『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
香川県と岡山県の瀬戸内エリアで開催されている「瀬戸内国際芸術祭2013」のアート作品として登場したのが、予讃線・土讃線の快速・普通列車に使用されているJR四国の113系電車4両編成の「アラーキー列車」だ。写真家の荒木経惟(あらきのぶよし)氏の作品を車体に描いた瀬戸内国際芸術祭のアート作品のひとつで、赤ちゃんの人形や妖艶な花などがフルラッピングされている。天国の中に地獄があるという荒木の写真には、常に「エロス(生)」と「タナトス(死)」が共存。ひときわ目を引く黒い車体は「アラーキー列車」という新たな「生」を与えられた刺激的な写真とともに、香川県内の芸術祭会場をめぐるアクセス列車となる。
なお、列車は全車自由席の快速・普通列車で、高松発10時4分→観音寺着11時13分の快速「サンポート南風リレー号」(119M)、高松発17時55分→琴平着18時42分の1253M、観音寺発16時19分→高松着17時32分の快速「サンポート南風リレー号」(156M)のほか、多度津~観音寺間や多度津~琴平間の普通列車など1日10本が運転されている。
オレンジ色系の妖艶な花や青い恐竜が描かれた高松寄りに連結される先頭車両。車両の隅々までラッピングが施されたアート作品になっている。
赤色系の妖艶な花や恐竜が描かれた観音寺・琴平寄りに連結される先頭車両。側面は黒い車体をベースに描かれた刺激的な世界が表現されている。
車両は両開きドアの近郊形電車で、車内には4人掛けボックスシートとロングシートを配置。窓上には各スポットの案内広告が掲出されている。
香川県の「桃太郎伝説」で鬼が住んでいたという女木(めぎ)島。大正3年に大洞窟が発見され、桃太郎伝説と結びついて「鬼ヶ島」とも呼ばれている。
1日2回の干潮時に海の中から現れる小豆島の砂の道。大切な人と手をつないで渡ると、天使が舞い降りて願いを叶えてくれるといわれている。
高さ日本一の石垣に鎮座する丸亀市のシンボル。400年の歴史を刻む今日も色あせることなく、自然と調和した独自の様式美を今に残している。
瀬戸内国際芸術祭とあわせて「アラーキー列車」の旅を楽しむには、瀬戸大橋線や予讃線高松~観音寺間、土讃線多度津~琴平間などの快速・普通列車の普通車自由席、岡山県内の指定バス路線が乗り降り自由となる「瀬戸内アートフリーきっぷ」(おとな2,000円、こども1,000円・2日間有効)が便利でおトクだ。このきっぷはJR西日本岡山県内やJR四国の主な駅のみどりの窓口、旅行会社などで、瀬戸内国際芸術際の「作品鑑賞パスポート」と同時購入する場合に発売される。
文=結解喜幸 写真協力=裏辺研究所、香川県観光協会、JR四国、瀬戸内国際芸術祭実行委員会事務局
※掲載されているデータは2013年7月現在のものです。