JR直江津駅北口を出てすぐ目の前の好立地に建つホテルハイマートが調製する人気駅弁。東京の有名百貨店が開催する「全国駅弁甲子園」の親子弁当対決において優勝した実績をもつ名品だ。
朱塗り風のプラスチック容器に昆布の炊き込みご飯を詰め、その上に棒タラ、塩タラコ、カズノコわさび漬け、タラの親子漬け、昆布佃煮などをのせている。何はともあれ、おかずのメーンとなる棒タラをチェック。スケソウダラを棒状になるまで干したのが棒タラで、これを水で戻して甘露煮に調理。かつて保存食として流通した棒タラには塩辛いイメージがつきまとうが、この弁当では甘辛のバランスが絶妙で、しかも長時間にわたって煮込んでいるため骨を気にせず食べられる。棒タラと親子関係になるのが塩タラコで、外側を火であぶり、中を半生に仕上げている。棒タラの甘露煮のあとに食べると塩加減がよい塩梅で、ついでに購入したビールがぐいぐい進む。タラの親子漬けは、タラの身とタラコの和え物で、酢の味わいが口中をさっぱりとさせるため気分まで切り換わる。
タラとタラコの特長を見事に生かしたタラ尽くしの駅弁。この弁当における親子関係はじつに良好である。