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駅弁の女王小林しのぶが選ぶ 絶対に食べたい駅弁

タレとマヨネーズが黒豚の旨味を引き出す「豚トコTON」岡山駅

 日本国中ブランド豚のブームだが、風味が豊かでうまい!と評判なのが「おかやま黒豚」。これをとことん使用した駅弁が、平成17(2005)年度の岡山国体に合わせて開発された。

 手に持ちやすいわっぱ型の容器。ふたを開けるとボリューム感たっぷり。岡山県産米を炊いたご飯の上に黒豚料理を盛り付け、その周りに蓮根のきんぴら、青唐の素揚げ、割干し大根などを添えている。黒豚は焼き豚、ソテー、空揚げの3種類の方法で調理。ソテーはそのまま食べても豚肉のうまみを味わえ、焼き豚と空揚げはどちらかといえば淡白に仕上げている。けれどこれらに別添えの特製タレとマヨネーズをかけると味覚は一変。黒豚ならではの上等な脂身と赤身が口の中でとけあい、大いなる感動を呼び起こす。

 ご飯と黒豚肉との相性のよさはいうまでもないが、食べ進むにつれてタレとマヨネーズが白米に染み込んで、食べ終わるのが切なくなるほどのおいしさ。岡山駅に着いたらぜひ味わってほしい逸品だ。

Data
価格:950円
種類:肉系
調製元:(株)三好野本店
電話:0120-35-3355

見ても食べても芸術品のマスの押し寿司「元祖鱒寿し」米原駅

 発売から60年以上経ってなお根強い人気を誇るロングセラー駅弁「元祖鱒寿し」。“元祖”を名乗っているのは、調製元が日本初のマスの姿寿司を製造販売したため。

 姿寿司は今は予約販売のみ、そして食べやすくひと口サイズに分けた10カンの押し寿司「元祖鱒寿し」が米原駅の売店に並び、旅の供に、土産にと人気を博している。

 長方形の紙製容器に、琵琶湖周辺の四季折々の見どころの紹介文を記載したフタをのせている。寿司をほおばりながら読むと、より一層旅情が増す。

 口に運べば、深みのあるマスの旨味が口中いっぱいに広がる。酢はそれほどきつくない。うまさの秘密は、マスの上にちらした山椒の実。爽やかな香気がマスの風味を引き出す巧みの技に、発売から半世紀以上が経過した歴史の重みを感じる。酢飯の酢加減も絶妙で、箸休めのガリをすっかり忘れて次から次へと手を伸ばしたくなる。10カンも食べられないという少食派向けとして、5カン入り600円のミドルサイズも用意している。

Data
価格:1200円
種類:珍素材
調製元:(株)井筒屋
電話:0749-52-0006

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容器を繰り返し使えるキャラクター駅弁「アンパンマン弁当」高松駅

 子どもたちに大人気のアンパンマンを起用したキャラクター弁当。2000年に発売され、2005年のリニューアルを経て現在に至っている。

 プラスチック製の容器にアンパンマン型の水筒をセットし、アンパンマン列車のイラストを掲載した手提げ袋に収めている。中身のメインはアンパンマンの顔を模した味付けご飯で、ケチャップとソースを使ってユーモラスな表情に仕上げている。おかずは、ひと口から揚げやウィンナーソーセージ、枝豆、デザートゼリーと、子どもたちが大好きなおかずを詰め込んだ。

 バランや醤油差しまでアンパンマンのキャラクターを描くという徹底ぶりが微笑ましい。列車内でこの弁当を広げるのは勇気が必要だが、味付けご飯のもちっとした食感はちょいとアダルティで満足度は高い。ただしボリューム的には物足りないので、おやつ感覚で味わうのがオススメだ。水筒や醤油差しの中身はカラで、逆さに振っても何も出てこない。容器と一緒に持ち帰って、子ども用の弁当箱としてご愛用ください。

Data
価格:1,100円
種類:キャラクター
調製元:(株)高松駅弁
電話:087-851-7711

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不動の人気を誇る正統派幕の内駅弁「幕の内弁当」静岡駅

 駅弁ファンのあいだで“日本一の幕の内”との呼び声高い駅弁。調製するのは老舗の東海軒で、昭和12(1937)年以来、同社の売り上げナンバーワンを独占している。

 イラスト入りのあでやかな黄色い掛け紙は、売店の中でもひときわ目立つ。朝一番から販売され、ビジネスマンが買って新幹線に飛び乗る姿もよく見かける。

 内容は、梅干をのせた俵型ご飯のほか、サバの照り焼き、鶏のひき肉入り卵焼き、エビフライ、蒲鉾、タケノコ煮など11品のおかず。焼き物、煮物、揚げ物を盛り込んだ定番の幕の内だ。

 焦げ目がついて、門外不出のタレが絶妙な味わいを醸し出すサバの照り焼きをはじめ、おかずの仕上がりはどれも丁寧で文句なくおいしい。けれど何より魅力的なのは、発売当初から内容や味覚をほとんど変えていないところ。いつ食べても懐かしく、ほっと安心できる味を見事に再現してくれる。

 左党にうれしいのは、カップに入った静岡特産のわさび漬け。じわじわと味わいつつ缶ビールを手にするのは至福の時間である。

Data
価格:750円
種類:幕の内
調製元:(株)東海軒
電話:054-287-5171

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※掲載されているデータは平成22年10月現在のものです。

小林しのぶ(旅行ジャーナリスト・エキベニスト・駅弁愛好家)

 駅弁の食べ歩きは20年以上に及び、食べた駅弁の数が5000を超えることから"駅弁の女王"と呼ばれる。全国各地の調製元と新作駅弁の共同開発を手がけるほか、新聞、雑誌、ウエブ等に連載多数。プロデュースした駅弁は「1000号はっこう弁当」「東京もちべん」(東京駅)ほか。

 フードアナリスト。日本旅のペンクラブ会員。千葉県佐原市出身。

 近著に『全国美味駅弁 決定版』(JTBパブリッシング)、『五つ星の駅弁』(東京書籍)、『どんぶりこ』(交通新聞社) 、『超いまうまい帖』(ぶんぶん書房)、『すごい駅弁!』(メディアファクトリー)などがある。NEXCO東日本で展開している「どら弁当」の監修者でもある。

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