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銘菓通王が選ぶ ニッポン 駅スイーツ図鑑

旅先で、出張先で、何をお土産に買おうか迷ったことはありませんか? せっかく買うなら、その土地ならではの美味を買いたいもの。このコーナーでは毎回、全国のスイーツを食べ歩く銘菓通王・中尾隆之さんに、駅や駅周辺で買えるオススメの駅スイーツを厳選紹介していただきます。

※値段・営業時間等は平成22年4月現在の情報です。来店の際には、事前にご確認ください。

Vol.12 長崎駅で絶対買いたい! 大人気スイーツ

江戸時代、出島で唯一外国とつながりを保った和洋融合の町・長崎。今年は大河ドラマ『龍馬伝』人気で、さらに盛り上がりを見せています。カステラはもちろん、和菓子、洋菓子、お気に入りのお土産を見つけてください。

カステラ(福砂屋)

しっとりした甘みは数あるカステラの中でもピカイチ

 長崎と言えばカステラ。数多くある店はいずれ劣らぬ味わいですが、ダントツの人気がポルトガル人から製法を学び、寛永元年(1624)に創業した老舗中の老舗「福砂屋」です。
 白身と黄身を分け最初に白身を泡立てる別立法で、丁寧な泡立て作業を経て砂糖と卵、小麦粉を混合・撹拌(かくはん)し、生地作りを行ない、木型に流して焼き上げられたカステラは見事にしっとりふっくらとして大変美味です。
 むらのない茶色の表面と明るい黄色のカステラ生地に思わず喉が鳴りそうです。底に残るしゃりっとしたザラメ糖の食感も、このカステラの持ち味で、何度食べても、いつも変わらないふくよかな味は誰にも好まれます。

データ
値段
0.5号1本840円、1号1本1680円ほか
販売場所
JR長崎駅アミュプラザ1階
本社所在地
長崎県長崎市船大工町3-1

TEL.095-821-2938
8:30~20:00、無休

ホームページ
http://www.castella.co.jp/

黒おこし(菓秀苑森長)

黒砂糖のコクのある甘みがサクッと砕ける

 諫早(いさはや)特産の美味しい米を使った黒砂糖がたっぷりのおこしで、寛政5年(1793)創業の森長の看板菓子です。菓名の通り、生の黒砂糖と水飴、そして乾米(蒸した米を乾燥させて寝かせた後に炒ったもの)を木枠に入れて冷やして作ります。
 つやのあるおこしの粒がサクッサクッと砕けた後に残る黒砂糖の粒が、口の中に滑らかでほどよい甘さとコクを広げます。黒砂糖と水飴、米との味わいが見事なバランスを醸し出しています。
 昔ながらの親しみ深く懐かしく、飽きない美味しさと値段の手軽さも好ましいところ。「ピーナツおこし」や「カステララスク」も評判です。なお、こちらのお店は脚本家・市川森一氏のお母様のご実家だそうです。

データ
値段
24枚入り1050円
販売場所
JR長崎駅アミュプラザ1階
本社所在地
八坂町本店=長崎県諫早市八坂町3-10
TEL.0957-22-4337
9:00~18:00、無休
ホームページ
http://www.kashuen-moricho.co.jp/

おたくさ/長崎物語(菓舗唐草)

心地よい歯応えの中から香ばしさ漂う「おたくさ」

 鎖国時代、外国に唯一開かれていた港町・長崎に入ったシーボルトが、日本妻として愛した“お滝さん”の名を付けたといわれる“オタクサ(アジサイ)”を菓名にした欧風菓子の「おたくさ」。
 バターたっぷりの薄いパイ生地を重ねて、アジサイをモチーフに花をかたどったおしゃれなお菓子です。口に入れると、ほどよい焼き加減やサクッサクッとした歯触りとともに繊細で上品な甘みが舌の上に転がります。
 もう一つの売れ筋の「長崎物語」は卵、フレッシュバターたっぷりのバウムクーヘンと中に入れたまろやかなクリームとが見事に調和。オレンジピール(果皮の砂糖漬け)がほのかに香ります。

データ
値段
おたくさ18枚入り735円、長崎物語6本入り720円
販売場所
JR長崎駅アミュプラザ1階
本店所在地
長崎県長崎市樺島町7-11

TEL.095-824-2521
9:00~19:00、元日休

ホームページ
http://www.kaho-karakusa.co.jp/

銘菓通王・中尾隆之
北海道生まれ。
1年の3分の1を町並み、和菓子、鉄道、温泉などの取材で全国各地飛び回る旅行作家。
テレビ東京系列の『TVチャンピオン2』の全国土産銘菓通選手権で優勝、チャンピオンに。

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