『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

夏目漱石、正岡子規、秋山好古(よしふる)・真之(さねゆき)兄弟―。著名な人物を数多く輩出した愛媛・松山。風情ある城下町と3000年もの歴史を持つ道後温泉を、ご当地スイーツ&グルメを片手に、じっくりと散策します。

愛媛・松山 歴史と文化漂う街並みと、日本最古の名湯を訪ねる旅

例えばこんなめぐり方|【1日目】岡山駅⇒瀬戸大橋線・予讃線 特急「しおかぜ」約2時間45分⇒松山駅⇒松山&道後温泉、街あるき⇒路面電車+徒歩 約10分⇒坂の上の雲ミュージアム⇒徒歩⇒萬翠荘⇒マドンナバス+ロープウェイ・リフト⇒松山城⇒バス約10分⇒湯釜薬師⇒徒歩⇒子規記念博物館⇒徒歩⇒道後温泉本館⇒道後温泉泊
例えばこんなめぐり方|【2日目】●今治コース 松山駅⇒予讃線 特急「しおかぜ」約40分⇒今治駅⇒今治タオル美術館or大島サイクリング⇒今治城⇒今治駅⇒予讃線・瀬戸大橋線 特急「しおかぜ」約2時間10分⇒岡山駅 ●宇和島コース 松山駅⇒予讃線・内子線 特急「宇和海」約1時間25分⇒宇和島駅⇒徒歩約20分⇒宇和島城⇒車約40分/バス約1時間⇒遊子水荷浦の段畑⇒車約40分/バス約1時間⇒パールエステ&ランチ⇒北宇和島駅⇒約5時間⇒岡山駅
1 城下町・松山で著名人の足跡をたどる 坂の上の雲ミュージアム、萬翠荘、松山城

 日露戦争で活躍した松山出身の3人―秋山好古・真之兄弟、正岡子規―を主人公にした司馬遼太郎の『坂の上の雲』。NHKで3年にわたるドラマ化で話題を呼びました。松山を代表する観光スポットとなった「坂の上の雲ミュージアム」には、小説だけでなく当時の時代背景や風俗、松山の街あるきのヒントまでが展示されています。近くには、子規と秋山兄弟生誕の地や、少年時代の子規と真之が学び、夏目漱石が英語教師として赴任した松山中学校・勝山学校跡も。坂の上の雲ファンにはたまらない!!
 一方、「ドラマ見てなかったしな~」という女子にもおススメなのが、大正浪漫あふれる萬翠(ばんすい)荘。大正11年(1922)に旧松山藩主の子孫の別邸として建てられた洋館で、松山を来訪した皇族や名士が必ず立ち寄ったんだって。フランス風の建物がステキです。城下町を散策したら、ロープウェイ・リフトで松山城へ。現存する天守からは、天気がよければ瀬戸内海の島々や佐田岬も見られる絶景スポットです。

坂の上の雲ミュージアム

開館時間:9:00~18:30、月曜休(祝日は開館)。観覧料:一般400円、高校生200円。交通:JR松山駅から路面電車で約14分の大街道下車、徒歩2分。TEL.089-915-2600

萬翠荘

開館時間:9:00~18:00、月曜休(祝日は開館)。観覧料:外観、1階は無料。企画展は大人300円、小人100円。JR松山駅から路面電車で約14分の大街道下車、徒歩5分。TEL. 089-921-3711

松山城

営業時間:本丸広場=5:00~21:00、ロープウェイ(8月)=8:30~18:00、天守(8月)=9:00~17:30。料金:観覧券+ロープウェイ・リフト往復券=大人1000円、小学生400円。交通:ロープウェイ・リフト「東雲口(しののめぐち)」までJR松山駅から路面電車で約14分の大街道下車、徒歩5分。TEL.089-921-4873

まつやまマドンナバス

萬翠荘~ロープウェイ前を周遊する無料バス。伊予鉄道 自動車課TEL.089-948-3172

2 道後温泉、3000年の風格に浸る!!  湯釜薬師、子規記念博物館、道後温泉本館

 街あるきの後半は、3000年の歴史を持つと言われる日本最古の温泉「道後温泉」にちなんだスポットをめぐります。
 まずは、温泉の守護仏として県の文化財に指定されている湯釜薬師。伊予国の守護・河野氏ゆかりの湯築(ゆづき)城跡(道後公園)にあります。すぐ近くの子規記念博物館にも立ち寄りたい。毎年3月に「湯祈祷」が行なわれる湯神社を過ぎれば、いよいよ道後温泉本館へ。明治27年(1894)に建てられた風格ある三層楼の建物は、まさに道後温泉のシンボル!! 銭湯感覚で楽しめる「神の湯」と、大島石を使った浴槽でくつろげる「霊(たま)の湯」の2種5つの浴槽を目的にあわせて選んで☆ 2階にあがれば、お茶やお菓子もいただけます。
 湯上りには、道後温泉駅までのびる道後ハイカラ通りをぶらり散策。さまざまな土産物店や飲食店が軒を連ねます。駅前には足湯やからくり時計もあり、温泉気分が盛りあがっちゃいます。

