トレたび JRグループ協力

2018.07.02旅行この路線で行こう! 群馬編 吾妻線の旅

群馬県を東西に山合いの川沿いを走る吾妻線。沿線の温泉巡りも楽しみ

上越線と接続する渋川駅と関東最西端の駅・大前駅を結ぶ全長 55.3キロメートルの吾妻線。
南に榛名(はるな)山や浅間山、北に草津白根山などの山並みがそびえ、その間を縫うように流れる吾妻川の渓谷に沿って走る。
沿線には草津温泉、四万(しま)温泉、沢渡(さわたり)温泉、川原湯(かわらゆ)温泉、尻焼(しりやき)温泉など温泉が多く、これらを訪ねるのも吾妻線の旅の楽しみのひとつ。
八ッ場(やんば)ダムの建設により、岩島駅~長野原草津口駅間は線路の付け替え工事が行われ、川原湯温泉駅は西側の高台へ移転し、新たな駅舎が設けられた。

吾妻線路線図


吾妻線路線図

吾妻線おすすめスポット情報

伊香保グリーン牧場

本場仕込みのシープドッグショー


榛名山麓に広がる観光牧場。乗馬、馬車、バター作り、小動物とのふれあいなど、体験メニューが充実。牧羊犬がヒツジたちを統率するシープドッグショーは迫力満点。7~8月の園内にはサルビアやキバナコスモスなどの花畑も出現する。「ファミリーレストラン ピクネオ」「うさぎカフェ グリーンリーフ」、バーベキュー施設など食事処も多彩。


伊香保グリーン牧場

●交通アクセス
渋川駅から関越交通バス「伊香保温泉」行き約15分、グリーン牧場前下車徒歩約2分
●URL
https://www.greenbokujo.jp/

伊香保 おもちゃと人形 自動車博物館

懐かしさとかわいさに心が和む


ブリキのおもちゃやキューピー人形などテーマ別に展示するおもちゃと人形博物館を中心に、70台のクラシックカーを展示する自動車博物館、昭和の街並みを再現した駄菓子屋横丁、1980年代アイドルのポスターやレコードジャケットが並ぶ昭和スターロマン館、世界のワインとビールの展示など多彩な展示に驚かされる。


伊香保 おもちゃと人形 自動車博物館

●交通アクセス
渋川駅から群馬バス「伊香保案内所」行き約16分、上の原下車すぐ
●URL
http://www.ikaho-omocha.jp/

伊香保温泉石段街

温泉情緒たっぷりの伊香保のシンボル


約400年前の築造といわれ、その後、大火に見舞われ、2010年の改修によって365段になった。両側にはみやげ店や遊技場、食事処などが並び温泉情緒満点。上部に伊香保の鎮守である伊香保神社が鎮座し、中段には石段街を詠んだ与謝野晶子の詩が刻まれている。ポケットパークや足湯、日帰り入浴施設の石段の湯などが点在するので、散策にぴったり。


伊香保温泉石段街

●交通アクセス
渋川駅から関越交通バス「伊香保榛名口」行き約25分、石段街口下車徒歩約1分
●URL
http://www.ikaho-kankou.com/aboutikaho/ishidan/

県立ぐんま天文台

天体望遠鏡に映る宇宙に夢を馳せる


望遠鏡や観測装置の仕組み、観測データの解析などを、模型やコンピュータグラフィックスなどを使って分かりやすく解説する。太陽望遠鏡スペースでは、屋上に設置された太陽望遠鏡を使って直径1メートルにおよぶ太陽投影像や太陽スペクトルなどを観察できる。土・日曜・祝日の夜には大型望遠鏡を使って星や星雲を観察する夜間天体観望を実施。


県立ぐんま天文台

●交通アクセス
渋川駅から車約25分
●URL
http://www.astron.pref.gunma.jp/

水澤寺

本尊の観音像は伊香保姫の持仏


約1300余年前に推古天皇・持統天皇の勅願により開基。本尊の十一面千手観世音菩薩にちなみ「水沢観世音」とも呼ばれ、坂東三十三観音霊場の第十六番札所として信仰が篤い。周囲を飾る彫刻が美しい本堂と、回転する六地蔵尊を安置する六角堂は江戸中期の建築。門前には参拝者に振る舞ったのが始まりという水沢うどんの店が連なる。


