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高原リゾートとして人気のある由布院温泉へのアクセス用として、平成元年3月に博多~由布院~別府間を結ぶキハ71系4両編成で登場した特急「ゆふいんの森」。この列車が好評を博し、由布院への観光客が大幅に増加したため、平成11年3月にはキハ72系4両編成の増備車が登場し、博多~由布院間では1日3往復の列車が運転されている。車窓の眺めがより楽しめるハイデッカー(高床式)仕様の車両で、車内は木をふんだんに使用した自然味あふれる空間となっている。
それでは、博多駅からキハ71・72系特急「ゆふいんの森」に乗って、由布院駅までの列車旅を楽しんでみよう。
久留米駅から久大本線に入った列車は、筑紫平野の風景を眺めながら快走。筑後川を渡って大分県に入り、右側に三隈(みくま)川が見えると温泉や古い町並みのある日田駅に到着。この先は玖珠(くす)川の流れが左右の車窓を飾り、鉄橋とトンネルの連続で温泉のある天ケ瀬駅に到着。そして、この先でも山間の風景とトンネルが続き、由布院盆地に駆け下りて由布院駅に到着する。
平成元年3月に登場したハイデッカー仕様の車両。外観は流線型のレトロ調デザインで、車内空間のよさと合わせて由布院観光の人気列車となった。
平成11年3月に増備されたキハ71系と同様スタイルの増備車。さらに洗練された外観スタイルが特徴で、博多~由布院間の2往復に使用されている。
観光利用が目的の高原リゾート特急のため全車両が普通車指定席となる。床板も木でできており、暖かみのある落ち着いた空間を演出している。
両端の車両の運転台寄りは前面展望が楽しめる展望座席。運転台が下にあるハイデッカー仕様の車両なので、目の前にワイドなパノラマ風景が広がる。
キハ71系は2号車、キハ72系は3号車に家族旅行などに最適な4人掛けボックスシートを配置。ボックスの中央には大型テーブルが付いている。
キハ71系は2号車、キハ72系は3号車に軽食・飲み物などを販売するビュッフェを設置。地ビールやおつまみ、駅弁、お土産品などが揃っている。
博多駅から由布院駅まで特急「ゆふいんの森」の普通車指定席を利用して往復するには、特急回数券「2枚きっぷ」(7,800円・ピーク期は1列車+500円)が便利でおトクだ。由布院へは「駅長おすすめの日帰りグルメきっぷ」や宿泊プランも選べる「うふふの休日」、「駅長おすすめのゆ」など、食事や温泉などがセットになった旅行商品があり、旅の目的に応じて選ぶことができる。なお、九州各地からは「ゆふいんのんびりきっぷ」が設定されている。
文・写真:結解喜幸 写真協力:裏辺研究所
※掲載されているデータは平成24年4月現在のものです。