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ローカル線「ひたちなか海浜鉄道
 勝田~阿字ヶ浦/9駅/14.3km|鹿島臨海鉄道 水戸~鹿島サッカースタジアム/15駅/53.0km」でめぐる 茨城の早春の名物

水戸駅  Mito (常磐線)

民(たみ)と偕(とも)に楽しむ
梅の名園|偕楽園

天保13年(1842)、水戸藩第9代藩主徳川斉昭の造園。 『孟子』の一節「民と偕に楽しむ」が名称の由来。 早春には約100種・3000本の梅が咲き誇る。

 梅の花が咲き競う2月20日~3月31日、偕楽園と弘道館で「水戸の梅まつり」が開催される。その間、土・日曜・祝日は臨時で偕楽園駅が開設され、列車旅派にはうれしいかぎり。「しかし」と、ここで釘を刺すのが偕楽園の達人・秋山稔さん。

 「偕楽園駅から近い東門より、表門から入るのがおすすめです。鬱蒼とした大杉森、孟宗竹林を抜け、清らかな吐玉泉(とぎょくせん)を目にしたあとで梅林に出ると、陰から陽へがらりと世界が変わります」

 確かに、竹林のなかで静かに落ち着いていた心は、空が開けた梅林で花の彩りを目にすると、一気に高揚する。「好文亭」3階からの梅や千波(せんば)湖の眺めは、まさに明るい絶景。この好文亭にも、太鼓廊下にある篠の格子窓、対古軒の襖の取っ手など、達人ならではのとっておきポイントが多数存在する。

 「好文亭は細かい造作も含めて、徳川斉昭(なりあき)公の設計。水戸市民にとって斉昭公は別格の存在ですよ」


1.桜が咲き誇る偕楽園。写真左上の建物が好文亭
2.3月2日はキャンドルディスプレイなどの夜梅祭開催
3.偕楽園の陰を表現する孟宗竹林
偕楽園の達人 秋山稔さん|2月22日~3月10日 日没~21時の梅林ライトアップ「偕楽園光の散歩道」も幻想的です

偕楽園公園センター長。幹をよじらせる梅の古木の凄みある姿や、好文亭3階からの眺め、好文亭の斉昭公による細部の工夫など、開花期以外の魅力も力説。

那珂湊駅
Nakaminato
(ひたちなか海浜鉄道)

アッパレ!! 非の打ちどころがない絶景を眼前にして思わず叫び、パチパチパチと惜しみない拍手を送った。

自社栽培の
手作り干しいも|大丸屋

明治30年(1897)創業。 干しいも専用の玉豊(たまゆたか)から珍しいヤーコンまで、平・角切り・丸・焼き干しなど作り方も様々で種類多数。玉豊ほしいも230g600円(平)など。


1.こんなに種類豊富な干しいも
2.干しいも味などのジェラートも販売
(通常はカップかコーンで販売)
  • 029・263・7777
  • 10:00~17:00(日曜・祝日は9:00~18:00)、無休
  • ひたちなか市釈迦町18-38
  • 那珂湊駅から徒歩3分
  • ほしいも専門店大丸屋
干しいもの達人 大曽根一毅(かずたけ)さん|干しいもは完全無添加、自然そのものの味です

大丸屋専務取締役。大丸屋では工場見学や、芋の天日干しをガラス張り建屋の外から見学できる。4~5名から干しいも作り体験も受け付けている。


1.年季の入った列車が多い「ひたちなか海浜鉄道」
2.営業車両のなかで一番古い「キハ222」の床は木製。
 こんなカッコいい列車に乗れるのは、なんともうれしい
3.那珂湊の駅ネコおさむは元野良猫。
 駅員が世話するうちに居着くようになったそう

鮮魚店と海鮮料理店が集合|那珂湊おさかな市場

新鮮な魚介類をリーズナブルな価格で販売する鮮魚店が集まる観光市場。那珂湊で水揚げされた新鮮な魚介類が豊富にそろう。海鮮料理店や回転寿司など食事処も軒を連ね、人気を集める。


おさかな市場でもひときわ活気あふれる「森田水産」

 水戸駅から常磐線で勝田駅へ。勝田駅から「ひたちなか海浜鉄道」で那珂湊駅の駅ネコに会いに行く。車窓に広がるのは、干しいも用のサツマイモ畑。だから駅ネコの自由気ままな姿に癒されたあとは、茨城特産の干しいも探訪だ。

 専門店「大丸屋」の干しいも製品は50種にも及ぶが、特に注目は地元以外ではなかなか買えない「丸干し」。
 干しいもの達人・大曽根一毅さんは「平干しは1週間ほどですが、丸干しは乾燥に1カ月ほどかかります。その分、太陽の光をいっぱい浴びて、柔らかくて本当においしいですよ」と胸を張る。焼き芋にしてから干した「焼ほしいも」は大丸屋オリジナルで、これまた絶品!

大洗駅 Oarai(鹿島臨海鉄道)

アンコウ吊るし切りが名物|大洗ホテル

波打ち寄せる海辺に建つ。11月1日~3月31日は17:30からアンコウ吊るし切りショーを開催。アンコウの生態や、ヒレ・皮・エラ・あん肝・胃袋・ぬの・台身という7つ道具をさばきながら解説してくれる。

 宿泊はバスで移動し大洗へ。大洗の海を一望できる「大洗ホテル」では「あんこうどぶ汁」プランを展開。目の前で肝を煎るところから始め、だし汁を一切使わず、アンコウと野菜から出る水分だけで仕上げる。

 「どぶ汁はシンプルだからこそ、究極。肝こそがアンコウの旨みで、アンコウを知るほど、最後はどぶ汁にたどり着きます。どぶ汁にこだわる理由はここにあります」と、アンコウの達人・青柳裕さん。毎夕開催の「吊るし切りショー」も必見!

 大洗から水戸への帰路は、茨城のもうひとつのローカル線・鹿島臨海鉄道。水戸~大洗間はほぼ高架で、新幹線のような立派な高架の上を1~2両で走る姿が愛らしい。車窓に広がる一面田んぼの光景ものどか。旅の終わりにほっこりとさせてくれる鉄道だ。


1.どぶ汁は野菜にもアンコウの旨みがしみ込む
2.肝を丁寧に煎ると、脂と水分が出てペースト状に
3.どぶ汁プランで泊まる客室の一例「ジャパニーズ」。半露天風呂付き

アンコウの達人 青柳裕さん|どぶ汁はアンコウの旨みが詰まった究極の料理です

大洗ホテル調理長。毎年10月下旬、シーズン前にアンコウへの感謝を込めて大洗磯崎神社で行う「鮟鱇奉納包丁式」で刀主として作法を披露している。

鹿島臨海鉄道の大洗が舞台のアニメ『ガールズ&パンツァー』のラッピング列車。

茨城の旅 関連サイト

写真=米屋こうじ 交通新聞サービス 取材・文=大友康子
※掲載されているデータは平成25年2月現在のものです。

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