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まだまだ知られざるご当地の味 行って食べたい!ニッポンA級発掘グルメ

vol.28 香川のブランドハマチ三兄弟 
[香川県](上)長男 ひけた鰤(中)次男 なおしまハマチ(下)三男 オリーブハマチ


ハマチ養殖発祥の安戸池。海水池だったことから、野網和三郎が定置網にかかった小型魚で実験をはじめ、養殖法を確立した。

沖合にいけす網をうかべた小割生簀式養殖。25m四方、深さ20mもの大型のいけすもあり、ハマチは悠々と泳ぎまわる

引田漁協では全国からひけた鰤オーナーを募集。夏にオーナーを招待して漁場見学会を行う。手元に届くのも楽しみだ。

抗酸化作用があると評判のポリフェノールがたっぷり含まれたオリーブの葉。粉末にして餌に2%以上混ぜ、出荷直前の20日以上もの間、給餌する「オリーブハマチ」。鮮度が落ちにくいうえ、肉質と味わいが向上した。

身の締まったハマチの試食PRイベントは、10月下旬に開始。10月24日(土)には直島「環境フェスタ2015」で、10月25日(日)は「たかまつ市場フェスタ」で行われる。

世界で初めて養殖に成功した香川のハマチ

 ハマチといえば出世魚の一つ。呼び名は地域と成長段階によって異なり、昭和初期までは100近い名称が存在したという。関東では養殖ものをハマチ、天然ものをブリと呼ぶことが多いが、関西では1~4kg程度のものをハマチ、それ以上は成長過程に合わせてメジロ、ブリと呼ぶ。香川ではツバス→ハマチ→ブリと呼び名が変わるという。

 1995年、ハマチを県魚に指定した香川県は、世界で初めて海産魚の近代的な養殖を成功させた。引田(ひけた)村(現・東かがわ市)の網元三男だった野網和三郎(のあみ わさぶろう、愛称・ワーサン)は、水産学校を卒業すると、播磨湾に面した海水池の安戸(あど)池で、水門を網で仕切り、養殖実験を開始。定置網に入った小型魚を放流するなかで、ハマチが最も環境に慣れやすく、成長も早いことを突き止めた。試行錯誤の末に昭和3(1923)年、餌付けに成功。世界の海産魚類養殖の礎となった。
 香川ではその後も工夫がなされ、昭和30年代後半にいけす網を海面に浮かべた小割生簀式養殖が開発され、ハマチ養殖は西日本を中心に飛躍的に普及した。

 ハマチは、黒潮本流に沿った東シナ海を中心に、太平洋側は房総半島、日本海側は能登半島沖合までの広い範囲で、春に産卵する。潮にのって成長し、数cmの稚魚はホンダワラなどの流れ藻に付いて棲息する。体長数㎝~20㎝の稚魚期をモジャコ(藻雑魚)と呼び、香川でも昭和40(1965)年頃まではモジャコを獲っていた。現在は資源保護のため、鹿児島・長崎・愛媛県などでモジャコから1年養殖された2年魚を仕入れ、飼育している。

 ちなみに、冬の香川県沿岸部の水温は、冬の青森県並みの水温で、約7℃。そのためハマチは越冬できず、通年での養殖はできない。しかし冬季の養殖を行わないおかげで、良好な水質環境を保つことができるという。
 出荷時期は、3~5㎏にまで成長した9月頃から翌年1月頃までだ。10月頃から水温が下がって身が引き締まり、脂がのってくる。最も脂がのる水温は15℃で12月頃。その頃、他県に比べて早い最盛期を迎えるのだ。

三者三様の旨みに出合うハマチ三兄弟

 香川では、ハマチ養殖80周年を迎えた2008年、引田漁業協同組合で養殖されている「ひけた鰤(ブリ)」を長男に据え、次男を瀬戸内の直島で養殖されている「なおしまハマチ」、三男を香川特産のオリーブの葉粉末を餌に加えて育てた「オリーブハマチ」として、「香川ブランドハマチ三兄弟」として売り出すことを決定した。

