『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
台車の空気バネを利用した新開発の車体傾斜システムを搭載し、東京~新大阪間の所要時間を5分短縮したN700系の増備車として、N700系以降の技術開発成果を採用したN700系1000番台(通称N700A・「A」はAdvancedの略)が登場した。さらなる安全安定輸送を実現するため、安定したより強いブレーキ力の中央締結ブレーキディスクや全台車の状態を常時監視する台車振動検知システム、ATC信号に沿ったより安定した運転の定速走行装置を搭載。さらに車内のインテリアから微弱な揺れの制御に至るまで、乗車中の過ごしやすさに徹底的にこだわったリニューアルが施されている。
また、トイレや洗面所にLEDを採用し、車内の照明電力をN700系に比べ約20%削減するなど、環境性能の最先端を走る最新鋭車両に進化している。
なお、N700Aを使用した列車は、平成25年2月8日の東京駅発7時の「のぞみ203号」、新大阪駅発7時の「のぞみ208号」から運転を開始する予定で、平成24年度に6編成、平成25年度に7編成の計13編成が投入されることになっている。
N700系採用の新型吸音床構造に加え、新たに新型制振パネルを搭載したグリーン車。静かで乗り心地のよい快適な車内環境を実現している。
グリーン車に採用されたシンクロナイズド・コンフォートシート。枕部分に高輝度LEDの読書灯、足元にはレッグウォーマーも装備されている。
静かで快適な車内空間の実現で新型吸音床構造を採用した普通車。座席も頭部のサポート感を高めた新型リクライニングシートが採用されている。
奇数号車にベビーベッド対応の大型トイレ(1号車を除く)と普通の洋式トイレを装備。11号車には車椅子・オストメイト対応の多目的トイレが備えられている。
列車の状況を把握できるモニターなどを備えた機能的な運転台。新型ATC装置の搭載により、カーブ通過時に車体傾斜システムを作動させている。
N700Aの台車には、新たに中央締結ブレーキディスクを搭載。高速運転時における安定した、より強いブレーキ力を実現している。
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文・写真:結解喜幸 写真提供:KYOTOdesign
※掲載されているデータは平成25年2月現在のものです。