『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

  • mixiチェック

駅弁の女王小林しのぶが選ぶ 絶対に食べたい駅弁

岡山の地鶏を4つのバリエーションで調理|いいとこ鶏弁当|岡山駅

 鶏肉好きには見逃せない駅弁だ。わっぱ型容器には、もち米入りの茶飯に刻みのりを敷き、4つの異なる味覚に仕上げた岡山県産の地鶏をトッピングした、鶏尽くしの弁当が収められている。

 地鶏は岡山県産の備中森林鶏で、もも肉は塩焼きと照焼き、胸肉は蒸し鶏と唐揚げに仕上げた。4種類の鶏料理は味覚も歯応えもそれぞれ異なり、ひと口ごとに変化があって飽きずに食べ進むことができる。中でも奥深い味わいを楽しめるのが胸肉の蒸し鶏。蒸し鶏のさっぱりとした味覚に練り梅が絶妙なアクセントを加えており、もっと食べたいという欲張りな気持ちを増幅させる。

 茶飯と相性がよいのは、もも肉の塩焼き。塩ダレを使ったシンプルな鶏料理と、もち米入りで粘り気のあるご飯が思いのほかベストマッチで、そのうまさに自然と口がゆるんでしまう。全体に薄口仕上げなので、肉系の弁当は苦手という人にもお勧めできる。

三好野本店が岡山駅で発売する「豚トコTON」弁当を紹介!

レモンの酸味と和牛ステーキのゴールデンコンビ|長崎和牛元祖レモンステーキ弁当|佐世保駅

 レモンステーキは佐世保から生まれた。薄切りにした牛肉に上品な酸味を醸し出すレモンソースをたっぷりかけて焼き上げた料理で、佐世保市内にある老舗レストラン「門」が発祥といわれる。

 佐世保伝統の味覚をそのまま再現したのがこの駅弁。パッケージには、佐世保を代表する玩具、願かけ牛が描かれている。フタを開けると、薄切り牛肉がご飯を覆いつくす様子が目に飛び込む。肉の上にはピーマンの輪切りが“鼻眼鏡”のように乗せられており、彩りも鮮やかだ。メーンとなる肉は、自然放牧で飼育された長崎和牛。醤油ベースのタレで焼いているため香りがよく、添えられた刻みタマネギの甘みが肉の旨みを引き出す。

 おかずスペースには、レモンソース入りの容器が添えられているので忘れずに。和牛にまんべんなく振りかければ、佐世保伝統の味覚を完全再現できる。周りの目を気にせず、もりもり食べたい駅弁だ。

「トレたび」おすすめプレイバック

佐世保といえば佐世保バーガー!
  • 価格:1100円
  • 種類:肉系
  • 調製元:(株)松僖軒
  • 電話:0956-23-6721

焼き立ての黒毛和牛を賞味できる「新杵屋」の自信作|栄太郎|米沢駅

 JR奥羽本線・米沢駅のホーム上では、新杵屋と松川弁当店の2社が駅弁の売店を設置している。ともに牛肉を使った弁当が主力商品のため、その関係はライバル同士というよりも、しのぎを削りあうといった表現のほうがしっくりくる。今回紹介するのは、新杵屋が調製する「栄太郎」。社長の名前を弁当名にしたという同社自慢の一品だ。

 中身は、牛焼肉をメーンに、とびっこ、卵そぼろ、野菜の煮物、昆布巻き、漬物なども盛り合わせたもの。焼肉に目を奪われがちだが、とびっこ、卵そぼろ、そして焼肉を別枠に配した彩色が絶妙で食欲をそそる。おかずのメーンとなる焼肉は、黒毛和牛のカルビとロースを特製タレに漬けて焼き上げたもので、肉のやわらかさを逃さない適度な焼き加減が見事。脂身が少ないため、肉本来の旨みをたっぷり味わえるのもよい。

 そして何より大事なのは、ほぼ出来立てを食べられること。列車の発着時間や売れ行きに合わせて調製個数を判断しているため、いつ訪れても焼きたての黒毛和牛を賞味できる。細やかな配慮に感謝して食べたい駅弁だ。

■「トレたび」おすすめプレイバック■

同じく米沢駅人気の駅弁といえば、「牛肉どまん中」!
  • 価格:1100円
  • 種類:肉系
  • 調製元:新杵屋
  • 電話:0238-22-1311

海産物をふんだんに盛りつけた北海道ならではの駅弁|ぜいたく寿し|札幌駅

 海鮮素材のイラストを掲載したパッケージに八角形の発泡材容器を収めている。以前は蒔絵を思わせる豪華な外装をほどこした六角形のプラスチック容器を使用していたが、リニューアル時に変更された。

 中身は、錦糸卵をまぶしたご飯の上にタラバガニの脚肉、ズワイガニのほぐし身、蒸しウニ、イクラ醤油漬け、ベニザケの切り身などの海産物を彩りよく盛り付けた、ちらし寿司ふうの駅弁。北海道を訪れた際は、海の幸たっぷりの駅弁を食べたいというニーズに見事に応えている。

 大ぶりの具材がご飯を覆い尽くしており、どこから手をつけたらよいのか悩んでしまう。まずは行儀よく並んだタラバガニの脚肉に手を伸ばす。しっとりジューシーな食べ応えの中にほのかな甘さを含んでおり、強めにきかせた酢飯と絶妙なハーモニーを醸し出す。脂ののったベニザケはスモークされており、香ばしい匂いが食欲をいっそうかき立てる。こんな贅沢なら毎日でも味わいたいと思わせる満足度の高い内容だ。

※掲載されているデータは2013年9月現在のものです。

 

女王PROFILE 小林しのぶ 旅行ジャーナリスト・エキベニスト・駅弁愛好家

 駅弁の食べ歩きは20年以上に及び、食べた駅弁の数が5000を超えることから"駅弁の女王"と呼ばれる。全国各地の調製元と新作駅弁の共同開発を手がけるほか、新聞、雑誌、ウェブ等に連載多数。プロデュースした駅弁は「1000号はっこう弁当」「東京もちべん」(東京駅)ほか。

 フードアナリスト。日本旅のペンクラブ会員。千葉県佐原市出身。

 近著に『全国美味駅弁 決定版』(JTBパブリッシング)、『五つ星の駅弁』(東京書籍)、『どんぶりこ』(交通新聞社) 、『超いまうまい帖』(ぶんぶん書房)、『すごい駅弁!』(メディアファクトリー)などがある。NEXCO東日本で展開している「どら弁当」の監修者でもある。

バックナンバー

このページのトップへ