『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
富良野線沿線の美しい花畑や丘の風景を楽しめるトロッコ列車として登場したのが、「富良野・美瑛ノロッコ号」だ。木製ベンチ風の座席に座り、上窓をオープンにして車窓の風景と爽やかな風を楽しみながら、夏の北海道の魅力を堪能することができる。
それでは、旭川駅から「富良野・美瑛ノロッコ号」に乗車し、富良野駅までの旅を楽しんでみよう。新駅舎となった旭川駅を発車した列車が旭川の市街地を走り抜けると、次第に田園風景が車窓を飾りはじめる。畑作地帯の丘の風景が見えると、列車は石造りの駅舎がある美瑛駅に到着。ここから先は峠越えとなり、美しい丘の風景を眺めながらラベンダー畑で知られる上富良野駅へ向かう。左手に大雪山系の富良野岳や十勝岳を眺め、車窓の右手を飾る美しい花咲く丘の風景を楽しむうち、中富良野駅に到着。しばし防雪林の中を走るとワイン工場の建物が見えてくる。その後、富良野川を渡って富良野市街へと入り、根室本線の線路とともに列車は富良野駅に到着する。
旭川寄りに連結されるDE15形ディーゼル機関車。ノロッコ号専用塗装のカラフルな1534号機や国鉄色の1546号機などが使用されている。
富良野寄りの3号車(4両編成時は4号車)に連結される自由席車。運転台横のスペースから流れ行く前面展望風景を楽しむことができる。
1号車と3号車(4両編成時は4号車)は6人掛けの大型テーブル付きベンチ風座席と、窓側を向いた2人掛け座席が配置されている。
2号車(4両編成時は2・3号車)には、車内両側に大型テーブル付き4人掛けボックスシートを配置したナハ29000形を連結している。
1号車の指定席車には、飲食物やノロッコ号の乗車記念品を販売する車内売店、記念スタンプ台、ダルマストーブなどが設置されている。
富良野線西中~中富良野間に開設される夏季限定の臨時駅。1日3往復のノロッコ号が停車するほか、一部の普通列車が期間限定で停車する。
富良野線エリアの旅に便利なのが、富良野線全線と根室本線滝川~幾寅間、函館本線滝川~旭川間の普通列車の普通車自由席が1日乗り降り自由となる「ラベンダーフリーパス」(おとな2,300円、こども1,150円)だ。「富良野・美瑛ノロッコ号」の自由席に乗車できるほか、別途に特急券・指定席券を購入すれば特急列車や指定席車の利用も可能。このほか、札幌方面からの往復JR券がセットになった「ふらの・びえいフリーきっぷ」などがある。
文・写真:結解喜幸
※掲載されているデータは平成24年7月現在のものです。