2009.01.01鉄道テツペディア Vol.7 ヘッドマーク
特急列車がホームに入線。列車の先頭を見ると、列車の愛称が書かれた表示板。みなさんもどこかで見たことはありませんか? これは「ヘッドマーク」と呼ばれるもの。では早速「ヘッドマーク」について見ていきましょう。
ヘッドマークって何?
「ヘッドマーク」とは列車の愛称を文字やイラストで示したもののことで、おもに特急や急行列車の先頭部に取り付けられています。
また、列車の最後尾に取り付けられているものは「テールマーク」、その両方を合わせて「トレインマーク」とも呼びます。
ヘッドマークの誕生
昭和初期までは、列車に愛称名は付けられていませんでした。
昭和4年の9月に特急列車の「富士」「櫻(さくら)」の愛称が一般公募によって採用され、列車の後ろにテールマークが取り付けられました。
ヘッドマークが初めて採用されたのは昭和25年の特急「つばめ」。「へいわ」から「つばめ」に改称されると、大阪鉄道管理局の運転部と旅客課の発案で、「つばめ」を牽引する機関車にも直径66cmのマークが取り付けられたのです。
昭和43年10月のダイヤ改正で特急列車が増発されると、へッドマークのバリエーションも増え、昭和53年10月には絵入りのヘッドマークが続々登場。以来、列車愛称とともに様々な形・デザインのヘッドマークが誕生しました。
ヘッドマークは誰が描いているの?
1950年代以降、トレインマークのデザインの多くを手がけたのが、鉄道デザイナーの黒岩保美(くろいわやすよし)氏(1921-1998)。「出雲」「ゆうづる」「はと」といったトレインマークは黒岩氏によるもの。
ちなみに、現在は車両デザイン担当の鉄道デザイナーによって描かれています。
ヘッドマークの重さは?
当初は鉄板製で全て手作りでしたが、今ではステンレスやアルミを用いたものなど様々。
大きさは標準的な円形のもので直径66cm、重さは「北斗星」(冒頭写真)などで使用されているステンレス製のものでも約5kg。初期の鉄製のものではおよそ10kgあるそうです。
手作業で行なわれていた取り付けもひと苦労でしたが、最近では、作業の省力化の点から巻取式フィルムやデジタル表示(LEDパネルや液晶画面)のものも増えてきました。
列車に乗る際、ヘッドマークのデザインや形、素材などにも注目してみてはいかがでしょうか。
- ※写真協力:東日本鉄道文化財団/交通新聞クリエイト
- ※掲載されているデータは2009年1月現在のものです。