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駅弁の女王小林しのぶが選ぶ 絶対に食べたい駅弁

2タイプのどんぶりに海鮮素材をトッピング えぞ小鉢 どんぶり子 旭川駅

 旭川駅を代表する人気の駅弁。具材を組み合わせて“マイどんぶり”をつくるプロセスの面白さが年齢を問わずにウケている。

 サケ(イクラ)とウニの大胆なイラストを掲載したパッケージの中には、小ぶりの円形容器が2つ入っている。一つは茶飯の上にワカメを散らしたもので、これに別添えのウニをのせるとウニ丼が完成する。もう一つは茶飯の上に錦糸卵をのせたもので、トッピングとして用意されたイクラ、サケそぼろ、山くらげを好みでのせて、どんぶりをつくっていく。おかずを一度にどっさりのせて豪快にかき込んでもよいし、おかずだけをジワジワと味わった後で味付きご飯を食べることもできる。かたちにこだらわずに食べられる自由度の高さが、この駅弁の人気の秘訣だろう。

 濃いめに味付けられたウニは、酒の肴にぴったりで、つい飲み過ぎてしまうのが難点か。茶飯にのせたワカメが味覚のバランスを調整するため、ウニ丼としての実力も見事だ。イクラ丼では、イクラよりもサケフレークのおいしさに感嘆した。1つでは物足りないが、2つ食べきると満足感は120%以上である。

Data
価格:1,100円
種類:海鮮系
調製元:旭川駅立売(株)
電話:0166-31-1515

ブランド和牛のしぐれ煮とそぼろ煮は絶品 村上牛しぐれ 新潟駅

 新潟県村上市や胎内市で飼育された高級黒毛和牛、「村上牛」を使った駅弁。県内産の素材にこだわった商品を展開する新潟三新軒が調製している。

 内容は、県産のコシヒカリを炊いたご飯の上に、村上牛のしぐれ煮とそぼろ煮をたっぷりのせた牛丼ふうの弁当。村上牛は、一般にあまり馴染みのない品種だが、良質の素牛にコシヒカリの乾草を与えながら丁寧に育成した和牛の高級ブランドで、格付等級がA-4、B-4以上のものしかこの名で呼ばれない。色つやの見事な牛肉の海に箸を差し入れ、ぐいっと持ち上げて一気にほお張る。濃い目に味付けられた牛肉煮と甘味のあるご飯とのバランスがすばらしい。肉質のやわらかい牛肉煮は、あまりにおいしく、いったん食べ始めるとブレーキが利かなくなる。

 付け合わせは卵焼き、ブロッコリー、そしてマヨネーズが添付された生野菜など。牛肉煮の濃厚な味わいを生野菜が中和して、車窓を眺める余裕もなく完食へといざなう、いささか罪作りな弁当である。

Data
価格:1,100円
種類:肉系
調製元:(株)新潟三新軒
電話:025-244-1252

トレたびセレクト このきっぷ×駅弁でおでかけ「2月は各地で雪まつりが開催! えちごワンデーパス」

わさび飯と刻み穴子のバランスが絶妙な大人の駅弁 あなごちらし寿し わさび飯 小倉駅

 1965年から販売されている北九州駅弁当のロングセラー商品、「あなごちらし寿し」の進化版として2003年に登場した。中身は、わさびを混ぜた酢飯の上に刻み穴子を散らした押し寿し風の駅弁だ。

 素焼きにした大ぶりの真穴子を照り汁でじっくりと煮込み、さらに食べやすいように細かく刻んでいる。刻み穴子を錦糸卵とともに酢飯の上にのせたのは旧バージョンと同様だが、酢飯にわさび菜をまぶしたのがこの駅弁の改良点。わさび飯のピリッとした風味が、甘さのある刻み穴子と巧みに溶け合っており、これぞまさに大人の味わい。小春日和に誘われてウトウトしそうな気分の時でも、この駅弁を食べればシャキッとすること請け合いだ。余分なおかずなど入っておらず、穴子一本で勝負したシンプルな駅弁。それだけ調製元も味に自信があるのだろう。

 最近では“サビ抜き寿し”を好む若者が増えているそうだが、そんな人のためにサビ抜きの「あなごちらし寿し 箱寿し」(1100円)も用意されている。

Data
価格:1,100円
種類:海鮮系
調製元:北九州駅弁当(株)
電話:093-531-0036

ユニークな陶製容器に極上タコを盛り込む ひっぱりだこ飯 新神戸駅

 熱心な駅弁ファンでなくとも、この名前には聞き覚えがあるだろう。それほど全国的に有名な駅弁である。

 明石海峡大橋の完成を記念して1998年に発売された。タコ壺をイメージした陶製容器の中には、炊き込みご飯の上にタコのうま煮、アナゴのしぐれ煮、タケノコ煮、菜の花などのおかずが詰められている。タコのダシで炊いたご飯は、もっちりとした米粒の中に味がよく染み込んでおり、風味、食感ともに抜群の仕上がり。食べ進むと、ご飯の中からタコのすり身でつくったタコ天が顔を出すのも、うれしいサプライズだ。

 おかずのメインは、明石産タコのうま煮。瀬戸内の潮流にもまれたタコは、ひと口食べただけでやわらかさを実感できる極上品。薄めの味付けで風味を引き立たせており、このおいしさには“ひっぱりだこ”とシャレてみたくなるのも納得だ。

 完食後はきれいに洗って持ち帰ろう。梅干を入れたり、ペン立てにしたりと多目的に使える。ちなみにわが家で、ひたすらゴロゴロと転がっているのは内緒だ。

Data
価格:980円
種類:海鮮系
調製元:(株)淡路屋
電話:078-431-1682

トレたびセレクト このきっぷ×駅弁でおでかけ「中華街の旧正月、六甲山「氷の祭典」へ! ひかり早特きっぷ」

※掲載されているデータは平成23年1月現在のものです。

小林しのぶ(旅行ジャーナリスト・エキベニスト・駅弁愛好家)

 駅弁の食べ歩きは20年以上に及び、食べた駅弁の数が5000を超えることから"駅弁の女王"と呼ばれる。全国各地の調製元と新作駅弁の共同開発を手がけるほか、新聞、雑誌、ウエブ等に連載多数。プロデュースした駅弁は「1000号はっこう弁当」「東京もちべん」(東京駅)ほか。

 フードアナリスト。日本旅のペンクラブ会員。千葉県佐原市出身。

 近著に『全国美味駅弁 決定版』(JTBパブリッシング)、『五つ星の駅弁』(東京書籍)、『どんぶりこ』(交通新聞社) 、『超いまうまい帖』(ぶんぶん書房)、『すごい駅弁!』(メディアファクトリー)などがある。NEXCO東日本で展開している「どら弁当」の監修者でもある。

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