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乗ってみたい! 寝台列車 vol. 1 TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)

Vol. 1 美しい日本をホテルが走る。 〜上質さの中に懐かしさを〜

トワイライトエクスプレスの伝統と誇りを受け継ぐ、美しい日本の風景を走る風、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」。四季折々の美しい風景、 沿線の歴史・文化財を象徴する工芸や文化を盛り込んだインテリアデザイン、地元の恵みを生かした美食……。「瑞風」での旅を通して、西日本の“美”を再発見しよう。

コンセプトに込められた「瑞風」への想い

「美しい日本をホテルが走る。 〜上質さの中に懐かしさを〜」が列車コンセプトの「瑞風」。西日本エリアには、豊かな歴史・文化や美しい自然といった、日本の原風景とも呼べる場所が数多く見られる。そこで、美しい車窓の眺め、一流の食の匠による料理、魅力あふれる沿線の歴史・文化とともに、この国の素晴らしさを再発見できる列車として、ホテルのような上質さと心休まる懐かしさを感じさせる「瑞風」が誕生した。

「トワイライトエクスプレス」から続く寝台特急列車の歴史

1989年7月21日から約26年間にわたり、大阪駅〜札幌駅間を結ぶ寝台特急列車として活躍した「トワイライトエクスプレス」の名称を受け継ぐ形で、2017年6月17日から営業運転を開始したのが「瑞風」。列車名の「瑞風」とはすなわち「みずみずしい風」であり、「吉兆を表すめでたい風」という意味も併せ持つ。さらに、稲穂が豊かに実る「瑞穂の国」という日本の美称にも由来しており、新時代の「トワイライトエクスプレス」が幸せを運ぶという情景がイメージされている。

美しい日本をめぐる5つのコース

1泊2日の片道タイプ(山陽下り・上り、山陰下り・上り)と、2泊3日で山陽・山陰をめぐる周遊タイプの計5コースが用意されており、1日1回コース毎に異なる駅で下車し、各名所で観光ができる時間が設けられている。1泊2日の山陽コースならば、京都駅・大阪駅発の下りは倉敷駅と南岩国駅で下車し、それぞれ大原美術館や錦帯橋(写真)、吉川史料館を訪問。下関駅発の上りは宮島口駅と尾道駅で下車し、嚴島神社と瀬戸内海でのクルージングやリゾートホテルでのひとときを楽しむことができる。

沿線の魅力と風が感じられるうらかず氏の手掛けたインテリア

「瑞風」車両デザインの総合プロデュースと、インテリアを担当したのが建築家・インテリアデザイナーの浦一也氏だ。車両のデザインコンセプトは「ノスタルジック・モダン」。車内デザインは昭和初期に一世を風靡したアール・デコ調がベースで、中国地方の岡山・広島・山口・島根・鳥取の5県の木材を用いた客室のドアを備えるなど、沿線の魅力を車内に散りばめている。各部屋に大きな窓、そして随所に風を感じられる開閉式の小窓が設けられているのもこだわりのひとつだ。(写真は「ザ・スイート」のリビング・ダイニング)

福田哲夫氏がデザインした懐かしくも新しいエクステリア

N700系新幹線や285系寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」などの車両デザインを手掛けたインダストリアルデザイナー・福田哲夫氏が、「ノスタルジック・モダン」をコンセプトに車両をデザイン。とくに先頭車は、丸目のヘッドライトや往年の特急電車のボンネットスタイルを彷彿とさせるシルエットが特徴的。風をイメージした5本のラインをあしらい、どこか懐かしさを残しながらも新しさを感じさせるスタイルの車両となっている。

西日本の魅力を引き立てるアートや伝統工芸品

「瑞風」の車内を彩るのは、日本が誇る現代の匠の技が生きるアートや伝統工芸品。「ザ・スイート」の客室やデッキには備前焼の人間国宝・伊勢崎淳氏が「瑞風」のために手掛けたオリジナル花入が飾られている。さらに、各客室のスイッチプレートには銅板に切り文様を彫る伝統技法を用いた、森本錺(かざり)金具製作所の「錺金具」(写真)、島根県の出西窯や鳥取県の因州中井窯の茶器、世界的に高い評価を受けた兵庫県の中田工芸の「瑞風」オリジナルハンガー、山口県の萩ガラス工房の萩切子オリジナルグラスなど、車内調度品として地元産の逸品を取り揃えている。

