『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

  • mixiチェック

まだまだ知られざるご当地の味 行って食べたい!ニッポンA級発掘グルメ

vol.29 大子町の奥久慈しゃも[茨城県大子町]


空気のよさ、水のよさを誇る大子町の豊かな大自然のなかに建つ「奥久慈しゃも生産組合」。直売所もあるので、おみやげ用に購入するのもいい。

群れでも飼育できるよう改良された奥久慈しゃもは平飼い。走り回ることができるため、ストレスが少なく、食肉の旨みもよくなる。

米や白菜、キャベツなどの地元野菜を加えた飼料と、清冽(れつ)な地元の水で育てる奥久慈しゃも。

奥久慈しゃもの法度(はっと)汁を、袋田の滝の入口付近で無料サービス(1月9日16時~)。極寒の冬に嬉しいおもてなしだ。

日本三名瀑の袋田の滝では、2016年2月15日までの金~日曜・祝日に「2015 大子来人~ダイゴライト~」を開催。1年で最も美しく壮麗に表情を変える滝の景色をライトアップ。久慈川イルミネーションも目に焼き付けて。年末年始も開催!

厳しい自然環境のなか、じっくり育てた地鶏

 軍鶏(シャモ)といえば、国の天然記念物。気性が荒く、喧嘩っ早いことから、闘鶏用や観賞用として江戸時代に人気を博したという。かつては闘鶏で負けたシャモや、闘争心のないものを食用としていた。

 奥久慈しゃもは、名古屋種(名古屋コーチン)とロードアイランドレッドを掛け合わせて生まれたメスと、オスのシャモの間から生まれた地鶏で、軍鶏の血統をもつ。全国に地鶏は100種以上あるが、ブロイラーとの掛け合わせがほとんど。そのなか、群れでの飼育が難しいものの、肉・卵の味がよいこの鶏を茨城県養鶏試験場が改良し、昭和58(1983)年より飼育開始。そして2年後にはブランド地鶏に名を連ね、さらに3年後には全国特種鶏(地鶏)味の品評会で第1位に選ばれた経歴をもつ。

 そんな奥久慈しゃもの一大産地は、茨城県北部奥久慈地方だ。なかでも大子町は盛んで、現在、7名の養鶏農家が活躍する。大子町は寒暖の差が大きいゆえ、緑豊かで空気が澄みわたる。そんな厳しい自然環境のなか、丁寧に育てられるのが奥久慈しゃもの旨さの秘訣だ。たとえば食肉専用の鶏・ブロイラーなら、約50日で3kg程度まで育てられるのに対し、奥久慈しゃものオスは約125日かけて2.6kg、メスは約155日かけて2.1kgまでしか育てられない。じっくりゆっくり飼育することで、筋肉質で野生味溢れる風味が備わるのだ。

低脂肪で歯ごたえあり!噛むほどに奥深い旨みがのぼる。

 町内では約60件の飲食店で奥久慈しゃもが味わえるうえ、精肉店では鶏肉も販売する。直売所が併設された奥久慈しゃも生産組合もそのひとつだ。組合員の森山さんは「冷凍肉を解凍したら、キッチンペーパーでよく水気をとって。焼きすぎないこともおいしく食べるポイント」と、教えてくれた。そんな森山さんに一番好きな食べ方を尋ねると、「焼き鳥」と即答。奥久慈しゃもは、低脂肪でヘルシー。身が締まって、弾力のある歯ごたえと、コクの強さも自慢なのだという。「冬なら、しゃも鍋もいいですよ。醤油で味付けするときは、ゴボウ、キノコを入れると味がぐんと引き立ちます」。

 さらにこの夏、奥久慈しゃもを用いた新たなご当地料理も誕生している。町内6店舗で提供するシャモゲタンだ。「和風レストラン 七曲り」の上谷さんは、飲み会の口実で集まり、試作したのがきっかけだと笑う。韓国料理の薬膳料理・参鶏湯(サムゲタン)をヒントに、丸鶏と野菜を用いた煮込み、鶏ガラが染み出したスープは奥深く、ほっこりする味わいだ。

 ここ大子町ならではの郷土料理の進化版メニューもある。町内の飲食店や旅館が参加する「大子よかっぺ倶楽部」が考案した「奥久慈しゃも法度(はっと)汁」だ。法度汁とは、けんちん汁のような具沢山の汁に団子を加えたもので、その昔、水戸藩主の徳川光圀公が藩の財政難を苦慮し、団子汁を禁止したことから名が付いたといういわれが残る。奥久慈しゃもの鶏ダシベースのしょうゆ味に、冬野菜と団子がたっぷり入る。

