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駅弁の女王小林しのぶが選ぶ 絶対に食べたい駅弁

タラとタラコの特長を巧みに生かした親子弁当 鱈めし 直江津駅

 JR直江津駅北口を出てすぐ目の前の好立地に建つホテルハイマートが調製する人気駅弁。東京の有名百貨店が開催する「全国駅弁甲子園」の親子弁当対決において優勝した実績をもつ名品だ。

 朱塗り風のプラスチック容器に昆布の炊き込みご飯を詰め、その上に棒タラ、塩タラコ、カズノコわさび漬け、タラの親子漬け、昆布佃煮などをのせている。何はともあれ、おかずのメーンとなる棒タラをチェック。スケソウダラを棒状になるまで干したのが棒タラで、これを水で戻して甘露煮に調理。かつて保存食として流通した棒タラには塩辛いイメージがつきまとうが、この弁当では甘辛のバランスが絶妙で、しかも長時間にわたって煮込んでいるため骨を気にせず食べられる。棒タラと親子関係になるのが塩タラコで、外側を火であぶり、中を半生に仕上げている。棒タラの甘露煮のあとに食べると塩加減がよい塩梅で、ついでに購入したビールがぐいぐい進む。タラの親子漬けは、タラの身とタラコの和え物で、酢の味わいが口中をさっぱりとさせるため気分まで切り換わる。

 タラとタラコの特長を見事に生かしたタラ尽くしの駅弁。この弁当における親子関係はじつに良好である。

春日山城をはじめ、直江津駅周辺の観光スポットをめぐる

秘伝の旨みたっぷり。折尾名物のロングセラー かしわめし 折尾駅

 大正10年(1921)に登場し、90年以上にわたって愛されているロングセラー。「うまい駅弁JR九州No.1」に選出されたこともあるなど、まさに駅弁界の西の横綱だ。

 東筑軒の「かしわめし」では、炊き込みご飯の作り方がキーとなる。まず、鶏肉とガラに椎茸、鰹節、昆布を入れ、夏は3日間、冬なら5日間しっかり煮詰めてダシ汁を作り、これに醤油とみりん、調味料などを足して、飯を炊く。炊き上がったご飯を折箱に詰め、その上に甘辛煮の鶏肉スライス、錦糸卵、味付け海苔を彩りよく配し、所定の場所に漬物や果物を添えて弁当の完成となる。もちっとした食感の炊き込みご飯は味付けがしっかりしており、噛み締めるほどに深いコクが口中いっぱいに広がる。

 感動を誘うこの「旨み」は、秘伝の技によって作られている。ダシ汁に加える粉末の調味料が、旨みのもと。砂糖や塩、その他を調合したもので、調合の割合は同社の女性だけに受け継がれる秘法だそう。

 折尾駅のホームでは駅弁の立ち売りがいたが、昨今引退された。残念である。

「トレたび」おすすめプレイバック

かしわめしを含むとりめしが大集合!
  • 価格:650円
  • 種類:炊き込み
  • 調製元:(株)東筑軒
  • 電話:093-601-2345

三陸の海の幸をのせた、いちご煮風の海鮮丼 うにといくらのきらきら丼 八戸駅

 東北本線開通の翌年から八戸駅で弁当販売をスタートさせた吉田屋の評判の駅弁。港町・八戸から三陸地方へかけての郷土料理「いちご煮」をアレンジした内容が人気を集めている。

 中身は、発泡材容器に敷き詰められたご飯と醤油漬けイクラ入りのカップ、そしておかず入りのビニールパッケージに分かれる。パッケージに入っているのは、ウニとツブ貝入りの磯風味のあんかけで、食べる際には、まずあんかけをご飯の上にふりかけ、その後、カップに入ったイクラをまんべんなく散らす。いわゆる半調理方式でひと手間を要するが、全体がべちゃっとせず、三陸産のウニやツブ貝、イクラがキラキラと輝いて見える。これはまさに“海の幸の宝石箱”と口に出したくなるほどの見事な仕上がりだ。

 いちご煮は、主にウニとアワビを使った汁物で、椀に盛り付けた際、赤みの強いウニのかたまりがイチゴのように見えることからこの名がついたといわれる。駅弁ではアワビの代わりにツブ貝を使っており、コリッとした食感も楽しめるように工夫されている。八戸駅のほか、青森・三沢の両空港でも入手可能。

■「トレたび」おすすめプレイバック■

山も海も自然たっぷり 週末大満足プラン!
  • 価格:1100円
  • 種類:海鮮
  • 調製元:(株)吉田屋
  • 電話:0178-27-4554

谷口ファームが育てた黒毛和牛のワイン煮を堪能 ふらの和牛弁当 札幌駅

 平成20年10月から札幌駅を中心に販売されている駅弁。札幌駅は、売店に有名駅弁がずらりと並ぶ激戦区だが、黒地に金色で弁当名を大書したパッケージのインパクトは大きく、牛肉弁当好きの心理を巧みにくすぐる。

 中身は、北海道産米「ななつぼし」を炊いたご飯の上に薄切り牛肉、長芋・カボチャ・ピーマンのフライ、しめじ煮、牛肉のしぐれ煮をのせた牛肉弁当。おかずのメーンとなる牛肉は、富良野町にある谷口ファームが独自に配合した無添加飼料で育てた黒毛和牛ブランド“ふらの和牛”のもも肉で、これを富良野ワインでじっくり煮込んでいる。添付されている秘伝のタレをかけて食べると、とろけるようにやわらかい食感と、肉の旨みの赤ワインとタレが絡み合った奥深い味わいを堪能できる。手間をかけてクセのない仕上がりにした技術の高さが見事。和牛のジューシーな味覚は女性にも人気が高いという。

 副菜には酒やビールのつまみにぴったりのおかずが並ぶ。まぶしいほどの緑が広がる雄大な車窓風景を眺めながら味わいたい。

※8月にリニューアル予定のため、パッケージ・内容等に変更が発生する場合があります。あらかじめご了承ください。

■「トレたび」おすすめプレイバック■

駅や駅周辺で買えるオススメの駅スイーツを厳選紹介!
※掲載されているデータは平成24年7月現在のものです。

 

女王PROFILE 小林しのぶ 旅行ジャーナリスト・エキベニスト・駅弁愛好家

 駅弁の食べ歩きは20年以上に及び、食べた駅弁の数が5000を超えることから"駅弁の女王"と呼ばれる。全国各地の調製元と新作駅弁の共同開発を手がけるほか、新聞、雑誌、ウエブ等に連載多数。プロデュースした駅弁は「1000号はっこう弁当」「東京もちべん」(東京駅)ほか。

 フードアナリスト。日本旅のペンクラブ会員。千葉県佐原市出身。

 近著に『全国美味駅弁 決定版』(JTBパブリッシング)、『五つ星の駅弁』(東京書籍)、『どんぶりこ』(交通新聞社) 、『超いまうまい帖』(ぶんぶん書房)、『すごい駅弁!』(メディアファクトリー)などがある。NEXCO東日本で展開している「どら弁当」の監修者でもある。

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