1両1室のスイートルーム「ザ・スイート」

10両編成の7号車に1室という、世界的にもまれな広いスペースを有する上質な客室で、エントランスやプライベートバルコニー、リビング・ダイニング、寝室(写真)のほか、バスタブ付きバスルームと2ヶ所のトイレを設置。車体が2階建て構造となっており、リビング・ダイニングと寝室を2階部分に設置することで天井部分にも窓のある広い空間を実現。エキストラベッドを使用すれば最大4名まで利用できる。なお、プライベートバルコニーの窓は開閉式で、その土地の風や空気を感じることができる。

収納式のベッドでゆったり快適「ロイヤルツイン」

10両編成の2・3・8・9号車の各車両に3室と、4号車にユニバーサル対応の客室が1室設置されている「ロイヤルツイン」。室内には、シャワーやトイレ、洗面所が完備されており、設備は万全。心置きなく、ゆったりと過ごすことができる。ベッドは収納式となっており、昼間はリビングルームとしての広さを確保。大きな窓からは車窓からの絶景も楽しめる。なお、「瑞風」にはひとり旅のニーズに合わせて、「ロイヤルシングル」も2室用意されている。

特別な旅へと誘う3つのパブリックスペース

10両編成の両端1・10号車を飾るのが、デッキ付きの展望車(写真)。デッキは走行中に車両が最後尾となる際に利用可能で、流れゆく風景と爽やかな風を堪能できる。また、6号車にはオープンキッチンスペースのある食堂車「ダイナープレヤデス」、5号車にはバーカウンターを備えたラウンジカー「サロン・ドゥ・ルゥエスト」があり、各個室内だけでなく、列車全体に特別な旅を楽しむためのくつろげるスペースが設けられている。

かどかみたけ氏総合プロデュースの出来立て料理

「沿線の味覚をこの旅だけのひと皿に。」という「瑞風」ならではのおもてなしを展開。車内で提供される料理は、食の権威として料理雑誌「あまから手帖」の編集顧問を務める門上武司氏のプロデュースのもと、西日本の文化・伝統、独自の哲学を世界に発信する一流の食の匠が監修する。沿線の多彩な食材を生かした料理はすべて車内のオープンキッチン(写真)にて作られており、調理の様子や香りといったライブ感も楽しめる。

料亭「菊乃井」の村田吉弘氏が「瑞風」の和食を監修

「瑞風」の料理を監修する食の匠は現在7名存在する。そのうちの一人が、京料理に独創的な料理法や食材を組み合わせるなど、新しいスタイルにも挑戦する京都の老舗料亭「菊乃井」3代目主人、村田吉弘氏だ。和食のユネスコ無形文化遺産の登録にも尽力した料理人で、厚生労働省「現代の名工」など、さまざまな賞を受賞している。彼の監修する料理は、旅の時間そのものを豊かに楽しむことができる「瑞風」の旅に、食の立場からさらに彩りを添えてくれる。

  • 料理写真はすべてイメージです。「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」で実際に提供する料理とは異なります。

よねはじめ氏が手掛ける緻密かつ壮大なフレンチ

コンピューター関連のエンジニアを経て料理の世界へ入ったという異色の経歴を持つ、レストラン「HAJIME(ハジメ)」のオーナーシェフ・米田肇氏。その実力は世界でも高く評価されており、世界を代表する100人のシェフ「100 chefs au monde」などにも選ばれている。緻密さと革新性、そして料理を通して表現される壮大な世界観が魅力で、「瑞風」での食事を通して、西日本という土地の生命のつながり、美しさ、調和のすべてを感じさせてくれる。

  • 料理写真はすべてイメージです。「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」で実際に提供する料理とは異なります。

「瑞風」沿線の絶景ポイント

山陽コースでは、明石海峡(写真上)や尾道水道、多島美を誇る瀬戸内海などの海の風景、山陰コースでは深川湾や折居(おりい)海岸(写真左下)、宍道湖、大山(写真右下)、余部(あまるべ)橋梁などの海と山の風景が楽しめる。同じ路線でもコースごとに走行する時間帯が異なるため、西の空を赤く染める夕景や日没後に空一面が青色に染まる瞬間、さらに夜明けの風景と、さまざまな景色が楽しめる。また、季節の変化も魅力のひとつで、新緑・青い海・紅葉・雪景色など、四季のある日本ならではの美しい風景を、車窓から眺めることができる。

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