『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
木曽路の山中を駆け抜けて大阪・名古屋駅と長野駅を結ぶのが、曲線通過に力を発揮する最新の制御振り子装置を装備した383系特急形電車使用の特急「(ワイドビュー)しなの」だ。下りの先頭車両は前面展望が楽しめるグリーン車で、木曽路の美しい風景をよりワイドに堪能できる。
それでは、名古屋駅から特急「(ワイドビュー)しなの」に乗車し、長野駅までの旅を楽しんでみよう。名古屋駅を発車した列車は多治見や恵那の町並みを眺めながら中津川駅に到着。ここから先は木曽川の流れとともに、四季折々の美しい風景が広がる木曽路の山中を走る。旧中山道の宿場町が残る妻籠宿(つまごじゅく)の最寄り駅となる南木曽(なぎそ)駅を過ぎ、左手車窓に景勝地「寝覚(ねざめ)の床(とこ)」が見えると、列車は間もなく木曽福島駅に到着。さらに旧中山道の宿場町を車窓に走ると、右手に東京方面からの中央本線が寄り添って塩尻駅に到着。ここから篠ノ井線に入った列車は、大糸線が分岐する松本駅、そしてスイッチバックの姨捨(おばすて)駅を通過し、篠ノ井駅から信越本線に入って犀川(さいがわ)を渡ると終着の長野駅に到着する。
長野寄り1号車に連結されるのが前面展望を楽しめるパノラマグリーン車。車内には座席幅の広いリクライニングシートを装備している。
基本編成の2~6号車に連結される普通車。グレーを基調とした車内には2+2席配置のゆったりとしたリクライニングシートが並んでいる。
名古屋寄りの6号車に連結される先頭車両は、8・10両編成の増結時に便利な貫通路を装備した車両で、1号車とは異なったスタイルをしている。
名古屋駅と長野駅を結ぶ特急「(ワイドビュー)しなの」を利用し、木曽路方面へ行くには「木曽路フリーきっぷ」が便利でおトクだ。
乗り降り自由となるフリー区間は中津川~木曽福島~洗馬間で、フリー区間までの往復には特急「(ワイドビュー)しなの」の普通車指定席が利用できる。
さらに、指定のバス・タクシー・駅レンタカーが6,000円分利用でき、15の観光施設の入場券も付いた「木曽路エンジョイチケット」引換券が付いており、これ1枚で木曽路エリアの旅を満喫できる。
文・写真:結解喜幸 写真協力:裏辺研究所、信州・長野県観光協会、社団法人岐阜県観光連盟
※掲載されているデータは平成24年9月現在のものです。