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栄光の新幹線シリーズ(5)JR東日本のEシリーズ E1・E2・E3・E4系車両 平成6年7月15日、日本初のオール2階建て新幹線車両E1系が登場。今回はJR東日本のEシリーズの車両にスポットを当てて紹介します。(文=結解喜幸 写真=結解学)

What's 整備新幹線

 昭和45年に制定された「全国新幹線鉄道整備法」に基づき、政府が整備計画を決定した5線の新幹線が整備新幹線と呼ばれるものです。1. 青森市と札幌市を結ぶ北海道新幹線、2. 盛岡市と青森市を結ぶ東北新幹線、3. 東京都と大阪市を結ぶ北陸新幹線、4. 福岡市と鹿児島市を結ぶ九州新幹線鹿児島ルート、5. 福岡市と長崎市を結ぶ九州新幹線長崎ルートの5路線の建設工事が行なわれることになりました。
 ところが、その後のオイルショックで着工が見送られることになり、長期間に渡って整備新幹線のままとなっていました。当時の運輸省は建設費用を抑える案として、ミニ新幹線(新在直通運転)方式スーパー新幹線(新幹線鉄道規格新線)方式を発表して新幹線の早期着工を図ろうとしました。しかし、フル規格の新幹線を望む地元の声は高く、工事の着工は紆余曲折を経ることになりました。
 平成3年に長野オリンピックの開催が決定すると、整備新幹線のうち北陸新幹線の高崎〜長野間をフル規格で先行開業することになり、平成9年10月1日の開業に向けて工事が着工されました。高崎〜長野間は北陸新幹線の一部となる区間ですが、開業時は「長野行新幹線」という愛称が付けられていました。
 また、東北新幹線盛岡〜青森間は沼宮内〜八戸間がフル規格で、盛岡〜沼宮内間・八戸〜青森間はミニ新幹線、北陸新幹線・九州新幹線はスーパー特急方式とすることが決定しました。
 その後も見直しが何度か行なわれた結果、東北新幹線盛岡〜青森間・九州新幹線博多〜鹿児島間、そして北陸新幹線はフル規格として新線建設することになりました。併行在来線の地方自治体への移管がネックとなって北陸新幹線の工事が遅れてしまいましたが、平成14年12月1日に東北新幹線盛岡〜八戸間、平成16年3月13日に九州新幹線新八代〜鹿児島中央間、平成22年12月4日に東北新幹線八戸〜新青森間が開業。そして、平成23年3月12日には九州新幹線博多〜新八代間が開業することになりました。

日本初のオール2階建て車両E1系「Max」12両編成が登場

 JR東日本では、平成5年に登場した中央本線のE351系から同社が開発した新型車両の形式の最初に英文頭文字「E」を付けるようになりました。平成6年2月に誕生した日本初のオール2階建て新幹線車両はE1系となり、その後はE2〜E6と続き番号で新型車両が登場することになりました。日本初のオール2階建て車両は着席サービスの向上を図ったもので、200系12両編成と比べると4割ほど増加することになりました。
 エクステリアコンセプトを「グランド&ダイナミック」とした車両は、2階建て車両ならではの大きさを感じるデザインで、微気圧波対策のエアロダイナミックノーズとなっています。車体中央部分が2階建てとなっているため、本来は床下に配置する電気機器類を電動車の車端床上に設置するなど、従来の車両とは大きく異なるものとなっています。
 この車両は混雑する朝夕通勤時の着席率を高めるのを目的としたため、東京寄りの1〜4号車を普通車自由席として、2階席の座席を3+3席配置とした点にあります。このほかの普通車1・2階席は従来と同じ3+2席配置で、9〜11号車の2階席部分は2+2席配置のフットレスト付きリクライニングシートを採用したグリーン車となっています。また、車内サービス施設として2・6・10号車に自動販売機、8号車に売店コーナー、9号車にはレディースパウダールームが設置されています。
 なお、平成15年から上越新幹線用として車両のリニューアルが実施され、E4系と同じタイプの座席に交換されたほか、車体のデザインも朱鷺色と呼ばれる淡いピンクの帯を配置したものとなっています。

日本の新幹線で初のオール2階建て車両となった東北・上越新幹線用のE1系12両編成

飛雲ホワイトと紫苑ブルーの間に朱鷺色の帯がデザインされたE1系のリニューアル車

長野新幹線開業に合わせ2電源対応のE2系が登場

 平成9年10月1日の長野新幹線開業および平成9年3月22日の秋田新幹線開業に合わせて登場したのが、JR東日本の新幹線車両の標準スタイルとなるE2系です。長野新幹線高崎〜軽井沢間には30‰(パーミル)の急勾配が連続するため、これに対応した高出力電動機と回生抑速ブレーキを装備。さらに長野新幹線の軽井沢以遠は交流60Hzとなるため、初の3電源対応電車となった485系交直流特急形電車と同じように50/60Hzの交流電源に対応するなど、ほかの車両とは異なる新機軸が採用されています。
 また、東北新幹線区間では最高速度275km/h運転を行なうため、車体をアルミ合金製として軽量化を図り、騒音・微気圧波対策として先頭車両のデザインを流線形としたほか、屋根上の機器類を移設して滑らかな断面を実現。騒音の原因のひとつとなるパンタグラフも4・6号車の屋根上に1基ずつ配置するなど、環境問題に配慮したものとなっています。
 長野新幹線用車両は「N編成」と呼ばれる8両編成で、3+2席配置の普通車が7両と2+2席配置のグリーン車が1両連結されており、車椅子対応の座席やトイレなどの車内サービス設備が設置されています。基本的なスタイルは東北新幹線用と同じですが、東北新幹線用の車両は秋田新幹線のE3系「こまち」と併結運転を行なうため、先頭車両に自動式カバーが開閉する連結器が取り付けられています。

長野新幹線の急勾配と50/60Hzの異周波数の電源に対応したE2系8両編成の「あさま」

ヘッドレスト付きの大型リクライニングシートを2+2席配置したE2系のグリーン車

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