水澤寺

●交通アクセス
渋川駅から群馬バス「伊香保案内所」行き約22分、水沢観音下車すぐ
●URL
https://mizusawakannon.or.jp/

小野上温泉ハタの湯

途中下車も楽しい駅近温泉


小さな庭園を配した石組みの露天風呂、ガラス窓に庭園が映る内湯のほか、2室の浴室付個室(貸し切り風呂)もある。ナトリウム-塩化物温泉の湯は湯上りの肌がつるつるすべすべになる美人の湯。レストランでは定番の「マーボー丼」や群馬のブランド鶏を使った「赤城鶏の柔らか唐揚げプレート」などを味わえる。敷地内にある農産物直売所では、旬の山の幸や季節で採れる新鮮野菜・加工品などが並ぶ。


小野上温泉ハタの湯

●交通アクセス
小野上温泉駅から徒歩約1分
●URL
https://hathanoyu.capoo.jp/

沢田農産物直売所(JAあがつま沢田直売所)

土にこだわった地元産野菜の加工品


四万温泉や沢渡温泉に通じる国道353号沿いに立つ直売所。一番人気は、自然の風味を生かした「沢田の味」の漬け物。自然農法で栽培した野菜を味噌・醤油の製造中にできるたまり液に漬けたしょうゆ漬は、白ウリ、キュウリ、ショウガ、タマネギなど各種そろう。地元酪農家の搾りたて牛乳を使用したレアチーズケーキや梅、リンゴ、ブルーベリーなどのジュースやジャムも人気。


沢田農産物直売所(JAあがつま沢田直売所)

●交通アクセス
中之条駅から関越交通バス「四万温泉」行き約10分、天神原下車すぐ
●URL
https://www.sawadanoaji.com/store.html

積善館

『千と千尋の神隠し』のモデル


1691(元禄4)年の創業期に建てられた本館は、日本最古と伝えられる木造湯宿建築で、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』のモデルといわれている。このほか、国の登録有形文化財である山荘、温泉旅館ならではの贅を堪能できる佳松(かしょう)亭という趣の異なる3棟からなる。大正ロマンを感じるアーチ窓をもつ「元禄(げんろく)の湯」では日帰り入浴もできる。


積善館

●交通アクセス
中之条駅から関越交通バス「四万温泉」行き約40分、終点下車、徒歩約2分
●URL
https://www.sekizenkan.co.jp/

四万の甌穴群

自然が作り出した造形美


甌穴とは、川の流れが渦巻き状になることで河底や河岸の表面が浸食されてできた円形の穴。別名ポットホールとも呼ばれる。群馬県天然記念物に指定される四万の甌穴群は、四万川に架かる秋鹿(あきしか)橋から下流約130メートルの間に、直径23センチ~3メートル、深さ35センチ~1.5メートルの8つの甌穴がある。バス停近くの売店横から階段を下りれば目の前で甌穴を見ることができる。


四万の甌穴群

●交通アクセス
中之条駅から関越交通バス「四万温泉」行き約23分、四万甌穴前下車すぐ
●URL
http://www.ouketsu.net/

奥四万湖

息をのむほどのコバルトブルーの湖水


四万温泉の最奥にあり、1999年に四万川を堰き止めた四万川ダムによってできた湖。1周4キロメートルの湖畔は新緑や紅葉の名所で、「四万ブルー」と呼ばれる湖水は本州でもトップレベルの透明度を誇る。沿岸の稲包せせらぎ公園には展望施設や水生植物園が整備されている。グリーンディスカバリーではカヌー体験もできる。(要予約)


奥四万湖

●交通アクセス
中之条駅から関越交通バス「四万温泉」行き約40分、終点下車、徒歩約45分
●URL
https://nakanojo-kanko.jp/shima/spots/okushimako/

