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『フルムーン夫婦グリーンパスで行く弾丸フルムーン~リッチでお得な夫婦旅~』“日本を駆け抜ける弾丸列車、新幹線。ゆったりとしたグリーン車の旅は快適そのもの。「弾丸フルムーン」ならではのリッチでお得な「大人の旅」を思う存分楽しみたい。vol.3 東京発5日間 夫婦で歩く日本。宿場、温泉、坂の町…”

夫婦で歩く日本。宿場、温泉、坂の町…。鉄道の旅は心に残る旅 旅行先JRエリア●JR東海・JR西日本・JR九州 東京発5日間

いつか歩いてみたい道がある。かつての旅人が行き交った木曽路、湯あがりにそぞろ歩く山陰の名湯、幕末の志士・坂本龍馬も歩いた長崎の坂……。東海、中国、九州をめぐる5日間の旅へ。

このプランの魅力 4大ポイント!『1.木曽路では、「馬籠宿」と「妻籠宿」を散策』『2.山陰の名湯「玉造温泉」で味わうカニ料理』『3.坂本龍馬の面影残る長崎を「さるく」』『4.長崎から東京へ、最終日は弾丸旅行!』

トライアングル・ルートで木曽路へ 完全休養日にも“秘策”あり!

 「フルムーン夫婦グリーンパス」(以下「フルムーンパス」)は、新幹線「のぞみ」が利用できないなど一部に制約はあるものの、新幹線を含めグリーン車が乗り放題できる“国内最強のフリーきっぷ”といって間違いない! そう確信している。

 そんな最強フリーきっぷを使っての今回の旅。初日は「木曽路」へ。東京から名古屋へ東海道新幹線で行き、中央本線に乗り換えて宿場を歩き、長野を経由して長野新幹線で東京へ帰る、名付けて「トライアングル・ルート」だ。

 名古屋からは特急「(ワイドビュー)しなの」7号で中津川下車。ここから旧中山道の宿場「馬籠(まごめ)」へ向かう路線バスがある。時刻は確認をお願いしたいが、馬籠から妻籠(つまご)へ、さらに南木曽(なぎそ)駅まで便がある。

 木曽路散策の後は、南木曽から特急「(ワイドビュー)しなの」17号に乗車。途中、上松(あげまつ)の手前、進行方向左手に名勝「寝覚の床(ねざめのとこ))」が見え、松本を過ぎ、姨捨(おばすて)あたりでは右手に「田毎(たごと)の月」で知られる棚田や善光寺平が望める。長野からはすぐに接続の新幹線「あさま」もあるが、冬は新そばの季節。ちょっと時間をとって長野でツルり、そばを味わって帰るのもいいだろう。

 翌日は完全休養日としたが、全行程グリーン車の旅ゆえ、あまり疲れていないかもしれない。そんな時の“秘策”として、私たちはよく“休養日”の午後、仙台へ寿司を食べに行っている。東京から東北新幹線「はやて」で片道約100分。昼過ぎに東京から仙台へ行き、夜7時頃戻るプランでも現地滞在時間が2時間以上も確保できる。グリーン車での往復だからあまり疲れず、翌日のプランにもほとんど差し支えないのでオススメだ。

玉造温泉で冬の味覚「カニ」を食べ 長崎で“龍馬さるく”する2泊3日旅。

 冬といえば“カニ料理”を堪能したい! それも“名湯”で!! 日帰り旅行を交えた「弾丸フルムーン」であれば費用をかなり節約でき、その分豪勢な料理にもあてられる。

 3日目は東海道・山陽新幹線「ひかり」461号で岡山へ行き、途中下車してランチ。当地ではドミグラスソースをかけた「ドミかつ丼」が名物の一つなのだ。腹ごなしに岡山城あたりを歩いたら、特急「やくも」15号で美肌・姫神の湯「玉造温泉」へ。落ち着いたたたずまいを見せる山陰の名湯にのんびり浸かり、お待ちかねの夕食はカニ料理を贅沢に楽しもう。

 4日目は玉造温泉をゆっくり出発し、岡山、博多を通って長崎へ。夜は「ちゃんぽん」や「皿うどん」を食べに中華街へと繰り出そう。食後、“1000万ドル!”ともいわれる夜景を眺めれば、もう夢見心地。闇にきらめく光のシャワーを浴びて心身ともにリフレッシュできるはずだ。