道後公園 湯築城跡 湯釜薬師

交通:JR松山駅から路面電車で20分の道後公園下車すぐ。TEL. 089-941-1480

子規記念博物館

開館時間:9:00~18:00、月曜休(祝日の場合は翌日)。観覧料:400円、小中高校生無料。交通:JR松山駅から路面電車で20分の道後公園下車、徒歩5分。TEL. 089-931-5566

道後温泉本館

開館時間と料金:「神の湯 階下」=6:00~23:00、1時間大人400円、小人150円▼「神の湯2階(浴衣、お茶、せんべい付き)」=6:00~22:00。1時間大人800円、小人400円など。交通:JR松山駅から路面電車で20分の道後温泉下車、徒歩5分。道後温泉事務所TEL. 089-921-5141

道後ハイカラ通り(道後商店街)

道後温泉本館と道後温泉駅を結ぶ約250mの商店街。

道後・放生園(ほうしょうえん)

足湯=利用時間:6:00~23:00。無料。坊っちゃんからくり時計=8:00~22:00(1時間ごと)。交通:伊予鉄道道後温泉駅下車すぐ。松山市観光産業振興課TEL. 089-948-6556

3 地元ガイドが教える松山スイーツ&グルメ 松山はいく「道後グルメコース」

 見どころがたっくさんある松山ですが、ぜったいに外せないのがスイーツ&グルメ。個性豊かな地元のガイドが、テーマに沿ったまちの歩き方を紹介してくれる「松山はいく」の「道後グルメコース」で、松山らしい食べ物めぐりをしちゃおう!
 まずは、坊っちゃん団子。緑(抹茶)・黄(卵)・茶(餡子)の3色が串に並ぶ姿がカワイイ♪ 名前の由来は、小説『坊っちゃん』に登場したからなんだって。松山スイーツといえば、タルト。…といってもサクサクの洋菓子タルトレットではなく、柚子を練りこんだ餡をカステラで「の」のカタチに巻いたお菓子です。南蛮渡来の洋菓子が松山に伝わり、独自に発展したそう。
 海の幸が豊富な愛媛ならではの、新鮮な魚のすり身を使ったかまぼこやちくわも松山の特産品です。特に、すり身を油であげてつくるじゃこてんはカルシウムたっぷりで、お土産にもぴったり。ほかにも、ミカンのジェラードや一子相伝のまんじゅうなど、2時間たっぷり美味しいもの尽くしのコースに大満足!!

松山はいく

道後グルメコース=出発・到着時間:10:30・12:30。集合/解散:道後温泉駅前 からくり時計。料金:2000円。事務局TEL.089-945-6445
♪このほか、松山はいくには「美人はいく」「パワースポットはいく」など、多彩なコースがあります。

4 今治で、穏やかな海と上質コットンに出会う 今治タオル美術館、瀬戸内海の島めぐり、今治城ライトアップ

 予讃線に揺られて40分、美しい島々がおりなす瀬戸内海に面した今治市に到着。日本一のタオル生産地・今治では、世界でも珍しいタオルとアートを融合した美術館へGO! ヨーロッパ風の庭園がある広大なタオル美術館では、コットンをタオルに織り上げる工程を見学したり、全長40mにもなるカラフルなタオルアートを鑑賞したり。フィンランド生まれの『ムーミン』のブロンズ像たちが迎えてくれる、ムーミンガーデンにも癒されます。
 アウトドア派は、自転車を借りてサイクリングするのもいいかも。レンタサイクルの基地「サンライズ糸山」をスタートし、来島海峡大橋を越え大島に渡る大島半周コースは、瀬戸内海の穏やかな景色を満喫できておススメ。日が沈んだら、海水を堀に引きこんだ珍しいお城・今治城が幻想的に照らされるライトアップも必見です。

タオル美術館ICHIHIRO

営業時間:9:30~18:00(11月~3月は9:30~17:30)。無休。ギャラリー棟の入場料:大人800円、中高生600円、小学生400円。交通:JR今治駅からタクシー25分。TEL.0898-56-1515

サンライズ糸山

営業時間:8:00~20:00。レンタル料:大人500円、小学生以下300円。交通:JR今治駅からバス30分の糸山展望台入口下車。TEL.0898-41-3196

レンタサイクル 大島半周コース

大島の海岸線を右回りにのんびり走る約5時間のコース。今治地方観光協会TEL.0898-22-0909

今治城

営業時間:9:00~17:00。ライトアップは日没30分後~23:00。入場料:一般500円、学生250円。交通:JR今治駅からバス7分の今治城前下車。TEL.0898-31-9233

