『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
3次元曲線でデザインされたスタイリッシュな列車。今秋から急行「中山道トレイン」として運行を開始するJR東海の371系車両だ。白にブルーのラインがデザインされた車体。元々、御殿場線の特急「あさぎり」用として活躍していた特急用車両で、車内にはゆったりとしたリクライニングシートが装備されている。
いまや「世界文化遺産」となった富士山も、かつてこの車窓を折々の美景で彩り、旅人に感動と興奮を与えてきた。この秋から、活躍の舞台を美しい山岳風景が連続する中央本線に移す。駅のホームに入ってきた瞬間からワクワク、ドキドキした気分にさせてくれる。そんな“観光列車”の登場に、中山道への旅の期待が高まる。
乗車するなら、なんといっても先頭車両(1・7号車)がおすすめ。運転台越しに迫力の前面展望が楽しめるからだ。座席に座って側面を見れば、肘掛の下部まで広がるワイドな車窓にも驚かされる。視界を遮るものは何もない。川の流れも、山並みも、グッと視界に迫ってくる感じだ。
前後の座席間隔もグリーン車並みに広く、足元が広々としている。座席背面には大型テーブルが付いているので、“花より団子!”と沿線の駅弁を楽しむのにも便利この上ない。
だが、3・4号車に連結される2階建てグリーン車もいい! 2階席に上がると、大型リクライニングシートが2+1席配置で並んでいる。これなら、今はやりの一人旅も存分に満喫できる。天井部分までまわり込んだ窓は、上下180度以上の眺望が楽しめるような開放感あふれる造りだ。木曽路の山中に入り込んでも視界が広がったまま。なんという贅沢感だろう。
木曽川の流れとともに木曽路を走る急行「中山道トレイン」。美しい渓谷美を満喫するなら、下りは進行方向左側、上りは右側の座席がおすすめだ。
急行「中山道トレイン」に乗車された方には、もれなく「乗車記念書」をプレゼント! また、車内では「乗車記念撮影ボード」で記念撮影もできます!!
●デビュー年:1991年3月16日(特急「あさぎり」でデビュー)
●運転日:2013年10月12日~11月4日の土曜・休日
●運転区間:名古屋駅~奈良井駅(上下各1本)
●車両形式:371系7両編成
●料金:全車指定席(一部グリーン車含む)。ご利用には乗車券・指定席券等が必要です。
●発売:乗車券・指定席券は乗車日の1ヵ月前の午前10時から全国のJRの主な駅で発売。
※都合により371系車両で運転できない場合は、急行券・指定席券等については、全額無手数料にて払いもどし致します。
「木曽路はすべて山の中である」。文豪・島崎藤村が、小説『夜明け前』でそう形容した木曽路には、今も往時の面影を残す宿場が数多く残っている。情緒あふれる宿場町をめぐる木曽路ハイキング。とりわけ、錦秋の美しさは格別だ。まずは、馬籠宿の玄関口・中津川を目指す。
中津川といえば、季節限定の和スイーツ「栗きんとん」。秋になると、市内の和菓子店で一斉に発売される。材料は栗と砂糖のみ。シンプルながら、栗のやさしいまったり感が癖になる味わいだ。「馬籠宿」に行く前、ぜひ秋ならではの「栗きんとんめぐり」を楽しもう。
馬籠宿は中津川駅からバスで30分ほど。ここから「妻籠(つまご)宿」までは約8kmのハイキングコースがあり、昔の旅人気分で街道ウォークが楽しめる。石畳の道が延びる山の斜面。両側には昔ながらの街並みが広がっている。水車小屋を左に見て進んでいくと、「藤村資料館」や「馬籠脇本陣史料館」。沿道の店先からは、五平餅やおやきの香りが食欲をそそる。もち米を使った「栗こわめし」は馬籠名物。少し早めのランチを済ませ、ウォーキングに出発だ。