 旅の最終日。鎖国時代から海外との窓口になった長崎を「さるく」(長崎弁で「ぶらぶら歩く」の意)し、一気に東京へと戻るプランだ。オランダ坂を上っては下り、路面電車で賑橋(にぎわいばし)へ。眼鏡橋を渡って寺町から再び坂を上ると、坂本龍馬ゆかりの「亀山社中」に着く。平成21年8月から待望の公開が始まったので、龍馬ファンならずともぜひ立ち寄っておこう。龍馬通りを上りきったところには「龍馬のぶーつ像」が置かれ、彼も見たであろう長崎を一望できる。

 さて、東京へ帰る時間だ。長崎には午後3時頃まで滞在できて驚くが、15時25分発の特急「かもめ」32号で博多へ行き、17時41分発の山陽新幹線「ひかり」576号で新大阪20時27分着。ほぼ乗り換え標準時分の6分で東海道新幹線「ひかり」534号に移り東京へ。1,328kmを弾丸のように駆け抜ける旅も、東京駅着23時26分、フィナーレの時を迎える。

■東京発・フルムーン5日間パス モデルコース

  • ● JR実乗車運賃総額=260,440円(12月の閑散期・平日の場合で算出)
  • ● 総費用=80,500円(フルムーン5日間パス)
  • ● 乗車倍率=3.24倍(JR運賃総額260,440円÷フルムーン5日間パス80,500円)
  • ● JR総乗車距離=3867km
《1日目》木曽路ぶらり旅、トライアングル・ルート(日帰り)
(乗車距離:820.2km 運賃合計:70,980円)※1
駅名 時間 利用列車 旅のひとことアドバイス
東京発 7:33 東海道・山陽新幹線「ひかり」503号 グリーン車利用
名古屋着 9:21   中央本線に乗り換え
名古屋発 10:00 特急「(ワイドビュー)しなの」7号 グリーン車利用
中津川着 10:48   路線バスで馬籠、妻籠をめぐり南木曽駅へ
~ 馬籠宿&妻籠宿ぶらり散歩 ~
南木曽発 16:00 特急「(ワイドビュー)しなの」17号 グリーン車利用。名勝「寝覚の床」や「田毎の月」(姨捨)を車窓に一路、長野へ
長野着 17:52    
長野発 19:30 長野新幹線「あさま」548号 長野で夕食の後、グリーン車で東京へ。
東京着 21:12   翌日は休養日なので、やや遅めのお帰り
《2日目》休養日!! 身体をゆっくり休めましょう(乗車距離●0.0km 通常運賃合計●0円)
《3日目》玉造温泉でカニを堪能&長崎さるくの旅(2泊3日の旅 1日目)
(乗車距離:927.5km 運賃合計:60,360円)※2
駅名 時間 利用列車 旅のひとことアドバイス
東京発 7:03 東海道・山陽新幹線「ひかり」461号 グリーン車利用
岡山着 11:17   岡山でランチタイム
~ 岡山城あたりを、ぶらりと散歩 ~
岡山発 14:05 特急「やくも」15号 グリーン車利用
玉造温泉着 16:46   温泉旅館で湯に浸かり、冬の味覚「カニ料理」を堪能!
《4日目》玉造温泉から長崎へ(2泊3日の旅 2日目)
(乗車距離:790.5km 運賃合計:51,660円)※3
駅名 時間 利用列車 旅のひとことアドバイス
玉造温泉発 9:54 特急「やくも」12号 グリーン車利用
岡山着 12:38   お昼に駅弁はいかが?
岡山発 12:46 山陽新幹線「ひかり」561号
レールスター
サイレンス・カーが静かでおすすめ
博多着 14:39   “白いかもめ”に乗り換え
博多発 15:01 特急「かもめ」29号 グリーン車利用
長崎発 16:55   前日とは気分を変えて、シティホテルに宿泊してみては
~ 長崎では中華街で夕食 ~
《5日目》長崎さるくの後、一路、東京へ帰る弾丸フルムーン(2泊3日の旅 3日目)
(乗車距離:1328.8km 運賃合計:77,440円)※4
駅名 時間 利用列車 旅のひとことアドバイス
~ 坂本龍馬の面影をたどる、長崎さるく ~
長崎発 15:25 特急「かもめ」32号 グリーン車利用
博多着 17:16   北部九州の駅弁といえば「かしわめし」! 夕食にぜひ
博多発 17:41 山陽新幹線「ひかり」576号
レールスター
サイレンス・カーが静かでおすすめ
新大阪着 20:27   東海道・山陽新幹線にサクッと乗り換え
新大阪発 20:33 東海道・山陽新幹線「ひかり」534号 グリーン車利用
東京着 23:26   弾丸フルムーンの充実感とともに東京着!
※1~4=12月の閑散期・平日の場合
“弾丸フルムーン”のすすめ なぜ「弾丸フルムーン」なのか!?