吾妻渓谷

国の名勝に指定される渓谷


吾妻川に架かる雁ヶ沢(がんがさわ)橋から八ッ場大橋までの約3.5キロメートルにわたる渓谷で、奇石、怪石、滝などの景観が広がり、「関東の耶馬渓(やばけい)」とも呼ばれる。八ッ場ダム建設によって渓谷の約25パーセントが水没したが、川沿いには探勝遊歩道が整備されている。ミツバツツジが咲く4月中旬、新緑の5月、紅葉の10月下旬~11月上旬が渓谷探勝に最適なシーズン。


吾妻渓谷

●交通アクセス
岩島駅から車約10分
●URL
http://www.tohgoku.or.jp/~aysk/iwasgimaarea.html

浅間酒造観光センター

みやげも食事もおまかせ!


日本酒「秘幻(ひげん)」「浅間錦」などの蔵元である浅間酒造の工場に併設したみやげ店と食事処。蔵出し地酒試飲コーナーでは常時20種類以上が用意されている。菓子、漬け物、食品などの品ぞろえは地域最大級。郷土料理をはじめ、ラーメンやカレーなどの食事処、大吟醸ソフトクリームが人気の売店などがある。


浅間酒造観光センター

●交通アクセス
長野原草津口駅から徒歩約15分
●URL
https://asama-sakagura.co.jp/tourismcenter/

チャツボミゴケ公園

国内最大級のチャツボミゴケ群生地


1966(昭和41)年まで露天掘りによる鉄鉱石の採鉱が行われていたところ。「穴地獄」と呼ばれる窪みに約2000平方メートルにわたって、緑色のじゅうたんを敷き詰めたようにチャツボミゴケが自生する。広い範囲で自生しているのは全国でも珍しく、2017年に国の天然記念物に指定され注目されるようになった。


チャツボミゴケ公園

●交通アクセス
長野原草津口駅から車約1時間20分、シャトルバスに乗り換え約3分
●URL
http://chatsubomigoke.web.fc2.com/

熱乃の湯

草津よいとこ一度はおいで?


湯畑の前に立つ大正ロマン漂う建物で、草津温泉の伝統的な入浴法「時間湯」の工程の1つである「湯もみ」と、民謡「草津節」の踊りのショーを開催。観客参加の湯もみ体験もある。不定期だが、プロサッカー選手を目指す「ザスパ草津チャレンジャーズ」の選手たちによる豪快な「ゆもみくんショー」や、ジャズやギターなどのライブイベントも開催。


熱乃の湯

●交通アクセス
長野原草津口駅からジェイアールバス関東「草津温泉」行き約25分、終点下車徒歩約5分
●URL
https://www.kusatsu-onsen.ne.jp/netsunoyu/

やんば見放台

いましか見られないダム建設の現場


2019年度に完成した八ッ場ダムを一望できる展望台。ダムは高さ116メートル、長さ290.8メートルとなり、備え付けの大型双眼鏡で迫力ある景観を楽しめる。ダム建設にともなって開通した八ッ場大橋は、まるで天空に架かる橋のように見える。

  • やんば見放台は12月12日~翌年3月頃まで冬季閉鎖しています

やんば見放台

●交通アクセス
長野原草津口駅から車約15分
●URL
ttps://www.ktr.mlit.go.jp/tonedamu/tonedamu_index004-1.html

湯畑

温泉が湧く草津温泉のシンボル


草津温泉の中心部に位置する源泉。毎分4000リットルの温泉が自然湧出し、周囲に草津温泉特有の硫黄の匂いが漂う。湧き出た温泉は高温なので、樋(とい)を通して冷やされ、ここから各旅館・ホテルに配湯される。樋は湯の花を採取する目的も兼ねている。周囲には足湯「湯けむり亭」「滝の湯」があり、夜は幻想的な灯りでライトアップされる。


湯畑

●交通アクセス
長野原草津口駅からジェイアールバス関東「草津温泉」行き約25分、終点下車徒歩約5分
●URL
https://www.kusatsu-onsen.ne.jp/category/detail/index.php?c=2&g=2&kcd=36

