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テツペディア ちょっと気になる鉄道雑学 Vol.24 知られざる新幹線

東北新幹線の新青森駅への延伸開業や九州新幹線の全線開通など、この冬、話題満載の新幹線。
実は速いだけでなく、嬉しいサービスもたくさん乗せて走っているんです。
意外と知られていない(?)新幹線のサービスや、名前にまつわるアレコレを追ってみました。

キッズはよろこび、パパママ安心の新幹線サービス

山陽新幹線500系「こだま」号のお子様向け運転台


山陽新幹線「ひかりレールスター」のチャイルドクッション

 新幹線では、よく車両の端の座席に小さな子どもと座るママの姿を見かけます。どうしてか?というと、「子どもが泣き出した時に、すぐにデッキに出てあやせるから」なんだそうです。
 そんな子ども連れパパやママに嬉しいサービスがあるのが、山陽新幹線の500系8両編成「こだま」号。車内に子ども(幼稚園~小学校低学年程度)向けの運転台が置かれ、本物そっくりのハンドルを実際に握ってみることができます。子ども向け運転台のある8号車(自由席)の壁面には、実際の運転台の写真が張ってあり、まるで自分で新幹線を運転しているかのような気分になれちゃうのです。
 平成22年11月20・21・23日には、一部の500系「こだま」号車内で、写真撮影用の制帽や絵本、プラレールの貸し出しも行なわれます。新幹線が大好きな子どもにぴったりのサービスですね。

 また、同じく山陽新幹線の「ひかりレールスター」8号車(指定席)では、「チャイルドクッション」を無料で借りることができます。クッションは、並んだ席の中央のひじ掛け部分に取り付けて、1~2歳(体重15kg以下)の子どもが座れる新幹線版の「チャイルドシート」。指定席に乗車後、車内販売員に言えば貸し出してくれます。
※16両編成の「ひかりレールスター」には、チャイルドクッションのサービスはありません。

大人もよろこぶサービス。動く「オフィス」を実現!

東北新幹線E5系車両に登場する「グランクラス」


旅のコンシェルジェが乗務する九州新幹線「つばめ」


 もちろん新幹線には、大人も嬉しいサービスもあります!
 まずは、「モバイル用コンセント」東海道・山陽新幹線を走るN700系は、普通車の窓側席と最前部、最後部の座席、グリーン車の全座席に電源があります。携帯電話の充電やノートパソコンの使用など、ビジネスマンの心強い味方です。
 コンセントにヘアーアイロンをつなぎ、巻き髪づくりに余念がない女性を見かけたこともありますが、まさに、動く「オフィス」ですね!?
 また、東海道・山陽新幹線のグリーン車には「パーソナル・サービス」、東北・秋田・上越新幹線のグリーン車には「グリーンアテンダント」と呼ばれる専任スタッフが乗務し、旅をサポートしてくれます。
 さらに、来年3月に東京~新青森間で運転を開始する東北新幹線E5系車両には、国内新幹線初のファーストクラス「グランクラス」が登場。1車両、3列18席と贅沢に空間を使うだけでなく、電動のレッグレストやフットレスト、プライベート感覚を保てるパーテーションなど、これまでの鉄道車両にはない仕様で、まさに究極のグリーン車です。
 グランクラスでは、専任アテンダントが要望を聞き、食事やドリンクのサービスも予定しています。

「さすが、グリーン車。でも自分にはあまり関係ないなあ……」なんて思ったアナタ。
 九州新幹線「つばめ」には、「旅のコンシェルジェ」という客室乗務員が乗務しています(一部の列車は除く)。グリーン車がない「つばめ」なので、サービスの対象は乗客全員
 具体的にどんなことをしてくれるのか、聞いてみました。
「乗り換えなどのご案内や、荷物の多いお客さまのお手伝いをしています。お気軽にお声をかけてください」(JR九州広報室)

「のぞみ」の名付け親はあの人!? 「新幹線」の名を持つ地域名がある!?

イギリスの博物館にも展示されている0系新幹線

 新しい新幹線が登場すると、気になるのが列車名。
 来年お目見えする山陽・九州新幹線直通列車「みずほ」は、“豊かな実りを提供していく”という意味を込めて、東北新幹線「はやぶさ」は、“最高速度300km/hのスピード感と親しみやすさ”から、それぞれ命名されました。
 ところで、東海道・山陽新幹線「のぞみ」の名付け親は誰だか知っていますか? エッセイストの阿川佐和子さんだそうです。
 週刊誌に掲載された阿川さんの対談記事によると、名称の選考委員だった阿川さんが列車好きの父・弘之さんに相談したところ、「日本国鉄の列車の名前は歴代すべて大和言葉でつけられてきた」とアドバイスをされたそう。
 そこで委員会の場で、それまで有力候補になっていた「希望」について、「大和言葉にすると『のぞみ』ですね」と言った言葉が、最終的に新幹線の名称として決定したそうです。
(参考:『週刊文春』2007年3月15日号「阿川佐和子のこの人に会いたい」)

 名前といえば、静岡県函南(かんなみ)町には、その名も「新幹線区」という地域名があります。
 東海道新幹線のトンネル掘削工事の官舎や宿泊所があったから、と言われています。
 町では「“新幹線”は字名などの住所ではなく、自治会などの組織名に使われている地域名です。名前の由来は町では把握しきれていませんが、地域の歴史に詳しい高齢者などはそのようなお話しもされているようです」(函南町企画財政課)。

 最後に、アメリカやヨーロッパで「新幹線」はなんと呼ばれているか知っていますか?
「shinkansen」。そう、日本語と同じ「シンカンセン」です。
 鉄道発祥の国として知られているイギリスのヨーク国立鉄道博物館には、1964年に誕生した0系新幹線が「shikansen series"0"」として展示されているそうです。
 世界に誇る日本の新幹線。いろいろ知ると、もっと身近に感じられますね。

※掲載されているデータは平成22年11月現在のものです。
写真協力:JR東日本、JR西日本、JR九州、日本の旅・鉄道見聞録(裏辺研究所)

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