 海外でのスポーツ応援を目的とした弾丸ツアー。長距離のフライトを狭い座席でトンボ返りさせられれば、大概の人にとって旅は過酷なものになるだろう。

 長距離の日帰りもする「弾丸フルムーン」と聞けば、そういったイメージを持たれるかもしれない。しかし、実際は違う。最大の相違点は、「フルムーンパス」ではグリーン車が利用できること。広い座席でゆったりとした気分になれるグリーン車の旅は、トンボ返りでも想像したほど疲れず、むしろ旅の楽しさのほうが大きい印象。しかも、5日間パスであれば1日で元が取れるような旅も可能だ。

 日帰りだと宿泊費も軽減でき、荷物も少なくて済み、まさに「安くて楽しい旅」となる。ただ、いつも日帰りだと単調になってしまうので、「泊まりがけ」と「日帰り」をうまく組み合わせるのが“コツ”。運賃等で得したお金は宿泊費に! 「弾丸フルムーン」でお得な旅を満喫したい。

● 旅人(著者)紹介 相澤秀仁&相澤京子

写真家、パズル作家。日本のすべての都道府県を夫婦で2巡している。“弾丸フルムーン”の旅はこれまでに60日以上、JRの路線も60,000km以上乗車。著書(夫婦の共著)は写真集『猫的旅情』『ねこめぐり』『猫ヶ島』など。また、英語クロスワードパズルを新聞に17年にわたって連載。 ●ホームページ http://www.aizawa22.com


東京駅に勢ぞろいした東海道新幹線。中央の700系は「ひかり」にもよく使用され、乗り心地が良い


木曽路は山の中、妻籠宿も山の中にある。ふらりと散策すれば、かつての中山道の旅人気分


長野といえば「そばどころ」。新そばの季節にはシンプルな「もりそば」で喉越しと香りを味わってみたい


全国各地に「かつ丼」はあるとはいえ、岡山ではドミグラスソースをかけた「ドミかつ丼」が有名


散歩がてら歩いてみたい岡山城。黒っぽい外観から別名・烏城(うじょう)とも呼ばれている


勾玉橋から見た玉造の温泉街。玉造温泉は玉湯川に沿った落ち着いたたたずまいの歴史ある温泉地だ


大鍋でいただく「カニすき」。カニならではの旨味で身も心もぽかぽか気分になってくる


中国との交易の歴史も深い長崎。新地には中華街があり、多くの中華料理店がその味を競っている


長崎中華街の名物、ボリュームたっぷりの「ちゃんぽん」。ぜひ味わいたい


息を呑むほどに美しい長崎の夜景。「1000万ドルの夜景」ともいわれ、宝石を散りばめたよう


坂本龍馬も足跡を残した長崎。龍馬通りを上りきったところには「龍馬のぶーつ像」があり、長崎の町を一望できる


長崎と博多を結ぶ特急「かもめ」。独特の丸みを帯びた「白いかもめ」が長崎駅で出発を待つ

旅のMEMO
観光の問合せ
馬籠/馬籠観光協会●TEL.0573-69-2336
妻籠/妻籠観光協会●TEL.0264-57-3123
岡山/おかやま観光コンベンション協会●TEL.086-227-0015
玉造温泉/松江観光協会玉造温泉支部●TEL.0852-62-3300
長崎/長崎国際観光コンベンション協会●TEL.095-823-7423

文・撮影:相澤秀仁&京子 TOP写真:マシマ・レイルウェイ・ピクチャーズ(中央本線薮原~奈良井間)
※掲載されているデータは平成21年12月現在のものです。

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