 体重4kg以上にもなるひけた鰤は、引田の沖合6㎞に設置された大型生簀でストレスなく泳ぎ回り、身の引き締まった食感が魅力だ。また、なおしまハマチは、大小27の島々が点在する瀬戸内海を複雑に早く流れる潮にもまれて育ち、月1回の身体検査で健康状態や肥満度をチェックされた高品質。そして、香川特産のオリーブの葉の粉末入りの餌を与えたオリーブハマチは、臭みの少ないさっぱりとした味わいが特徴だ。

 旬を迎える10月下旬には、各地のフェスタでハマチ三兄弟の試食イベントが行われる。また、年の瀬に向けて、ハマチは贈答用などにも用いられるという香川県。各地をめぐってハマチ三兄弟の味を存分に満喫したい。

SPOT いざ、ハマチ三兄弟を食べよう

県魚だけあって、香川県1世帯あたりのブリ類年間購入量は、常に全国上位に入る。さらに近年は増加傾向にあるという。刺し身はもちろん、塩焼き、しゃぶしゃぶのほか、照り焼きはおせち料理の定番! メニューも数々編み出されているので、ハマチ三兄弟の漁場近くで、ご当地ならではの逸品を味わいたい。

脂ノリノリの「ひけた鰤」を発祥の地で味わう|ソルトレイクひけた ワーサン亭

ハマチ養殖発祥の地である安戸池のほとりで、鮮度抜群の旬魚が味わえる。なかでも11月上旬よりお目見えするのが、朝締めのひけた鰤。ブリブリの食感のあと、脂の甘みが舌の上で広がる。刺し身、カツもあるが、丼で豪快にかっこむのもいい。

ひけた鰤刺身定食:700円、ひけた鰤丼定食:700円、ひけた鰤カツ定食:600円など
提供期間:11月初旬~1月上旬(期間外は通常のブリやハマチを使用)
営業時間:10:30~13:30(土・日曜・祝日は~14:00)
※1Fふるさと特産品コーナーは7:00~16:00、火曜休
住所:東かがわ市引田4373
交通:JR高徳線引田駅から車で5分
TEL.0879-33-2800 店ホームページはコチラ

冬こそ味わいたい「なおしまハマチ」のバーガー|maimai(マイマイ)

“ご島地”バーガーの具に用いるのは、地元漁師から仕入れた「なおしまハマチ」。フライとたっぷりの特製タルタルソースをバンズにはさめば、サクサクの衣に絡んで、脂ののったハマチの旨みがじゅわり。チーズやアボガドのトッピングでさらに味深まる!

元祖 直島バーガー:640円
提供期間:10月頃~12月末(期間外は通常のハマチを使用)
営業時間:10:00~17:00、不定休
住所:直島町本村750
交通:本村港から徒歩6分
TEL.090-8286-7039 店ホームページはコチラ

「オリーブハマチ」を豪快に味わう海鮮食堂|道の駅 源平の里 牟礼 海鮮食堂じゃこや

瀬戸内海で獲れた旬魚がわんさか。なかでも、ほんのりオリーブ色の「オリーブハマチ」は、さらりとした脂で、刺し身、ブリ大根など、いろんな形で登場。1本から2切れしかとれないカマを大きめに切ったカマ山椒焼きは、ダイナミックに味わいたい。

カマ山椒焼き:432円
営業時間:11:00~14:00(土・日曜・祝日は~15:00)
提供期間:9月中旬~1月頃(期間外は通常のハマチを使用)
住所:高松市牟礼町原631-7
交通:高松琴平電鉄志度線房前駅から徒歩2分
TEL.087-845-6080 店ホームページはコチラ

TICKETS|いざ、引田へ行こう!

<東京方面から>

JR東京駅から東海道・山陽新幹線「のぞみ」で3時間9分の岡山駅下車、
特急「うずしお」に乗り換えて1時間39分の引田駅下車

<大阪方面から>

JR新大阪駅から東海道・山陽新幹線「のぞみ」で44分の岡山駅下車、
特急「うずしお」に乗り換えて1時間39分の引田駅下車

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取材・執筆・構成:佐藤さゆり(teamまめ)
写真提供:香川県農政水産部水産課、ソルトレイクひけた、maimai、道の駅 源平の里 牟礼
※掲載されているデータは2015年10月現在のものです。

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