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駅弁の女王小林しのぶが選ぶ 絶対に食べたい駅弁

トレンドを先取りした地産地消駅弁「近畿味めぐり弁当」京都駅 新大阪駅

「近畿味めぐり弁当」は、いま各地で叫ばれる地産地消をテーマとする駅弁。近江米をはじめ、近畿の食材を多数使用したかやくご飯、近江牛入りのメンチカツ、近江鶏を使用した筑前煮、富田林の丸ナス、兵庫のブナシメジなど、近畿2府4県の特産品をふんだんに盛り込んでいる。

 地産地消は、地域で採れたものをその地域で消費することを指す言葉で、駅弁業界では古くから行われてきた。というよりも地産地消こそが駅弁の存在意義であり、今後の生き残る道ともいえるだろう。そうした思いを胸に、パッケージの内側に描かれた「味めぐりマップ」を見ながら弁当を味わう。全体的に淡白な味付けの中で、近江牛の旨味を強く押し出したメンチカツが絶品。ダシの染み込んだかやくご飯との相性も抜群で、この2品だけでも弁当を買う価値がある。

 駅弁のトレンドを先取りした彩り豊かなこの駅弁は、「地産地消駅の弁当メニューコンテスト」で近畿農政局長賞を受賞している。

Data
価格 950円
種類 幕の内
調製元 (株)ジェイアール東海パッセンジャーズ
TEL.0120-596010(受付 9:00~17:30)

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煮汁の染み込んだホタテは天下一品「むつ湾産 帆立釜めし」青森駅

 メーンの食材がふんだんに盛られた駅弁は、うれしいものだ。その食材が上等であれば、食前の興奮はいよいよ高まる。

「むつ湾産 帆立釜めし」は、粒ぞろいの青森県・陸奥湾産のホタテをメーン食材に、全体を釜めし風に仕上げた駅弁。発売開始から40年以上経ってもなお人気の衰えないロングセラーだ。円形のプラスチック製容器にホタテのダシで炊いたご飯を敷き詰め、その上にホタテ煮、錦糸卵、姫竹煮、山くらげ、飛び子(トビウオの卵)を盛りつけている。

 このホタテがうまい。水質がきれいな陸奥湾で水揚げされたホタテは、弾力性のある食感の中にまろやかな甘さを含んでおり、ひと噛みごとに口中に旨味が広がる。ロングセラーの秘訣、ここに見つけたり! 隣席の乗客にも思わず勧めたくなる味である。

 ご飯はもちもち感があり、ホタテのダシが香る。見た目は少量だがボリューム感もある満足度の高い名品だ。

Data
価格 900円
種類 海の幸
調製元 (株)ウェルネス伯養軒
TEL.017-723-1894

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老舗の味覚を一度に味わえる高級駅弁「東京弁当」東京駅

 売店に並ぶ駅弁を眺めて、さてどれにしようかと考えるのは至福のひととき。けれど悩み過ぎて混乱したら、「とりあえず幕の内」方式を推奨したい。その土地を代表する食材を詰め込んだ幕の内弁当なら、一度に多くの郷土の味を楽しめるからだ。

 2002年に登場した東京駅限定の「東京弁当」は、メガロポリス東京のご当地弁当と呼ぶにふさわしい豪華な内容が自慢。東京の味をテーマとするこの駅弁には、浅草今半の牛肉タケノコ、人形町・魚久のキングサーモンの粕漬け、すし玉青木の焼き印付き卵焼き、日本橋大増の野菜のうま煮と、老舗を代表する14種類もの料理がずらりと並ぶ。おかずを引き立てる白飯は、契約農家から仕入れた秋田県産有機認証米あきたこまちを使用するなど細部まで妥協しないこだわりがスゴイ!

 価格も妥協知らずの1600円だが、品書きを眺めながら食べ進めれば、いずれの料理もしっかり手間と時間をかけているのがわかる。東京の老舗の味を集約したこの駅弁、いまや立派な東京名物である。

Data
価格 1600円
種類 幕の内
調製元 (株)日本レストランエンタプライズ
TEL.0120-658-078

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一折で3度おいしい名古屋の名物料理「抹茶ひつまぶし日本一弁当」名古屋駅

 味噌カツ、台湾ラーメン、小倉トーストと名古屋には名物料理が多い。ひつまぶしもその一つ。細かく刻んだウナギの蒲焼きをご飯に混ぜ、小ぶりのお櫃(ひつ)に入れて出す料理で、1杯めはそのまま、2杯めは薬味で味に変化をつけて、そして3杯めはお茶漬けで食べるのが一般的だ。

 この名古屋名物を駅弁にアレンジしたのが「抹茶ひつまぶし日本一弁当」。名称に日本一弁当と付けたのは、生産量日本一の三河一色産のウナギと西尾産の抹茶、さらに日本一長い守口ダイコンを使用したことに由来するという。けれどこうしたブランド力に頼らずともおいしさは折り紙付き。ふんわりと焼き上がった蒲焼きと、タレが絡み合ったご飯との相性が見事で、勢いあまって一気に完食しそうになる。それをぐっとこらえて、3分の1程度を残し、缶茶をかけてお茶漬けにすると、抹茶の香りが車内に漂い、周囲から注目の的。ひつまぶし、恐るべし!

 薬味とともに抹茶の粉も袋詰めにされているので、缶茶でなくこちらをごはんの上から振りかけてもよい。目配りが行き届き、おもてなし度も日本一の駅弁といえるだろう。

Data
価格 1200円
種類 ウナギ
調製元 (株)だるま
TEL.052-452-2101

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※掲載されているデータは平成22年8月現在のものです。

小林しのぶ(旅行ジャーナリスト・エキベニスト・駅弁愛好家)

 駅弁の食べ歩きは20年以上に及び、食べた駅弁の数が5000を超えることから"駅弁の女王"と呼ばれる。全国各地の調製元と新作駅弁の共同開発を手がけるほか、新聞、雑誌、ウエブ等に連載多数。プロデュースした駅弁は「1000号はっこう弁当」「東京もちべん」(東京駅)ほか。

 フードアナリスト。日本旅のペンクラブ会員。千葉県佐原市出身。

 近著に『全国美味駅弁 決定版』(JTBパブリッシング)、『五つ星の駅弁』(東京書籍)、『どんぶりこ』(交通新聞社) 、『超いまうまい帖』(ぶんぶん書房)、『すごい駅弁!』(メディアファクトリー)などがある。NEXCO東日本で展開している「どら弁当」の監修者でもある。

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