『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
沿線に数多くの温泉地をはじめ、戦国武将・伊達政宗公や松尾芭蕉「奥の細道」の歴史的な史跡がある陸羽東線(奥の細道 湯けむりライン)の観光リゾート列車として登場したのが、キハ48系気動車3両編成の「リゾートみのり」だ。陸羽東線のキーワード「稲穂」実りある収穫、「温泉」実りあるひととき、「紅葉」実りの秋など、「実り多い旅にしてほしい」という意味を込めて愛称が付けられた列車で、東北本線仙台駅から小牛田駅を経由し、陸羽東線沿線の観光スポット最寄り駅に停車して新庄駅までを結んでいる。
小牛田駅から陸羽東線には入った列車は、東北新幹線と接続する古川駅に停車。この先もササニシキ発祥の地として知られる大崎平野の穀倉地帯を車窓に走り、山並みが迫ると川渡温泉駅、鳴子御殿湯駅と停車し、観光の拠点となる鳴子温泉駅に到着。新緑が美しい鳴子峡などを車窓に映し、中山平温泉駅の次の堺田駅で県境を越えると、列車は山形県内にある赤倉温泉駅、瀬見温泉駅などに停車して終着の新庄駅まで快走する。
前面に伊達政宗の兜をイメージしたアンティークゴールドの装飾や、稲穂をイメージしたメタリックゴールドのラインをデザインしている。
車両側面には「みのり」のロゴを配し、出入り口のドアはメタリックシルバーとして、落ち着きのあるデザインの中に華やかさを表現している。
鳴子峡の紅葉をイメージした赤色系モケットのリクライニングシートを配置。シートピッチ1200mmのゆったりした空間で車窓が楽しめる。
1・3号車の先頭車両の運転台後方に設置された展望スペース。背もたれ可動式の椅子からは沿線の美しい風景を180度の大パノラマで楽しめる。
2号車の1号車寄り車端に設置されたイベントスペースでは、陸羽東線の沿線に因んだ様々なイベントが開催(開催日限定)される。
2号車のイベントスペースには大型のモニター装置を装備。陸羽東線沿線の各エリアの観光情報などが映し出されている。
宮城エリアの週末の旅を楽しむには、東北本線新白河~仙台~平泉間や陸羽東線などの快速・普通列車の普通車自由席が、土休日や夏休み期間などの1日間乗り降り自由となる「小さな旅ホリデー・パス(南東北フリーエリア)」(おとな2,600円、こども1,300円)が便利でおトクだ。別途に座席指定券を購入すれば、全車指定席の「リゾートみのり」が利用できる。ちなみに仙台~鳴子温泉間の普通乗車券は往復3240円なので、同区間の日帰りのみでもおトクとなる。
文:結解喜幸 写真協力:宮城県観光課 鳴子温泉郷観光協会 交通新聞サービス
※掲載されているデータは平成25年4月現在のものです。