昭和33年11月1日、東京〜大阪間を6時間50分で結ぶ151系ビジネス特急「こだま」が登場しました。当時の特急列車に食堂車は必要不可欠な存在でしたが、国鉄初となる電車特急では新しい試みが採用されることになり、軽食堂ビュッフェ車を連結することが決定しました。軽食と飲み物に限定することで本格的な厨房は必要なくなり、さらにテーブルと椅子を配置する食堂も立食カウンターになったため、従来の食堂車の半分のスペースでビュッフェ営業が可能となっています。
これにより、残る半分のスペースは三等座席車(後の二等車)として活用でき、さらに編成中央に二等車(後の一等車)を組み込んで両側にビュッフェ車を連結することで、二等車の通り抜けがなくなり、編成両端からビュッフェまでの距離も短くなるという利点がありました。なお、車窓の風景とあわせて現在の列車速度がわかる速度計が設置され、利用者から好評を得ることになりました。
昭和36年3月、東海道本線の153系急行「せっつ」のグレードアップおよび急行「なにわ」の電車化では、リクライニングシートを装備した一等車のサロ152と、半室二等車のビュッフェ車のサハシ153が登場。中間の一等車を挟んで2両のサハシ153が連結されました。調理室側のカウンターには「すしコーナー」が設置され、車内で本格的な寿司が食べられることで好評を博しました。