恵那山を見渡す「馬籠峠」の絶景に感動し、ゆるやかな坂道を下っていくと、3時間ほどで妻籠宿に着く。伝統家屋の食事処やお土産店が建ち並び、散歩が楽しい。重要文化財の「脇本陣奥谷」や「妻籠宿本陣」などを見学したら、風情あふれる旅館や民宿へ。旅装を解いて、旅の疲れを癒そう。夕食後のひと時は、行灯点る街並み散歩がおすすめ。昼間とは違うひっそりとした風情は、宿泊者だけが味わえる極上時間。
翌日は、木曽路最大の宿場町「奈良井宿」へ。千本格子の家々が約1kmにわたって建ち並ぶ街並み。名物のそば店や古民家カフェ、伝統工芸の「木曽漆器」や「曲物」の店まで目移りしてしまうほどの多彩さ。ゆっくり散歩して、買い食いやお土産品探しを堪能したい。
旅の締めくくりは木曽福島へ。周辺には、炭酸泉や鉄鉱泉などユニークな泉質の温泉が点在し、日帰り入浴も可能だ。温泉の湯に浸かりしばし目を瞑れば、楽しかった木曽路の思い出が鮮やかにまぶたの裏によみがえることだろう。
JR名古屋駅⇒〔急行「中山道トレイン」〕⇒JR中津川駅⇒〔北恵那交通バス 馬籠線〕⇒馬籠⇒馬籠宿~妻籠宿 中山道ハイキング(約8km/徒歩約3時間)⇒妻籠(泊)
妻籠⇒〔南木曽町新交通システム 馬籠線〕⇒JR南木曽駅⇒〔急行「中山道トレイン」〕⇒JR奈良井駅⇒奈良井宿散策(約1km/約3時間)⇒JR奈良井駅⇒〔普通列車〕⇒JR木曽福島駅⇒温泉入浴・休憩(バス・タクシー利用)⇒JR木曽福島駅⇒〔特急(ワイドビュー)しなの〕⇒名古屋駅
JR東海の列車で行く魅力あふれる旅「Shupo[シュポ]」。昨年大好評だった「Shupo~秋の信州」キャンペーンが、今年も10月1日から11月30日まで実施される。 今年のテーマは「Made in 信州」。“カタチを愛でる初秋の旅”として、奈良井宿や水木沢など初秋の木曽路を満喫できる多彩なメニューが用意されている。中でも注目は、急行「中山道トレイン」の運行だ。中山道へのお出かけに便利な「木曽路フリーきっぷ」や旅行商品なども発売される。 また、戸倉上山田温泉や白骨温泉など秋の信濃路を満喫する宿泊プランも発売。心も体もポッカポカになる信州の名湯もオススメだ。
特急「(ワイドビュー)しなの」号の普通車指定席の往復+JR線フリー区間内(中津川~洗馬)の特急列車または快速・普通列車の普通車自由席が乗り降り自由になるきっぷ。
さらに、きっぷに指定されたバス・タクシー・駅レンタカーを4,000円分利用できるほか、馬籠宿、妻籠宿、福島宿、奈良井宿、薮原宿の一部店舗でグルメ&ショッピングに使える2,000円分のお買い物券、木曽路エリアの15の観光施設入場券が付いた「木曽路エンジョイチケット引換券」をセット! 1人用から4人用まで、利用人数に応じたきっぷが選べるので、とってもおトク!
JR東海ツアーズでは、「秋の木曽路・美濃路」を発売。出発日限定で急行「中山道トレイン」に乗車できる日帰りプランをはじめ、「福島宿」「木曽路リゾート」「馬籠宿・妻籠宿」「奈良井宿・藪原宿」の厳選4コースが楽しめる日帰りフリープランまで、多彩なラインナップが魅力だ。
それぞれのプランには、栗きんとんの引換券や2,000円分の「木曽路お買い物券」、宿場町散策マップなど特典が付いているので、古き良き時代の魅力をおトクに楽しめる。