『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
東北新幹線の全線開通と新青森駅の開業で人気急上昇中の青森。束の間の夏を情熱的に謳歌する「ねぶた祭」であまりにも有名ですが、白銀の世界が広がる幻想的な冬も知る人ぞ知る美味三昧の魅力的なシーズンです。東京から最速3時間20分。来る3月には最新型新幹線E5系の導入により約3時間5分程度で結ばれる青森へ出かけてみませんか。
八甲田や浅虫温泉など各エリアの観光案内をはじめ、冬のイベントやバスツアー、東北新幹線・青い森鉄道の時刻表など、便利な情報が満載のガイドブック(18ページ)を市内の観光案内所などで配布中です。
七子のひとつ「ほたてのこ」。貝柱の外側にある卵のような生殖巣で、白色系は精巣、赤色系は卵巣。旬は1~3月
八珍のひとつ「くりがに」。毛ガニに磯の風味をブレンドしたような味わい。4~6月が旬
七子のひとつ「たこのこ」。タコの卵巣で、生はもちろん、煮たり蒸したりして食べる、旬は11~5月
東京駅から約675km。東北新幹線に揺られること3時間20分ほどで美食の町・青森に到着する。平成22年12月4日に開業したばかりの新青森駅からは奥羽本線に乗り換えて約6分。青森駅のホームに降り立つと、海の町特有の潮の香と凛とした空気に包まれ、北国への到着を実感する。
自然、温泉、伝統文化……。旅の楽しみといえば様々なものが思い浮かぶが、とりわけ冬の青森といえば「グルメ」である。特に、豊饒の海が育んだ魚介は冬場に旬を迎え、絶対に食べておきたい食材だ。そんな青森でグルメ垂涎の“四季の味”が注目を集めている。新鮮な魚介をブランド化した「七子八珍」である。「ナナコハッチン……!?」。旅好きの方なら似たような言葉を聞いた記憶があるに違いない。島根の「宍道湖七珍(しんじこしっちん)」。宍道湖で獲れる代表的な7種の魚介類のことだが、青森の「七子八珍」は、昔から青森市民に愛されてきた34種の魚介類をいう。“魚介王国・青森”を実感できる品数だ。
さて、この七子八珍、「七子(7品)」「八珍(8品)」「堂々九品(9品)」「隠れ十品(10品)」の食材からなる(七子八珍の食材と旬はコチラ)。「七子」はすじこ、たらこといった魚卵などで「子」がつくもの、「八珍」は珍味といわれる魚介、「堂々九品」は青森を代表する魚介、「隠れ十品」は地元で評価が高い魚介だ。これら34の食材をどれか一品以上使った料理「七子八珍料理」が市内の取扱店で味わえ、観光客にも評判を呼んでいる。青森で最も寒さが厳しくなる2月には旬を迎える食材が多く、ホタテ、ソイ、サクラマス、ヤリイカ、ミズタコなどが特にオススメだ。
それら旬の食材を、鍋やスープなど温かい料理で味わえる「七子八珍食べある記あったかフェア」が2月28日まで開催中。市内41の参加店で食事をすると、抽選で特産品や3000円分のお食事券がプレゼントされる。1年で最も魚介が美味しくなるこの時期、青森っ子がこよなく愛する四季の味を存分に味わってみたい。
「七子八珍」を使った鍋やスープなど、冬ならではの温かい料理を市内の参加店で味わえるグルメフェア。食事をするともらえるスタンプ付きの応募ハガキを送ると、特産品セットや会員店のお食事券(3000円分)が抽選で総計210名様に当たる。「ホタテ貝焼き味噌」や「鱈のじゃっぱ汁」など、青森っ子に愛される“四季の味”をリーズナブルに存分に味わいたい。平成23年2月28日(月)まで開催。 詳細はこちら
