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瀬戸大橋を渡って岡山駅と高松駅を結ぶのが、1988年4月10日の瀬戸大橋線開業から運転されている快速「マリンライナー」だ。当初はパノラマグリーン車を連結した213系が使用されていたが、現在は車窓の風景をより楽しめる5000系3両編成+223系5000番台2・4両編成となっている。
それでは、岡山駅から快速「マリンライナー」に乗車し、高松駅までの旅を楽しんでみよう。岡山駅を発車した列車は市街地を抜け、JR四国との接続駅となる児島へ向かう。児島駅を発車すると、列車はトンネルをくぐり抜け、瀬戸大橋の下層に設置された線路内へと入る。瀬戸大橋は上層が高速道路、下層が鉄道の併用橋で、支柱越しに瀬戸内海の青い海と島々が車窓に映し出される。瀬戸大橋の鉄橋と島の上に設置された高架橋を交互に渡り、前方に工場の煙突や山並みが映し出されると列車は四国に入り、坂出方面へ向かう列車と宇多津方面へ向かう列車が分岐する。坂出駅を出て讃岐富士飯野山を車窓右手に眺めると、列車は間もなく終着の高松駅に到着する。
高松寄りの1号車に連結されるのが5000系の5100形。2階がグリーン車指定席、1階は普通車指定席のダブルデッカー車両となっている。
3・5・7両編成の1号車の運転台後ろはパノラマシート(グリーン車)で、高松行きの下り列車では瀬戸大橋を渡る時の前面展望が楽しめる。
3・5・7両編成の1号車の2階席は車窓の風景をワイドに楽しめるグリーン車指定席で、ゆったりとしたリクライニングシートが並んでいる。
3・5・7両編成の1号車の1階席は普通車指定席で、窓側に赤いモケット、通路側には青いモケットのリクライニングシートが配置されている。
グリーン車・普通車指定席を連結した3・5・7両編成の列車は、1号車以外の車両はすべて普通車自由席で転換クロスシートが装備されている。
瀬戸大橋を渡る列車の車窓には、瀬戸内海や島々の風景が映し出され、かつてフィッシャーマンズワーフのあった与島も眼下に見ることができる。
岡山駅と高松駅を結ぶ快速「マリンライナー」は、四国エリアへのフリーきっぷや周遊きっぷなどで手軽に利用できる。また、瀬戸大橋を渡る児島~坂出・宇多津間はJR四国全線が乗り放題の「四国フリーきっぷ」や「四国グリーン紀行」、「週末乗り放題きっぷ」を利用すれば、何度でも同区間に乗車できるのでおトクだ。
なお、「青春18きっぷ」も指定席券を購入すれば普通車指定席が利用できるが、グリーン車指定席は利用できないので注意が必要だ。
文・写真:結解喜幸 写真協力:香川県観光協会、倉敷市
※掲載されているデータは平成24年8月現在のものです。