5 「いやし博」開催中! 宇和島でリラックス 宇和島城、遊子水荷浦の段畑、パールエステ&パールランチ

 色鮮やかな珊瑚や熱帯魚、生産量日本一の真珠など、豊かな恵みを育む宇和海。松山からさらに南に1時間25分、「うみ・かわ・もり・ひと・楽園めぐり」をテーマにしたイベント「いやし博」が開かれている宇和島市に着きます。
 「伊達十万石の城下町」と呼ばれた宇和島市の中心地にある宇和島城を見学したら、豊後水道にむかって延びる三浦半島まで足をのばします。遊子水荷浦(ゆすみずがうら)は、急斜面の頂上まで50段以上石積みの段畑(だんばた)が続く景勝地。平均勾配が約40度もあるんだって! 江戸時代から続く青い海と段畑。絶景だけど、石垣を守る作業は大変そう…。
 市街地に戻って、日本一のパール生産地ならではの体験。なんと!パールパウダーを使ったエステ☆ 真珠みたいに白くつるつるのお肌になれるかな。アコヤ貝を使ったパールランチが食べられるイタリアンレストランや、パールアイテムがそろう道の駅など、嬉しいスポットもあります。

えひめ南予いやし博

開催期間:平成24年11月4日まで。愛媛県宇和島圏域観光振興イベント実行委員会事務局TEL.089-912-2494

宇和島城

営業時間:6:00~18:30(10月~3月は~17:00)。天守ライトアップは日没~22:00。天守観覧料:大人200円、小中学生100円。交通:JR宇和島駅から徒歩20分。TEL.0895-22-2832

遊子水荷浦の段畑

交通:JR宇和島駅から車40分/バス1時間。段畑を守ろう会(だんだん屋)TEL.0895-62-0091


温州みかんのほかにも、県内全域で柑橘類が栽培されている


海に面した段畑は果樹栽培にぴったり
(宇和島市で)

県内各地でつくられているさまざまな柑橘類の加工品
「知って得する、美味しい話」  「みかん県」・愛媛 蛇口からポンジュース!? 柑橘類の生産量日本一

 愛媛県は柑橘(かんきつ)類の生産量日本一の「みかん県」。日本人にはなじみが深い“温州みかん”の他にも、デコポンやポンカン、伊予柑、ネーブルなど中晩柑類も数多く栽培し、生産品種数でも日本一なんです!! 愛媛に行ったら、必ず目にするだろう“みかん”について調べてみました。

 年間を通して雨が少ない愛媛では、むかしから米づくりよりも、山間や傾斜地を利用した農作物の栽培が盛んでした。その代表が果樹。特に、江戸の寛政年間に鹿児島から伝わったと言われる温州みかんは、宇和島など県南地域を中心に栽培が奨励されたそう。傾斜地で太陽をいっぱい浴びた温州みかんは、段畑の石垣の反射光も手伝って、あまーく、おいしく育ちます。
 また、早くからハウス栽培にも成功した愛媛の温州みかんは、ほかの地域に先駆けて夏ごろから出荷がスタート。中晩柑類もあわせると、1年中柑橘類が全国に向けて出荷されています。
 そんな柑橘類を、地元では生で食べたり、ジュースやゼリー、ソフトクリームにしたり。ほかにも、小さなみかんをまるごと白あんと一緒に求肥(ぎゅうひ)で包んだ「まるごとみかん大福」や、みかんの花から採取した蜂蜜を混ぜた「神島(みしま)まんじゅう」、松山の伝統的な和菓子「薄墨羊羹」に温州みかんのパウダーをまぜた「薄墨愛媛みかん羊羹」、などのご当地スイーツにもなっています。ちょっと変わったものでは、「みかんたまご」なんていう特産品も。鶏の餌には、温州みかんの果皮を混ぜているそう。
 また、こんなうわさを聞いた人もいるのではないでしょうか?
 「愛媛県の家庭では蛇口からポンジュースが出る」
 「県内の小中学校の給食では、みかんジュースでご飯を炊いた“みかんの炊き込みご飯”が出る」
 両方とも本当だったらびっくりしちゃいますが……。真相を愛媛県農林水産部農産園芸課に聞いてみました。
 「家庭で蛇口からポンジュースが出ることはありませんが、ポンジュースを作っている(株)えひめ飲料さんが、平成19年から松山空港にポンジュースが出る蛇口を設置しています」(果樹係)
 ポンジュースの蛇口は、毎月第3日曜日の時間限定で体験できるそうです。みかんの炊き込みごはんは、確認がとれませんでしたが、生の果実を生地に練りこんだ「みかんパン」を学校に納品していたパン屋さんはあるとか。
 県内各地で、さまざまな柑橘類の加工品に出会えますので、ぜひお試しください。

文=本間朋子 写真協力=愛媛県観光物産協会、松山観光コンベンション協会、宇和島市観光協会
※掲載されているデータは平成24年8月現在のものです。

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