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2009.03.12鉄道テツペディア Vol.11 列車のシート

ちょっと気になる鉄道雑学。今回は「鉄道車両の座席」について

テツペディアは、鉄道にまつわる「知ってトクする豆知識」を紹介するコーナーです。

 

普段あまり列車の設備について意識しない人でも、列車のシートについて気になっている人は少なくないかもしれません。
クッションがふかふかのシート、車窓が良く見える配置のシートなど、その形や材質、タイプは様々。
今回は、そんなシートについて紹介します。

ロングシートとクロスシート

列車のシートは主に、ロングシートクロスシートの2種類に分けられます。
窓を背にして座る横に長いシートはロングシート(縦座席)と呼ばれ、主に通勤電車に用いられます。ロングといってもその長さは列車によって様々で、長さによって座ることのできる人数が決まっています。

ちなみに、シートの幅はJIS(日本工業規格)によってタイプごとに規格が定められていて、ロングシート1人分の幅は昭和54年(1979)に43cm以上と定められました。
実際にはこの規格よりも1~2cm余裕をもって作られる場合が多いです。


ロングシート ロングシートは多くの乗客を運ぶことができる座席配置

一方、座席が進行方向(あるいは対面)を向いて設置されている座席は、クロスシート(横座席)と呼ばれ、主に新幹線や特急列車といった長距離列車に設置されています。


クロスシート クロスシートは車窓を眺めるには格好の座席配置

この他にも、セミクロスシートコンパートメントがあります。
セミクロスシートは、ロングシートとクロスシートを組み合わせたシートで、近郊型車両に多く用いられています。


セミクロスシート 手前がロングシートで、奥がクロスシートになっている

コンパートメントは、座席を向かい合わせに設置した個室タイプのシート。仕切板などで通路や他の座席と区切られ、その区画を1つの単位として販売されているものをいいます。導入されている列車は多くはありませんが、「成田エクスプレス」や「ひかりレールスター」などで見ることができます。


「成田エクスプレス」のシート 黒と赤が基調の「成田エクスプレス」のコンパートメント

その他、こんなタイプのシートもあります

収容式シート

折りたたみ式になっているシート。車両の混雑時は閉じて収納することができ、より多くの乗客を運ぶことができます。

回転式クロスシート

向きを変えられるシート。通常は進行方向を向いていますが、シートを回転すれば向かい合わせで座ることができます。ペダルを踏んで手動で回転させますが、自動で一斉に向きが変えられる車両もあります。また、背もたれを動かして向きを変える転換式クロスシートもあります。

リクライニングシート

グリーン車や優等列車の座席に代表されるように背もたれを傾斜させることのできるシート。フットレストが付いている場合もあります。

ユニークな列車シート

リレーつばめ


「リレーつばめ」のシート DXグリーン(写真)は、グリーン席よりさらに上のグレードをいく3席限定の座席。リクライニングシートは、ほぼフラットになるまで倒すことができる

スーパー宗谷


「スーパー宗谷」のシート グリーン車のシートは高級感あふれる牛革製。フットレストが付いているのも嬉しい

SLニセコ号


「SLニセコ号」のシート 青い生地がよく映えるレトロ調のシート

SLやまぐち号


「SLやまぐち号」のシート 1号車の展望室には優雅なソファーが置かれている

びゅうコースター風っこ


「びゅうコースター風っこ」のシート 木の温もりが感じられる木製のベンチ

シートのタイプの多様性もさることながら、デザインや材質も様々。
乗客に快適で楽しい列車旅をしてもらうために、用途や利便性に合ったシートが考えられているのですね。

  • 掲載されている情報は2009年3月現在のものです。
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