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駅弁の女王小林しのぶが選ぶ 絶対に食べたい駅弁

大食漢も満足できる直球勝負のカツ弁当 黒田庄和牛メンチカツ弁当 姫路駅

 カレーピラフの上にメンチカツを6切れのせたカツ弁当で、付け合わせとして三色豆とサワークラウトを添えている。メンチカツは、神戸ビーフの優良産地として知られる黒田庄地区で肥育されている和牛のひき肉を丁寧に揚げたもので、ひと目で肉厚とわかるたたずまいが食欲をそそる。カレー風味の特製ソースを添付したアイデアも見事だ。

 メンチカツの上にまんべんなく特製ソースをふりかけて準備完了。メンチカツにかぶりつくと、揚げたてだったらもっとうまいだろうなどとは思わせないほど、しっかり肉の味がする。カレー風味に慣れたところで、キャベツで作ったサワークラウトに手を伸ばす。キャベツでつくったザワークラウトは代表的なドイツ料理のひとつ。さわやかな酸味が舌をやさしく刺激し、満腹になりかけた食欲をラストスパートへとあおり立てる。余計なことを考えずに食べられる直球勝負の駅弁。ボリュームたっぷりなので、相当な大食いでも満足できるはずだ。

Data
価格:980円
種類:カツ弁当
調製元:まねき食品(株)
電話:079-224-0251

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山里の味覚を満載した香田晋さんプロデュースの駅弁 林道かまめし 越後湯沢駅

 演歌歌手としての活動はもとより、バラエティ番組などでも活躍中の香田晋さんがプロデュースした駅弁。2007年7月の発売時には香田さん本人が売り子として登場し、限定80食をわずか5分で完売させたという。

 パッケージには、香田さんの顔写真と直筆による駅弁名を掲載した。中に収まるのは過熱機能付きのプラスチック容器で、ひもを引くと温かくなる。やがて訪れる寒い季節にはぴったりのサービスだ。肝心の中身は、魚沼産コシヒカリ米のご飯の上にブランド豚の「つなんポーク」やレンコン、マイタケなど地場産の食材をたっぷり配した山里の味弁当。タピオカ、小麦、大豆、海藻などを配合した飼料で育ったつなんポークは、くせのない味覚と脂身の軽さが特徴。いくらでも食べられそうで、もっと量が入っていてもいいかも、と思ったくらいだった。ふっくらとした炊き込みご飯と具材の取り合わせも見事で、車窓風景を眺めつつ食べていると、ふるさとに帰ったような懐かしさがこみ上げてくる。値段以上の満足感を得られる逸品だ。

Data
価格:1,000円
種類:釜めし
調製元:川岳軒
電話:025-783-2004

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入手の難しい幻の”お粥”駅弁 低価格も魅力 上州の朝がゆ 高崎駅

 全国的にも珍しい、お粥の駅弁。購買客の中心は新幹線利用の通勤客のため、販売時間は毎朝7~9時、調製個数は100個で、売り切れ次第終了という条件付き。取り置き予約は行わないため、これを食べようと思ったら早朝の列車で移動するか、高崎に前泊するしかない。入手が困難のため、一部では幻の駅弁ともいわれる。

 厳選した国内産のお米を自家精米した後、じっくり煮込んでお粥に仕上げている。深い発泡容器にたっぷり注がれた白粥は熱々で、ほっこりと湯気が立っている。スプーンでかきまぜると、中からむきエビ、シラス、クリが顔を出した。海のもの、山のものを取り合わせており、彩りもよい。なんと素敵なトッピング。別添えの容器には練り梅、食塩、大根の漬物が詰められており、これらで塩気を調節しながらするするとお粥をいただく。低カロリーの上に消化がよいため、二日酔いでもおいしく食べられる。手軽な朝食として最適の胃腸にやさしい駅弁。350円という低価格にも感謝しながら味わいたい。

Data
価格:350円
種類:お粥弁当
調製元:高崎弁当(株)
電話:0120-56-2571

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秘伝のタレで煮込んだアユの甘露煮は絶品 鮎屋三代 新八代駅

 九州新幹線の部分開業に合わせて開発された駅弁。八代駅前で100年以上にわたり営まれてきた老舗アユ問屋の三代目が陣頭指揮をとったことからこの名がついた。「九州駅弁ランキング」では、3年連続で1位を獲得した輝かしい経歴をもっている。

 人気の理由は、炊き込みご飯の上に丸ごと1匹のせられたアユのおいしさにある。きれいなアメ色の甘露煮は、鹿児島を流れる川辺川、球磨川で獲れた上質の天然アユのみを使い、三代にわたって受け継がれてきた秘伝のタレで長時間じっくりと煮込んだもの。ふっくらとやわらかく仕上がっており、頭から骨まで食べつくすことができる。アユにばかり目を奪われがちだが、炊き込みご飯の味わいも極上だ。焼き干しにしたアユのダシ汁を使用し、シメジ、ニンジン、山椒と一緒に炊き込んだもので、香りがよく、旨味もたっぷり。ご飯だけでも十分に満足できる。

 付け合わせの菜の花やシイタケ、卵焼きにも一切手抜きはない。上品でやさしい味わいに心なごむ逸品である。

Data
価格:1,100円
種類:川魚
調製元:鮎問屋 頼藤
電話:0965-33-1145

※掲載されているデータは平成22年10月現在のものです。

小林しのぶ(旅行ジャーナリスト・エキベニスト・駅弁愛好家)

 駅弁の食べ歩きは20年以上に及び、食べた駅弁の数が5000を超えることから"駅弁の女王"と呼ばれる。全国各地の調製元と新作駅弁の共同開発を手がけるほか、新聞、雑誌、ウエブ等に連載多数。プロデュースした駅弁は「1000号はっこう弁当」「東京もちべん」(東京駅)ほか。

 フードアナリスト。日本旅のペンクラブ会員。千葉県佐原市出身。

 近著に『全国美味駅弁 決定版』(JTBパブリッシング)、『五つ星の駅弁』(東京書籍)、『どんぶりこ』(交通新聞社) 、『超いまうまい帖』(ぶんぶん書房)、『すごい駅弁!』(メディアファクトリー)などがある。NEXCO東日本で展開している「どら弁当」の監修者でもある。

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