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『フルムーン夫婦グリーンパスで行く新幹線の旅 春爛漫、お花見フルムーン~山陽・九州新幹線「さくら」に乗って桜旅~』
フルムーン夫婦グリーンパス(以下、フルムーンパス)は夫婦の合計年齢が88歳以上で利用でき、JR全線が乗り放題、一部例外はあるものの、N700系「さくら」など新幹線を含めグリーン車に何度でも乗車できる。旅には、日本を元気にする力がきっとある。

  • 1日目 小倉城で花見、そして、博多へ
  • 2日目 鹿児島でランチを食べ、岩国へ
  • 3日目 潮風そよぐ尾道、鞆の浦へ
  • 4日目 雅な輝き 桜の京都へ
  • 5日目 金沢で花見をして帰京

1日目 山陽・九州新幹線「さくら」で行く お花見満喫、小倉城と、博多の夜 東海道新幹線[東京⇒新大阪]/山陽・九州新幹線[新大阪⇒博多]

  • 2011年3月12日誕生の山陽・九州新幹線「さくら」。N700系を使用し、グリーン席もある

  • 小倉駅在来線ホームの「かしわうどん」。柔らかいうどん+かしわ(鶏肉)は北部九州の味

  • 咲き誇る桜越しに見る小倉城天守閣。福岡県でも人気のお花見スポットとして知られている

  • 中洲や天神あたり、博多の繁華街で夜を彩る名物屋台。ちょっと立ち寄ってみたくなる

  • 博多といえば「もつ鍋」もおすすめ。ピリ辛風味のニラとキャベツと「もつ」が相性抜群!

  • 大きく生まれ変わった博多駅の博多口。駅ビル「JR博多シティ」がオープンし大賑わい

 日本の春に咲く桜。桜はただ美しいのみならず、人々を癒し、そして、前を向いて生きる勇気を与えてくれる。夫婦の絆を確かめ、桜を愛でるお花見フルムーン。行く先々でおいしいものを食べ、宿に泊まり、おみやげを購入。ささやかながらも各地の一助となる旅は、めぐりめぐって日本を元気にしていく。

 東京駅8時33分発東海道新幹線「ひかり505号」グリーン車に乗車。ダイヤ改正ごとに700系を使用する「ひかり」が増え、300系に比べて乗り心地も向上、旅は快適に始まる。

 新大阪からは誕生して間もない山陽・九州新幹線「さくら」に乗って、最初のお花見スポット、北九州、小倉へ向かう。「さくら」はお花見フルムーンにぴったりの名を持つ列車だ。

 小倉ではまずは在来線ホームの名物「かしわうどん」を食べておきたい。柔らかいうどんにかしわ(鶏肉)をのせた北部九州らしい味。立ち食いだが、これを食べてこそ九州に来た実感がわく。お花見スポットの小倉城は駅から歩いて15分ほど、早咲きの年を別にすれば桜は4月中旬頃まで楽しめる。

 小倉から再び「さくら」に乗って博多へ。九州新幹線全線開業に合わせ、駅ビル・JR博多シティのオープン等々、博多駅はぐっと便利になった。駅ともども元気な街、博多。ここではニラやキャベツがたっぷりの「もつ鍋」で元気をチャージ。さらに、中洲、天神あたりに連なる名物屋台へ出かけてみるのも博多の夜らしい。

1日目●乗車距離:1174.9km 運賃合計2人分(通常):8万1620円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
東京~新大阪:@1万8390円(乗8510円 特グ9880円) 乗車距離552.6km
新大阪~小倉:@1万8390円(乗8510円 特グ9880円) 乗車距離555.1km
小倉~博多:@4030円(乗1110円 特グ2920円) 乗車距離67.2km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるkm数
※乗:乗車券 特グ:特急、グリーン料金

モデルコース

小倉城で花見、そして、博多へ
<4泊5日コース 1日目>(博多泊)
1日目 駅名 時間 メモ
東京 発 8:33 東海道新幹線【ひかり505号】グリーン車(700系)
新大阪 着 11:30 乗り換え
新大阪 発 11:59 山陽・九州新幹線【さくら553号】グリーン車(N700系)
小倉 着 14:21 小倉城でお花見を
小倉 発 17:22 山陽・九州新幹線【さくら565号】グリーン車(N700系)
博多 着 17:39 名物「もつ鍋」などの夕食

