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ハイブリッド気動車も活躍!『JR各社の新系列気動車』

JR北海道・JR東海で活躍 キハ201系&キハ75形気動車

 JR北海道が札幌圏の通勤輸送改善のために開発したローカル列車用の気動車が、平成9年3月から運転を開始したキハ201系3両編成です。外観は731系交流近郊形電車と同じスタイルのステンレス車体で、車内はデッキなし・片側3扉・ロングシートの通勤輸送に適したタイプの車両となっています。

 一番の特徴は731系と総括制御運転できることで、現在ではJRで唯一となる電車と気動車の協調運転が行なわれています。非電化区間では気動車として、電化区間では731系電車と連結して走行できるため、従来の気動車よりも運用効率が向上しています。

 また、JR東海のキハ75形気動車は、名古屋〜伊勢市・鳥羽間を結ぶ快速「みえ」用として平成5年に登場した車両です。キハ85系特急形気動車の走行機器と311系直流近郊形電車の車体を組み合わせたスタイルで、観光・通勤の両方に対応した311系と同じ転換クロスシート装備の片側3扉となっています。なお、平成11年から増備された武豊線用の200番台+300番台・400番台+500番台の各車両は、外観および座席が313系直流近郊形電車と同じスタイルとなり、さらに400番台+500番台の2両編成はワンマン対応車両となっています。

JR北海道が731系交流近郊形電車と総括運転可能な気動車として開発したキハ201形

JR東海の311・313系直流近郊形電車の気動車版として開発されたキハ75形

JR西日本の非電化路線で活躍 キハ120形&キハ121・キハ126形

 JR西日本のローカル線用の新系列気動車として平成4年に登場したのが、越美北線木次(きすき)線に投入されたキハ120形です。第三セクター鉄道向けに製造されていた軽快気動車をベースにした車両で、ワンマン運転に対応した車体の長さが15.8mの小型車となっています。車内は中央部にボックスシートを配置したセミクロスシート車で、200番台201〜208の8両が製造されました。

 平成5年には2次車となる0番台1〜22の22両が登場しましたが、前面を除いてステンレス車体・ロングシートに変更されています。平成6年から平成8年にかけては3次車となる300番台301〜359が増備されましたが、車内は200番台と同様のセミクロスシートになっています。現在、JR西日本の非電化路線で使用されていますが、路線ごとに異なる外観塗色が採用されています。

 また、平成12年に山陰本線の米子・浜田エリアの快速列車用として、ステンレス車体・セミクロスシートのキハ126形2両編成が5本登場。平成15年には増備車の5本が製造されたほか、両運転台付き・オールクロスシートのキハ121形9両が登場しました。現在、山陰本線米子・浜田エリアを中心に境線や伯備線でも運転されています。

JR西日本のローカル線用として路線ごとにオリジナルデザインを採用したキハ120形

山陰本線浜田エリアの快速列車の高速化を図るためにJR西日本が開発したキハ126形

JR四国とJR九州の新型気動車 1500形&キハ200・キハ220形

 JR四国では、大気汚染の原因となる窒素酸化物の排出削減や地球温暖化の防止を目的として、平成18年4月からバリアフリーにも対応した1500形気動車を投入しました。ワンマン運転対応の両運転台付きステンレス車体で、車内は転換式クロスシートを装備。車椅子対応トイレや車椅子スペースの設置など、バリアフリーに対応した車両となっています。車両は爽やかで軽快な四国をイメージし、外観塗色には自然を意識した緑色、内装には癒しの空間を演出する木目調の化粧板を採用。平成21年には機器などに環境対策を施した増備車の1550番が登場し、車体側面には「ECO」のロゴが取り付けられています。現在、徳島エリアの普通列車を中心に運転されています。

 また、JR九州が最高速度110km/hの快速列車用として開発したのが、平成2年に登場したキハ200形です。転換クロスシート採用・3扉の近郊形気動車で、佐世保線の快速「シーサイドライナー」などに使用されています。

 平成10年までの間に使用線区に応じてワンマン対応設備やロングシート化された増備車が登場しており、平成2年〜平成6年製造の0番台・1000番台(トイレ無し)は各15両、平成9年製造のワンマン仕様の100番台・1100番台は各5両、平成9年製造のワンマン仕様でロングシートの500番台・1500番台は各3両があります。このほか、平成9年製造の両運転台付きのキハ220形は1100番台2両と1500番台4両、平成18年から増備のキハ220形200番台はワンマン仕様のセミクロスシート車となっています。なお、指宿枕崎線の「なのはなDX」用の指定席車はキハ220形1102を改造した車両です。

JR四国が老朽化した気動車の置換用として開発したECO対応の1500形気動車

JR九州が非電化路線の快速列車用として開発した近郊形スタイルのキハ200形

※掲載されているデータは平成22年9月現在のものです。

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