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SL列車の復活運転を計画したJR九州が注目したのが、肥薩(ひさつ)線矢岳(やたけ)駅前の人吉市SL展示館で静態保存されていた8620形58654号機でした。昭和63年8月から豊肥本線の「SLあそBOY」として営業運転を開始し、年に数回「SL人吉号」として熊本駅~人吉駅間で運転されたのが、現在の「SL人吉」のルーツとなります。平成17年3月に8620形が修復不能な状態となり、同年8月に運転を終了しました。

その後、小倉工場で修復作業が行なわれ、平成21年4月25日から熊本駅~人吉駅間の「SL人吉」として再度の復活運転が開始されました。SLが牽引する3両の客車も大幅にリニューアルされ、球磨(くま)川沿いの景観を楽しめるSL列車として運転されています。
鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報

  • JRの大正生まれの復活SL!
    数字のみのナンバープレート装備
    大正時代に国産の旅客用蒸気機関車として製造されたのが8620形です。当時は数字のみで車両形式が付けられていたため、「58654」のナンバープレートが付いています。では、この番号は8620形の何番目に製造された車両なのでしょうか? 8620から8699の次は万の単位に1を付け18620になります。この法則にしたがって計算すると435番目となります。

  • 球磨川の流れに沿って走る肥薩線
    左右どちらの車窓がおすすめ!?
    客車内には中央通路の左右に4人用ボックス席または2人用席が設置され、左右の窓に映し出される風景を楽しむことができます。八代~鎌瀬間(約25分)は下り列車の進行方向右側の偶数番号の席、そして瀬戸石~那良口(ならぐち)間(約50分)は進行方向左側の奇数番号の席に、球磨川の流れが車窓を飾ります。したがって奇数番号の席の方がより長い時間、球磨川を楽しめます。

  • 客車の両端に展望ラウンジ
    中間車にビュッフェを設置!
    3両編成の客車の両端にパノラマビューを楽しめる展望ラウンジを設置。機関車の次位にある展望室からはSLの躍動感を感じることができます。また、中間の2号車にはビュッフェがあり、車窓の風景を眺めながらカフェタイムを過ごすことができます。車内販売限定の駅弁「おごっつお弁当」や「焼酎アイス」など、この列車ならではのおすすめグルメを満喫できます。

  • 人吉駅で下車して
    転車台や機関庫の外観を見学!
    人吉駅到着後は「いさぶろう3号」に乗り継いで吉松方面へ向かうことができますが、球磨焼酎の酒蔵めぐりができる人吉界隈で一泊するのも魅力的。人吉駅の西人吉駅寄りの踏切付近からは、1911年建築の石造りの人吉機関庫をバックに、上り列車の発車シーンが撮影できるほか、踏切を渡ればSLを回転させて向きを変える転車台も見学できます。

  • 全国でも珍しい駅弁立ち売り販売
    人吉駅で名物駅弁と出合う!
    かつては全国の駅ホームで見ることができた駅弁の立ち売り販売ですが、近年は数えるほどになっています。人吉駅ホームで駅弁の立ち売り販売を続ける菖蒲(しょうぶ)さんは、肥薩線の旅になくてはならない存在です。1965年から販売されている名物「栗めし」(写真)や「鮎すし」「鶏のてりやき弁当」など、発車前に列車の窓を開けて買うことができます。
    ※駅弁の内容は変更となる場合があります。

  • 肥薩線の旅を自由に楽しめる
    「肥薩線のんびりきっぷ」
    熊本駅~人吉駅~隼人駅間および鹿児島中央駅~霧島神宮駅間が、3日間乗り降り自由となるきっぷ。福岡市内または熊本駅から鹿児島中央駅までの片道は、九州新幹線の普通車指定席を利用できます。「SL人吉」の乗車には別途座席指定券(820円、こども半額)が必要ですが、肥薩線をめぐる旅には便利でおトク!熊本駅・鹿児島中央駅から10,500円、福岡市内から15,430円。
    きっぷはこちら(JR九州)
運転日 3月中旬から11月中旬までの金・土曜・休日を中心に運転
ゴールデンウィークは毎日、夏休み期間や秋の行楽シーズンは水曜を除く毎日運転
運転区間 鹿児島本線熊本駅~肥薩線人吉駅
運転時刻 下り 熊本駅9:45発→人吉駅12:09着
上り 人吉駅14:38発→熊本駅17:14着
詳細 「SL人吉」(JR九州) 
文・写真/ミスターK(結解喜幸)
※掲載されているデータは平成28年7月現在のものです。
※運転日・運転区間等は変更となる場合があります。

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