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トレタビ列車図鑑

【第20回】予讃線「アンパンマン列車」

【第20回】予讃線「アンパンマン列車」*岡山・高松~松山~宇和島間*

アンパンマンの仲間たちをデザインした特急気動車

 人気アニメ「それいけ!アンパンマン」のキャラクターがデザインされた「アンパンマン列車」。JR四国では、2000年10月に土讃線で運行を開始したのを皮切りに、予讃線、高徳線・徳島線と、JR四国の主要路線で運行され、現在では合計20両の「アンパンマン列車」を運行している。岡山・高松~松山~宇和島間などを結ぶ予讃線の特急「しおかぜ」「いしづち」「宇和海」の一部に使用されている2000系特急形気動車を使用した「アンパンマン列車」では、2012年10月に「ばいきんまん号」や「ドキンちゃん号」など11両の車両デザインが一新され、1日当たり上下17本の予讃線の特急列車に運用されている。

 それでは、岡山駅から特急「しおかぜ」に乗車し、松山駅までの旅を楽しんでみよう。岡山駅を発車した列車は市街地を走り抜け、児島駅から宇多津駅までの間は瀬戸大橋を渡る。車窓には瀬戸内海の島々や航行する船の姿が映し出され、しばし車窓に目が釘付けとなる。宇多津駅からは予讃線を走り、右手車窓には瀬戸内海の美しい風景、そして左手車窓には四国最高峰の石鎚山など四国山地の山並みがあり、海と山の風景を楽しみながらの旅となる。伊予北条駅の手前で瀬戸内海を眺めると、列車は終着駅の松山に到着。宇和島まで直通運転される列車もあるが、この先は松山駅始発の特急「宇和海」が接続している。

1 ばいきんまん号

予讃線「アンパンマン列車」の1号車に連結される半室グリーン車の車両。半室の普通車指定席には「アンパンマンシート」が配置されている。

2 ドキンちゃん号

「ばいきんまん号」と同じく1号車に連結される車両。車体にアンパンマンの仲間たちが描かれており、乗降口のドアには記念撮影用エンブレムがある。

3 アンパンマンシート(1号車)

予讃線「アンパンマン列車」の1号車の半室となる普通車指定席には、アンパンマンがデザインされた「アンパンマンシート」が設置されている。

DATA


デビュー年:
2001年10月
運転日:毎日
運転区間:瀬戸大橋線・予讃線・内子線 岡山・高松~松山~宇和島間
車両形式:2000系5両編成(しおかぜ編成)+2両編成(いしづち編成)

四国はほかにも「アンパンマン列車」がいっぱい

土讃線アンパンマン列車

2000年10月にはじめて「アンパンマン列車」として登場。現在は「グリーン」と「オレンジ」の2編成が特急「南風」・「あしずり」の一部で活躍中だ。

ゆうゆうアンパンマンカー

高徳線の特急「うずしお」や徳島線の特急「剣山」の一部列車に連結される指定席車両。半室は子供たちが思いきり遊べるプレイルームになっている。

アンパンマントロッコ

岡山~高松・琴平間を結ぶ「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」などに使用されるオープンタイプのトロッコ車両。風を感じる旅が楽しめる。

「アンパンマン列車」でめぐる予讃線の旅

観音寺(かんおんじ)

約1300年前に日証上人が創建した四国霊場八十八ヶ所の69番札所。68番札所の琴弾八幡宮の神恵院(じんねいん)もある1寺2霊場となっている。

石鎚山(いしづちさん)

四国山地西部に位置する、標高1982mの四国最高峰。日本七霊山の1つで、山麓から山頂まで石鎚登山ロープウェイで登ることができる。

四国鉄道文化館

伊予西条駅に隣接して開館した鉄道展示施設で、館内には新幹線0系車両のカットモデルやDF50形ディーゼル機関車が保存・展示されている。

松山城

松山市の中心部・勝山山頂に築かれた日本三大平山城の1つ。幕末に建設された大天守や望楼形二重櫓の野原櫓など当時のままに保存されている。

道後温泉

日本三古湯の1つといわれる松山市内に湧出する温泉で、約3000年の歴史を有する。共同浴場の道後温泉本館を中心に温泉街が広がっている。

坊っちゃん列車

夏目漱石の小説『坊っちゃん』に登場する、当時の伊予鉄道の「マッチ箱のような汽車(SL+客車)」を再現した列車。伊予鉄道市内線を走る。

じゃこ天

宇和島市など愛媛県南予地方で作られる魚肉練り製品。ホタルジャコなど地魚のすり身を油で揚げたもので、郷土の味覚として親しまれている。

坊っちゃん団子

夏目漱石の小説『坊っちゃん』に登場する団子をモチーフにした松山市の銘菓。甘さ控えめで上品な3色の団子は道後温泉の土産としても人気。

鉄道写真作家 結解喜幸の
予讃線「アンパンマン列車」 ○得利用術

予讃線「アンパンマン列車」を利用して松山・宇和島方面および四国内周遊の旅を楽しむには、JR四国全線の特急列車の普通車自由席が乗り降り自由となる「四国フリーきっぷ」や「週末乗り放題きっぷ」の利用が便利。ただし、予讃線の「アンパンマンシート」は1号車の普通車指定席のみなので、利用する場合には別途、指定席特急券が必要となる。また、利用者の1人が誕生月であれば、4人までのグループでグリーン車や普通車指定席が利用できておトクな「バースデイきっぷ」(3日間有効・1人10,000円)がおすすめだ。

文・写真:結解喜幸 写真協力:JR四国
※掲載されているデータは平成24年10月現在のものです。

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