『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

トレタビ列車図鑑

第12回 E657系 特急「スーパーひたち」

【第12回】E657系 特急「スーパーひたち」*上野~いわき間*

2012年3月に新登場! 常磐線用の最新鋭交直流特急形電車

 常磐線上野~いわき間の特急「スーパーひたち」および上野~勝田間の特急「フレッシュひたち」用として、平成24年3月17日のダイヤ改正から登場するのがE657系交直流特急形電車だ。時代のニーズに合わせた車内ブロードバンド環境など、観光からビジネスまで快適な旅が楽しめる最新のサービス設備と快適な乗り心地を備えている。
 それでは、上野駅からE657系特急「スーパーひたち」に乗って、いわき駅までの列車旅を楽しんでみよう。

 土浦駅付近では右手に霞ヶ浦、左手に筑波山を眺め、初春であれば偕楽園の彩り豊かな梅林を車窓に映して水戸駅に到着。五浦海岸の玄関口となる大津港駅を過ぎると、右手の海沿いに見えるのが勿来(なこそ)の関で、列車は茨城県から福島県へと入る。小名浜港の玄関口となる泉駅、湯本温泉・スパリゾートハワイアンズの玄関口となる湯本駅を過ぎれば、列車は終着駅となるいわき駅に到着する。上野駅からの乗車時間は2時間10分ほどで、ゆったりと美しい車窓を眺めながらの旅が楽しめる。

1 グリーン車

ゆったりとした大型リクライニングシートを採用したグリーン車。シートモケットには水戸偕楽園をイメージした梅の花柄が織り込まれている。

2 普通車指定席

可動式の枕が付いたリクライニングシートを配置した普通車。在来のE653系と比べて50㎜広い960㎜のシートピッチを採用している。

3 普通車のシート

全席にモバイル用コンセントおよびノートパソコンが置ける背面大型テーブルを装備。WiMAXを用いたブロードバンド環境も整っている。

4 多目的室

バリアフリー対応設備がある5号車には、赤ちゃんの授乳をはじめとする各種用途に対応した多目的室を設置。タウンカートにも対応している。

5 車椅子対応トイレ

グリーン車および普通車には車椅子を固定できる1人掛けのシートを設置。5号車のデッキには電動車椅子対応の大型トイレが設置されている。

6 運転台

車両の状況がわかるモニターなどを配置した機能的な運転台。車両の高い位置に設置されているため、前方の視界が大きく開けている。

DATA

デビュー年:2012年3月17日
運転日:毎日運転(下り列車37本中15本がE657系使用予定)
運転区間:常磐線上野~土浦・勝田・いわき間
車両形式:E657系電車10両編成

「スーパーひたち」でめぐる常磐線の旅

霞ヶ浦

国内第2位の面積を持つ広大な湖。日本百景に選定されており、遊覧船でクルージングを楽しめば、筑波山の景観やカモメたちに出会える。

水戸偕楽園

「日本三名園」のひとつに数えられる水戸偕楽園。園内には、約100種類、3000本の梅が植えられ、2~3月は見事な花が咲き誇る。

国営ひたち海浜公園

7つのエリアからなる園内をサイクリングしながら、3月はスイセン、5月はネモフィラ(写真)など、四季折々の植物が楽しめる。自転車の持ち込みも可。

日立さくらまつり

今年で50回目を迎える桜の祭典。平和通り、かみね公園、十王パノラマ公園(写真)の3会場で開催。幻想的な夜桜のライトアップは必見。

アクアマリンふくしま

太平洋の「潮目」をテーマにした水族館。カツオやマグロ、イワシなど多彩な生物を展示。世界最大級のタッチプール「蛇の目ビーチ」も人気。

スパリゾートハワイアンズ

温泉や南国ムード満点のショーなどが楽しめる大型レジャー施設。平成24年2月8日に全館再開し、新ホテル「モノリス・タワー」もオープンした。

いわき湯本温泉 さはこの湯

いわき湯本温泉の日帰り温泉。江戸末期の様式を再現した和風の館内には岩風呂と檜風呂を完備。源泉かけ流しの硫黄泉が楽しめる。

アンコウ鍋

北茨城や福島を代表する冬の味覚「アンコウ」。アンコウ料理の代表格「アンコウ鍋」はコラーゲンたっぷりで美肌効果満点。女性にも大人気。

鉄道写真作家 結解喜幸の
「スーパーひたち」○得利用術

特急「スーパーひたち」および特急「フレッシュひたち」の普通車指定席を利用し、常磐線沿線の観光地を往復するのに便利でおトクなのが「ひたち往復きっぷ(普通車)」(4日間有効)だ。通常期の指定席特急券+普通乗車券は上野~水戸間が往復8,040円、上野~いわき間は往復12,780円となるが、このきっぷは上野→友部~勝田間が7,000円、上野→湯本~いわき間が11,300円なので、水戸往復は1,040円、いわき往復では1,480円がおトクになる。

文・写真:結解喜幸 写真協力:茨城県観光物産協会、福島県観光物産交流協会
※掲載されているデータは平成24年3月現在のものです。

バックナンバー

このページのトップへ