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戦艦「大和(やまと)」――呉海軍工廠(こうしょう)で昭和16年12月に竣工した、当時世界最大・最新鋭の戦艦だ。巨額の国費を注ぎ、最新技術の粋を集めた大和は「不沈艦」と期待されていたが、戦局厳しい昭和20年4月、沖縄へ海上特攻に向かう途上、米艦載機の攻撃を受け沈没。約3000名の乗組員が沈みゆく大和と運命をともにした。
沈没した大和が鹿児島県枕崎市沖で「発見」されたのは戦後、潜水調査が行なわれた昭和57年のこと。これまでに3回、民間による調査が行なわれてきたが、昨年、広島県呉市が初の潜水調査を実施した。最先端の高性能ハイビジョンカメラを無人潜水探査機に搭載したことで、従来の調査より鮮明な画像から数多くの新たな発見があった。
呉市にある「大和ミュージアム」では、その調査の成果を解説展示する企画展「海底の戦艦大和」を開催中。大和を生んだ軍港・呉の歴史や技術の発展、そして戦争の悲惨さや平和の大切さを改めて感じることができる。
また、戦中の呉での人々の暮らしを描き大ヒットした映画、『この世界の片隅に』の舞台になったことで、呉は今、幅広い世代から注目を集めている。この夏、企画展と合わせ、呉の観光や海軍グルメなどを楽しんでみてはいかがだろうか。
菊の紋章も確認できる艦首部。
模型と見比べてみよう
艦尾に取り付けられた直径約5メートルの
巨大なスクリュープロペラ
対象物までの距離や方向を測定する
電波探信儀(レーダー)
「船をつくる技術」展示室
大型資料展示室
ミュージアムショップやまと
旧帝国海軍呉鎮守府の司令長官官舎(国の重要文化財)や郷土館、歴史民俗資料館など、呉の歴史を辿ることができる。写真の旧呉海軍工廠塔時計は国産初の電動親子式衝動時計で、呉市の有形文化財。
●TEL.0823-21-1037
9時~16時30分入館受付
火曜(祝日の場合は翌日)休
※8月は無休/250円
広島県呉市幸町4-6/呉線呉駅から徒歩13分
呉と海上自衛隊の歴史について学べる史料館。実物の巨大潜水艦が展示されており、艦内を見学することで、潜航中の生活を体感することができる。
●TEL.0823-21-6111
9時~16時30分入館受付
火曜(祝日の場合は翌日)休/無料
呉市宝町5-32/呉駅から徒歩5分
呉観光と合わせて宮島まで足を延ばすなら、最速45分で直行できる高速船はいかが? 軍港・呉の景色や瀬戸内海の多島海美など、プチ船旅気分を味わえる。
●TEL.082-253-1212
一日2往復、平成29年は11月までの土・日曜・祝日運航(8月26日は休)
片道2000円(呉港~宮島港)
呉駅から徒歩5分(呉中央桟橋ターミナル)
停泊中の多彩な艦船を海上から間近で見られる、呉ならではのクルーズ。海上自衛隊OBによるガイドにも注目。
●TEL.082-251-4354
一日5便運航(土・日曜・祝日は6便)
最終便の夕呉〈ゆうぐれ〉クルーズは要予約
火曜休/1300円
呉駅から徒歩5分の呉中央桟橋ターミナルから出航
呉の海上自衛隊の艦船や各隊で食べられている独自のカレーレシピを再現した「呉海自カレー」を市内30店舗で提供。各店舗でシールを集めると、海自グッズがもれなくもらえるシールラリーも楽しい。
●「大和のふるさと呉」グルメキャンペーン
実行委員会〈呉市観光振興課内〉
TEL.0823-25-3309
シールラリーは平成30年3月31日まで
瀬戸内の海を彷彿させるターコイズブルーに「呉」の白い文字がインパクト大。
PR動画では大和ミュージアムをはじめ呉の観光スポットでキレキレのダンスを披露! 必見です。
くれ観光情報プラザ
TEL.0823-23-7845