 奥久慈しゃも法度汁は1月9日(土)、「大子町 冬のおもてなし」キャンペーンの一環として、袋田の滝付近で無料で振る舞われるという。荘厳な冬景色で有名な名瀑ライトアップを見ながら、ほこほこと腹の底から温まる滋味を堪能しに出かけたい。

【大子の夜を照らす幻想空間「2015 大子来人~ダイゴライト~」】
・期間:11月1日~2016年2月15日 日没~20:00
・内容:
-袋田の滝ライトアップ(~2016年2月15日の金~日曜・祝日および年末年始)
-久慈川イルミネーション (~2016年1月15日の日没~22:00)
-奥久慈しゃも法度汁無料サービス(1月9日(土)16時~、限定700食。袋田の滝見橋付近で配布)、ほか温泉入浴割引券プレゼントなど。詳しくはコチラ

SPOT いざ、奥久慈しゃもを食べよう!

焼き鳥に、しゃも鍋、しゃもすき、しゃも丼、そばなど、しゃもが変身する料理はバラエティー豊か。旨みとコクが抜群の肉はもちろん、鶏ガラからもエキスがたっぷり抽出され、その滋味深さに誰もがトリコに。「奥久慈しゃもよかっぺ倶楽部」考案のシャモゲタンも今夏登場し、宴の主役にしゃも料理は欠かせない。やさしく奥深い味わいに、胃の腑も喜ぶぞ!

野生味ある山の鶏肉を丸ごと味わう絶品料理|和風レストラン 七曲り

骨付きをコンフィにしたワイルドなあぶり焼きが評判だが、夏より人気を博しているのがシャモゲタン。特産品のりんごやクレソンをたっぷり用い、漆も加えて滋養強壮にも抜群。塩分控えめでヘルシーな煮込み料理は、肉質柔らかながら繊維はぶっとく、奥深いスープの虜になる。

シャモゲタン(4~5人前):6000円、奥久慈しゃもあぶり焼き:1800円など
営業時間:11:00~15:00・17:00~21:00、木休
住所:久慈郡大子町下野宮3504-1
交通:JR水郡線下野宮駅から車で5分
TEL.0295-72-5391 店ホームページはコチラ

いろんな部位がとろとろ卵で包まれた至福の丼|弥満喜

歯ごたえがあり、噛むほどに旨みが増す奥久慈しゃも。なかでもおすすめが、朝採りしゃも卵を加えた奥久慈しゃも丼だ。胸肉、モモで作る定番もあるが、「極み」と名付けられた極上丼には、ササミ、手羽元、レバー、砂肝、ハツまでも入り、食感の妙とともに旨みの坩堝。

奥久慈しゃも丼「極み」:1800円、奥久慈しゃも丼:1200円(ともにしゃもスープも付き)
営業時間:11:00~15:00・17:00~20:00、水休
住所:久慈郡大子町第五741-1
交通:JR水郡線常陸大子駅から徒歩5分
TEL.0295-72-0208 店ホームページはコチラ

店主自ら育てた奥久慈しゃもをストレートに味わう醍醐味|奥久慈しゃも料理 だいこん

店主の高安正博さんは、奥久慈しゃも生産者の一人。彼が営む奥久慈しゃも料理専門店には、33種もの料理がずらり。ソリやセセリなど、シンプルに炭火で炙った焼き鳥は、ほどよく脂肪がのり、旨みが引き立つ。噛んだときにほとばしる肉汁と、濃厚な旨みには感服しきり。

ソリ:320円、セセリ:320円、燻製:320円など
営業時間:18:00~22:00、日・月休
住所:久慈郡大子町大子671
交通:常陸大子駅から徒歩1分
TEL.0295-76-8002 店ホームページはコチラ

TICKETS|いざ、常陸大子へ行こう!

<東京方面から>

JR東京駅から特急「ひたち」で1時間12分の水戸駅下車、
JR水郡線に乗り換えて75分の常陸大子駅下車

あなたの出発地+目的地「常陸大子」で経路検索するならコチラ
茨城県の宿泊施設を探すならコチラ
取材・執筆・構成:佐藤さゆり(teamまめ)
写真提供:大子町商工観光課、奥久慈しゃも生産組合、和風レストラン七曲り、弥満喜、奥久慈しゃも料理 だいこん
※掲載されているデータは2015年12月のものです。

バックナンバー

このページのトップへ