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華々しいデビューを飾ったアイドル的列車カタログ JR名車両列伝2 JRスタートから24年。従来の国鉄の殻を破り、斬新なスタイルやサービスでデビューした当時のJR車両たちも、世代交代の時期を迎え、新型車へのバトンタッチ、リニューアルなどが行なわれています。最新車両の礎にもなった当時の名車両の数々にスポットを当て、歴史を振り返ってみましょう。

第1章 初代「成田エクスプレス」253系特急形電車●JR東日本

赤と黒の大胆な車体デザイン1+1列のグリーン車座席配置

 平成3年3月、成田空港駅開業と同時に、空港アクセス特急としてデビューしたのが253系「成田エクスプレス」です。池袋・新宿・横浜~成田空港間を短時間で結び、「価値ある移動空間」をコンセプトにした専用車両が投入されました。

 精悍な赤と黒、白、グレーのカラーリングに濃いスモークガラスが連続する大胆な車体デザイン。車内は航空機利用者を考慮し、荷物スペースがゆったり取られています。グリーン車は1+1配置(0番台)または1+2の千鳥配置(100番台)の開放室、4人用個室で構成され、ミニバー(現在は廃止)も備えていました。普通車ではボックス式シートが設置され、荷物携行客に対応しています。 各車両の出入口付近には、スーツケースや大型荷物が収納できる荷物棚があり、荷棚は航空機と同じ開閉式のハットラックタイプが採用されました。外国人の利用者にも対応して、バイリンガルの情報案内装置も設けられています。

 制御方式は界磁添加励磁制御を採用、最高速度は130km/hを誇ります。ブレーキ方式は電力回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキで、抑速ブレーキ、耐雪ブレーキを備えています。

空港アクセス特急として活躍大宮、大船、高尾に乗り入れ

 253系特急「成田エクスプレス」。その姿、その走りは多大なインパクトを与え、それまで不便であった成田空港へのアクセス特急として大活躍をします。新宿・横浜方面から列車は東京駅で分割併合が行なわれ、自動解結装置が先頭車に取り付けられたほか、自動幌装置も設けられました。

 編成は3両編成が基本でしたが、後に中間車が増備されて6両編成が現れました。9両、12両など多様な編成が見られ、運転区間も大船・大宮・高尾と乗り入れが行なわれ、さらに便利になります。

 253系は平成14年製造車で変更が行なわれ、車内では普通車がボックスシートから回転リクライニングシートになります。グリーン車では2+1配置となりました。同年から6両編成の従来グリーン車も全て2+1配置に改め、翌年には、普通車は従来車のボックスシートが集団見合い式のクロスシートに変更されました。また、3両編成のグリーン車開放室の普通車化も行なわれました。

 後継車のE259系がデビューし、253系「成田エクスプレス」は平成22年6月30日をもって退役することになりました。しかし、赤と黒の車体、躍動的なN`EXのロゴなど、253系が築いたよきコンセプトはE259系がそのまま受け継いでいます。

衝撃的な253系の赤と黒のカラーは、最後まで変わらず走り続けた

航空機をイメージするN'EXのロゴは、E259系に引き継がれた

グリーン車の4人用個室は登場時から区分室の高級感であふれる

新幹線の高架橋は再びアクセス鉄道に活用

 

幻の「成田新幹線」

新幹線の高架橋は再びアクセス鉄道に活用

 成田新幹線は、東京都心部から約60km離れた新東京国際空港(現・成田国際空港)へアクセスをする「新幹線」として昭和46年に全国新幹線整備鉄道法により計画され、翌年2月に工事が認可されます。

 当該ルートは東京地下駅より越中島貨物駅付近を通り、荒川を渡り、地下鉄東西線原木中山まで並行。内陸部に入り、武蔵野線をくぐり北総鉄道北総線の小室駅~千葉ニュータウン中央駅付近で同線と並行(途中に千葉ニュータウン駅開設)。成田市に向かい、空港付近は地下トンネルによりターミナル直下の成田空港駅に達するもので、計画では東京~成田空港間を30分で連絡する予定でした。東京(現在の京葉線)、成田空港付近など一部着工後、工事が凍結し、ほぼ完成し眠っていた成田空港駅と成田付近の高架設備ですが、再び空港アクセス鉄道に利用されることになり、平成3年3月に成田空港駅が開業しました。

文・写真:斉木実
※掲載されているデータは平成22年6月現在のものです。

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