大石田町役場 産業振興課の佐々木洋平さん。昼夜の寒暖差が大きく、朝晩に立ちこめる最上川の川霧が、「来迎寺在来」をふくよかな香りと味わいをもつ玄そばへと育て上げている。

 新そばが出回るのは毎年11月上旬からだが、ひと足先の10月下旬に催される「新そばまつり」にも注目だ。そばは一般に「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」の三たてがよしとされているが、そこに「採れたて」を加えた“四たて”の二八そばは、このイベントでしか味わえないプレミアムなそば。県外からもこの祭りを目指して訪れるファンも少なくない。

【第18回大石田町 新そばまつり】

日時:2014年10月25日(土)・26日(日)11:00~13:30
料金:当日券1200円、前売り券1000円(券1枚にはそば引換券2枚が付きます)
開催場所:クロスカルチャープラザ「桂桜会館」特設会場(北村山郡大石田町緑町8)
問合せ:かおり風景100選「大石田町そばの里」推進協議会 新そばまつり事務局(大石田町役場 産業振興課)TEL. 0237-35-2111
・詳しくはこちら

SPOT いざ、大石田そばを食べよう!

「大石田そば街道」には、地元産のソバと水で手打ちする、太めで黒っぽい田舎そばの名店が点在。木製の箱形の器で供する板そばは、かつては農作業などの共同作業や集会時にみんながつつけるよう、板戸など大きな長い板の上に盛り付けたことが起源とか。農家風情の店、女性が手打ちする店、自家栽培の「来迎寺在来」を用いたそばなど、店ごとに趣向が異なるので、そば三昧を思う存分、楽しみたい。

きじ肉の旨味が染み出たきじ汁に付けて味わう次年子そば|そば切り 源四郎

民家そのままの店構えで、のどかな座敷が広がる店内。ここでは、コシと風味が強い次年子そばの板そばを、名物のきじ汁に付けて味わいたい。先代から受け継いだきじ汁は、旨みとコクがしっかり汁に染み出しながらも、辛味大根のみぞれが、風味をキュッと引き締める。

板そば:700円 きじ汁:350円
営業時間:11:00~17:00、第2・4木曜休
住所:大石田町次年子149
交通:JR奥羽本線大石田駅から車で約25分
TEL.0237-35-6307

代々、女性に受け継がれる 手打ち十割そばで客人にふるまう|手打ち大石田そば きよ

初代の女将・きよさんが始めた店を現在切り盛りするのは、二代目の女将。自家製の漬物を食みながら座敷で待つと、供されるのが板そばだ。「来迎寺在来」の十割そばで、噛むほどにみずみずしい香りが鼻孔を抜けていく。甘いごまだれで食べるそばがきの「かいもず」も柔らかな食感が名物!

板そば:800円 かいもず:850円
営業時間:11:00~16:00(売り切れ次第終了)、木曜休
住所:大石田町横山736
交通:JR奥羽本線大石田駅から車で約8分
TEL.0237-35-4245

ふくよかな香りを味わう自家栽培の来迎寺在来そば|蕎麦屋まんきち

目の前に広がるソバ畑で採れた大石田自慢の「来迎寺在来」の実を、石臼で挽き、打ち、一気に茹で上げる。しなやかでみずみずしい二八そばは、昆布やカツオ節などのダシ汁を効かせた甘辛い汁にくぐらせてずずっとすするべし。弾力のある食感は、噛むほどに口中で香りが広がっていく。

板そば:780円
営業時間:11:00~15:00・17:00?20:00(夜は要予約)、火曜休
住所:大石田町豊田855-1
交通:JR奥羽本線大石田駅から車で約5分
TEL.0237-35-3620 ホームページはコチラ

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取材・執筆・構成:佐藤さゆり(teamまめ)
写真提供:大石田町役場 産業振興課 商工観光グループ、大石田町商工会
※掲載されているデータは2014年10月現在のものです。

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