『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
山陰の美しい海岸線を列車から楽しむ。そんな夢を叶えてくれる列車が、仙崎出身の童謡詩人・金子みすゞに因んだ愛称が付けられた「みすゞ潮彩」。アール・デコ調にデザインされた車両の指定席車の海側にはワイドな窓が設置され、車内の座席も海側の風景を満喫できる向きに配置されている。
それでは、新下関駅から快速「みすゞ潮彩1号」に乗車し、山陰の美しい海岸線を車窓に楽しむ旅に出ることにしよう。この列車は特に眺めのよい3カ所のビュースポットで列車を停止させ、車内アナウンスによる車窓案内を行なうのが魅力。まずは小串~湯玉間、そして宇賀本郷~長門二見間、最後は黄波戸(きわど)~長門市間のビュースポットに停車。列車が停車するため、美しい海岸線の写真撮影も手軽にできる。また、ビュースポットに到着するまでは車内で紙芝居の上演、そして軽飲食・お土産品の販売などもあり、新下関駅から仙崎駅までの約2時間30分の乗車時間が短く感じてしまうほどだ。
車体側面に丸窓や三角窓を配置したアール・デコ調のデザインを施した車両。金子みすゞが彗星のごとく現れた大正末期をイメージしている。
仙崎寄りの2号車に連結される指定席車両。車端の4人用ボックス席以外は海側を向いた座席配置で、車窓の風景を存分に楽しめる。
2号車の1号車寄りの車端にある売店。土曜・休日に運転される「1・2号」でお弁当や軽飲食、お土産グッズなどを販売している。
2号車の車端にある紙芝居上演スペース。土曜・休日に運転される1号で「童謡詩人 金子みすゞ」、2号では「風雲児 高杉晋作(平成24年1月7日以降は、「巌流島の決闘」の予定)を上演。
下関駅寄りの1号車に連結される自由席車両。中央は4人掛けのボックス席になっており、昔ながらのローカル列車の乗車気分が楽しめる。
客室乗務員「みすゞメイト」が車内で販売する「みすゞ潮彩弁当」。このほか、「ふく寿司」やチョロQ・ストラップなどのお土産グッズ類がある。
JR仙崎駅から北に向かう約1kmの通り。みすゞゆかりの地を示す標柱やお休み処があるほか、各家の軒下にみすゞの詩が掲示されている。
山陰本線の「みすゞ潮彩」の運転区間が自由周遊区間に含まれる「周遊きっぷ【津和野・秋芳・萩ゾーン】」を利用することができる。萩や津和野、秋芳洞などもJR線・バスを利用してめぐれるので、関西エリアから2泊3日の行程で旅するのに便利でおトク! ゾーン券のねだんはおとな5,300円、こども2,650円で、これに発駅からゾーンまでの往復の運賃・料金がプラスされる。なお、利用条件などがあるので、詳細は「JR時刻表」などを参照のこと。
文・写真:結解喜幸
写真協力:おいでませ山口 観光写真館、青海島観光汽船、長門市商工観光課
※掲載されているデータは平成23年12月現在のものです。