青森のマグロは全国的に知られるブランド魚。脂の乗った冬は特に美味
ネタだけでなく、青森は米も美味。美味しい魚とシャリのハーモニーを体感しよう
太平洋、日本海、陸奥湾、津軽海峡。宝の海に囲まれた青森では、魚市場に行くと新鮮な魚介が所狭しと並んでいる。場内に満ちた鮮魚の匂い、売場の熱気……。イカ、タコ、ホタテといったお馴染みの魚介から、金々(キンキン)やクリガニなどユニークなものまで、リーズナブルな価格で売られていて、「あれも欲しい! これも食べたい!」と、思わず財布の紐が緩んでしまう。
新鮮な地魚はやはり鮮度が高いうちに食べるに限る。青森に行ったら、ぜひ寿司を味わってみたい。青森は“寿司自慢のまち”としても知られ、美味しいネタを安価で食べられる良心的な店が多いからだ。早速、ある寿司店の暖簾をくぐり、大将に青森の寿司が美味しいわけを尋ねてみると、こんな答えが返ってきた。
「そりゃー、青森の魚は鮮度が抜群だからね。でも、それだけじゃあないんだよ。市場には鮮度のよい魚を見定める“目利き”がいる。彼らがその時一番の魚を競り落とすんだ。美味い中のさらに美味い魚を我々、寿司職人が心を込めて握る。青森っ子は安くて新鮮で美味しい魚をいつも食べてるから、味に厳しい。そんなお客さんを満足させるため、寿司1艦1艦が真剣勝負さ。だから、青森の寿司は美味いんだよ」
2~3月の冬場にかけては、ホタテ、ヤリイカ、ボタンエビ、ホッキガイ、カニ、タコなどが旬。左党であれば、刺し盛りを頼んで地酒で一献。そして、最後に寿司をつまんで“青森流”を気取ってみてはいかがだろう。
見知らぬ土地の寿司屋さんの敷居はなかなか高いもの。美味しいのか? いくら位料金がかかるのか? 不安になるもの。そんな問題を解決してくれるのが、定額食事券「あおもり寿司クーポン」。地元に詳しいホテルのフロントスタッフがすすめる一押しの寿司店で使える食事券で、3000円(JR東日本のびゅうプラザ限定販売)と5000円(青森市内の販売所で販売)の2種類をご用意。地元の人も満足の美味しい寿司を安心して、おトクに味わってみよう。
詳細はこちら
ご当地グルメやB級グルメが人気の昨今だが、青森でも寒い冬に味わいたい温かいご当地グルメがある。「生姜味噌おでん」と「味噌カレー牛乳ラーメン」がそれ。前者は戦後間もない頃に登場した歴史を持ち、青函連絡船の乗客たちの冷えた体を温めるために味噌に生姜をすりおろしたタレをおでんにかけたのがはじまり。また、後者は昭和48年頃に学生の間で流行したラーメンで、味噌とカレーと牛乳を合わせたユニークなもの。味噌のコクとカレーのスパイシーさ、牛乳のまろやかさの三位一体がクセになると大人気で、今では青森の新ご当地グルメとして不動の位置を占めている。
青森を代表する伝統文化といえばなんといっても「津軽三味線」。撥を叩きつけるように弾く豪快な演奏は、感動と興奮を与えてくれる。しかし、本場でも津軽三味線を聴くことができる機会は限られている。観光客が気軽に津軽三味線の演奏を楽しめる場としてオススメなのが、津軽三味線が聴けるお店だ。
市内6ヵ所の居酒屋(ねぶたの國たか久、寿屋、いぶし銀、りんご茶屋、民謡酒場「甚太古」、炉辺焼居酒屋「水里園」)では、郷土料理を楽しみながら津軽三味線の演奏を間近に楽しめるほか、青森県観光物産館アスパムや青森ワシントンホテル、ホテルJALシティ青森でも、津軽三味線の音色に浸ることができる。
写真協力:青森観光コンベンション協会
※掲載されているデータは平成23年1月現在のものです。