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トレタビ列車図鑑

【第21回】特急「海幸山幸」

【第21回】特急「海幸山幸」*宮崎~南郷間*

日南市特産の「飫肥杉」の香り漂う観光特急

 風光明媚な日南海岸エリアを車窓に走るのが、日豊本線・日南線宮崎~南郷間を結ぶ観光特急「海幸山幸」だ。車両は「木のおもちゃのようなリゾート列車」をコンセプトにしたデザインで、日南市特産の「飫肥(おび)杉」を車内外にふんだんに使用。列車名は南九州を舞台にした日本神話の海幸彦と山幸彦に由来する。

 それでは、宮崎駅から特急「海幸山幸」に乗車し、日南線の車窓の旅を楽しむことにしよう。宮崎駅を発車して大淀川を渡った列車は、次の南宮崎駅から日南線に入り、宮崎空港線の分岐駅の田吉駅、「こどものくに」の玄関口となる子供の国駅、日南海岸の景勝地「青島」の最寄り駅となる青島駅に停車。内海駅を過ぎると左手車窓に日向灘が見えるようになり、鬼の洗濯板と呼ばれる波状岩が眼下に広がる。車窓に飫肥杉が目立ってくるとトンネルを抜け、日南市に入って北郷駅、飫肥駅、日南駅に停車。油津(あぶらつ)駅を発車後は、油津港や七ツ岩、大島を眺めながら海辺を走り、列車は間もなく終着駅の南郷駅に到着する。

1 海幸山幸車両

木のおもちゃをイメージした車両の側面は、飫肥杉を使用したユニークなデザイン。レトロ感も漂う特徴的なスタイルとなっている。

2 1号車「山幸」車内

全車指定席の1号車はキハ125形401の「山幸」車両。荷物棚や座席のひじ掛け・テーブル、床板などに特産の飫肥杉が使用されている。

3 2号車「海幸」車内

一部自由席の2号車はキハ125形402の「海幸」車両。1号車の赤色系の座席モケットに対し、2号車には青色系の座席モケットが使用されている。

4 サービスカウンター

1号車の運転台寄りには、特産品の車内販売などを行なうサービスカウンターがあるほか、フリースペースとなるソファーシートが配置されている。

5 サロンスペース

2号車の1号車寄りにはサロンスペースがあり、飫肥杉で作った木工作品などを展示する大型の木製展示棚やソファーシートが配置されている。

6 ソファーシート

サロンスペースに配置されているソファーシート。1号車と同様フリースペースになっており、飫肥杉の香りや木の温もりが楽しめる。

DATA


デビュー年:
2009年10月10日
運転日:2013年2月24日までの土曜・日曜・祝日と
12月22~25・27日~1月6日。3月以降も週末を中心に運転予定
運転区間:日豊本線・日南線 宮崎~南郷間
車両形式:キハ125形400番台2両編成

「海幸山幸」でめぐる日南線の旅

観光バス「にちなん号」

「海幸山幸」と連動して走る宮崎~南郷間の予約制観光バス。青島・鵜戸神宮・堀切峠では停車時間が設けられ、下車して観光が楽しめる。

青島神社

彦火火出見命(山幸彦)・豊玉姫命・塩筒大神の三神が祀られる神社。境内には海幸彦と山幸彦が登場する日本神話を伝える「日向神話館」がある。

堀切峠

眼下に鬼の洗濯板がある海岸線が広がる日南海岸のビュースポット。南国情緒にあふれ、夏は県花のハマユウ、冬はポインセチアが美しく咲く。

鵜戸神宮

太平洋の荒波が押し寄せる鵜戸崎岬に建ち、突端にある洞窟内に本殿が鎮座する珍しい神社。境内から美しい海岸線の風景が眺められる。

鬼の洗濯板

青島付近の海岸線にある波状岩。海中から隆起した水成岩が長い間に波に洗われた結果、砂岩層が板のように積み重なり自然美を形成している。

飫肥城下町

藩政時代の280年間に渡り伊東氏5万1000石の城下町として栄えたところ。江戸時代からの伝統的建造物が残り、風情ある町歩きが楽しめる。

飫肥の天ぷら

江戸時代から伝わる庶民の味。新鮮な魚のすり身に、豆腐や黒砂糖、味噌を混ぜ合わせて作るもので、ほんのりとした甘さが口の中に広がる。

厚焼き卵

殿様に献上したという、祝いの席では現在もかかせない飫肥名物。炭火で上下から焼き上げ、プリンのような口当たりと上品な味わいが特徴。

鉄道写真作家 結解喜幸の
特急「海幸山幸」 ○得利用術

特急「海幸山幸」を利用して日南海岸を旅するには、宮崎~南郷間で観光特急「海幸山幸」の普通車指定席と観光バス「にちなん号」を利用できる「日南レール&バスきっぷ」(おとな2,800円、こども2,200円・2日間有効)が便利でおトク。使い方は、往路に「海幸山幸」、復路に「にちなん号」を利用するパターンかその逆、または往復とも「海幸山幸」を利用するパターンの3通りのいずれかが可能。列車とバスを利用して、日帰りで日南観光が楽しめるというものだ。なお、往復で「海幸山幸」を利用する場合、子供は通常の運賃料金の方が安い場合があるので注意してほしい。

文・写真:結解喜幸 写真協力:九州観光推進機構、みやざき観光コンベンション協会、SONIC RAIL GARDEN
※ 掲載されているデータは平成24年11月現在のものです。

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