西の河原公園

湯けむり漂う散歩エリアと広大な露天風呂


草津温泉街の西にあり、一帯は上信越高原国立公園の特別地域に指定されている。園内のいたる所から温泉が湧き出し、湯の川となって流れ出す。園内には草津温泉の名を広めたベルツ博士や斎藤茂吉(もきち)などの記念碑や歌碑が立ち、歴史をしのばせる。一角にある日帰り入浴施設の「西の河原露天風呂」は、男女合わせると500平方メートルという日本でも有数の広さ。


西の河原公園

●交通アクセス
長野原草津口駅からジェイアールバス関東「草津温泉」行き約25分、終点下車徒歩約15分
●URL
http://sainokawara.com/

愛妻の鐘

愛妻家の聖地・嬬恋(つまごい)で愛を叫ぶ!


夫から妻へ感謝と愛を表現することで、夫妻のよりよい関係を促進する目的でつくられた「日本愛妻家協会」。総本部がある嬬恋村はその聖地。浅間山を望み、牛や馬が放牧されている嬬恋牧場に設けられた愛妻の鐘では、夫婦が向き合って抱き合うことができるハグマット(Hug Mat)の上で、互いに「愛しているよ」と伝えて記念撮影をする。


愛妻の鐘

●交通アクセス
万座・鹿沢口(まんざ・かざわぐち)駅から西武観光バス「万座温泉」行き約30分、表万座スキー場入口下車徒歩約3分
●URL
http://www.tsumagoi.tv/

鎌原観音堂

火山災害から人命を救った観音堂


旧鎌原村は1783(天明3)年の浅間山大噴火の土石なだれで埋没した。村の高台にあった鎌原観音堂に避難した93人が奇跡的に助かったことから村人の命を救った厄除け観音様として親しまれ、多く参拝者が訪れる。隣のおこもり堂では村人の子孫から茶のもてなしがあり、当時の話が聞ける。観音堂入口近くに、噴火で埋没した発掘品などを展示する嬬恋郷土資料館があり、ガイドの解説も受けられる。(要予約)


鎌原観音堂

●交通アクセス
万座・鹿沢口駅から西武観光バス「軽井沢」行き約6分、鎌原観音堂前下車徒歩1分
●URL
http://tsumatabi.com/spot/spot_2/

大前駅

山に包まれた吾妻線の終着駅


標高約840メートルにあり、群馬県内および関東地方の普通鉄道の駅としては最西端に位置する。吾妻線の終着駅だが、多くの列車がひとつ手前の万座・鹿沢口駅で折り返すため、普通列車が1日4、5往復運行されるのみ。無人駅の単式ホームで、列車は折り返し運転となる。ホーム上に待合所が置かれるのみの素朴な駅で、ホーム中央には双体道祖神(そうたいどうそじん)が祀られている。


大前駅

●交通アクセス
大前駅下車
●URL
https://www.jreast.co.jp/estation/station/info.aspx?StationCd=345

吾妻線イベント情報

渋川へそ祭り


踊るたびにへそが笑うユニークな祭り

渋川市は日本の真ん中(へそ)に位置することから「へそのまち宣言」を行い、1984年から「渋川へそ祭り」を開催。おなかに顔の絵を描いて踊るユニークな祭りで、へそ踊りパレードは17時から19時にかけて新町五差路付近の踊り会場で繰り広げられる。「はら踊り」「浴衣踊り」「自由踊り」の3種があり、各部門からそれぞれ優秀踊り団体を表彰する。

イベント情報を見る

吾妻線おすすめの宿


地図

  • 文:塙広明(アド・グリーン)
  • 写真協力:伊香保 おもちゃと人形 自動車博物館、水澤寺、県立ぐんま天文台、小野上温泉さちのゆ、JAあがつま農業協同組合、四万温泉協会、積善館、東吾妻町観光協会、浅間酒造観光センター、草津温泉観光協会、八ッ場ダム工事事務所、鎌原観音堂奉仕会、群馬県観光物産国際協会、嬬恋村観光商工課、渋川商工会議所、嬬恋村総務課、伊香保温泉観光協会
  • 本記事は2018年6月に公開いたしましたが、2023年2月28日にトレたび編集部により情報を更新いたしました。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
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