旅のメモ

観光の問合せ
■小倉:北九州市観光協会 TEL.093-541-4151
■博多:福岡市観光案内所(博多駅) TEL.092-431-3003

失敗しないお花見フルムーン COLUMN 1 時期にあわせて“王道コース”の桜旅

 例年、3月下旬頃、九州南部や四国南部からスタートする桜前線。やがて、西日本、関東、東北と北上し、5月には津軽海峡を越えて北海道へ上陸する。フルムーンパスは3月21日~4月5日と4月27日~5月6日は利用できないが、言い換えれば桜の季節、4月6日~4月26日、そして、5月7日からは利用でき、この利用可能期間で桜を十分に楽しむことができる。

 桜前線の動きは年によって微妙に異なるものの、一般的に、4月上旬から中旬にかけては西の桜をメインとし、4月中旬から下旬にかけては北の桜もコースに含めるのが“王道”だろう。5月上旬には北海道の桜も咲き始めるので、松前や函館、札幌方面の桜を観に行くのも“王道”。また、旅の初日に遠出して、車窓から沿線の開花状況をチェックするのも一手だと思う。

山陽・九州新幹線「さくら」に乗って「お花見フルムーン」。桜前線を追いかけてみよう

2日目 博多から鹿児島を経由して岩国へ 錦川のせせらぎ、春爛漫の錦帯橋 九州新幹線[博多⇒鹿児島中央]/山陽・九州新幹線[鹿児島中央⇒新岩国]

  • 博多駅に入線したN700系「さくら」。鹿児島中央まで約1時間半、南九州がより近くなった

  • 鹿児島は南九州きってのラーメン処。博多ラーメンよりもすっきりとした味は南国らしい

  • 錦江湾にそびえる桜島は鹿児島を象徴する風景。雄姿に見入っていると唐突に噴火した

  • 岩国のシンボル、名勝・錦帯橋。日本三名橋にも数えられ、桜の季節は美しさひとしお

  • 錦帯橋は錦川にかかる木造5連のアーチ橋。川沿いの道は桜並木になっておりぜひ散策を

  • 岩国の郷土寿司「岩国寿司」。黄色に緑、色鮮やかな押し寿司は春爛漫といったところ

 錦帯橋(きんたいきょう)で知られる岩国へ行く旅の2日目。ただ真っすぐ向かうのはなんとなくつまらない。九州新幹線が全線開業した今、せっかくだから鹿児島まで行ってみるのはどうだろう。新幹線以前の時代、博多から在来線特急で5時間以上かかっていた遠い鹿児島も、新幹線なら1時間半ほどの近さになった。鹿児島でゆっくりお昼ごはんを食べても余裕で岩国へ行ける。

 博多9時36分発、N700系「さくら409号」で鹿児島中央11時4分着。錦江湾に桜島そびえるここ鹿児島もおいしいものがいっぱい。名産の黒豚料理もあれば、きびなご、さつま揚げ、そして、南国らしい味わいの鹿児島ラーメンもおすすめだ。

 鹿児島中央13時34分発「さくら568号」に乗車。新山口で「こだま」に乗り換えて新岩国到着後、路線バスで錦帯橋へ。錦川にかかる錦帯橋は木造5連の美しいアーチ橋。隣接する吉香(きっこう)公園とともに有数のお花見スポットとして知られ、「日本さくら名所100選」にも選ばれている。咲き誇る桜越しに眺める錦帯橋の美しさに見惚れ、川沿いの桜並木をそぞろ歩き。

 歴史ある岩国では郷土寿司、岩国寿司をぜひ食べたい。かつて城内で食べられたという押し寿司は、黄色や緑など春爛漫の彩りが目にも鮮やか。レンコンなど野菜たっぷりの汁物、大平(おおひら)とあわせ舌鼓を打つ。

 桜色した春の岩国。錦帯橋周辺には温泉を備えた宿もある。錦川のせせらぎを耳に、夜は更けていく。

2日目●乗車距離:817.1km 運賃合計2人分(通常):7万2200円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
博多~鹿児島中央:@1万2660円(乗5360円 特グ7300円) 乗車距離288.9km
鹿児島中央~新山口:@1万9630円(乗7250円 特グ1万2380円) 乗車距離436.8km
新山口~新岩国:@3810円(乗1620円 特指2190円) 乗車距離91.4km
※通常期の場合  ※距離は運賃計算に用いるkm数
※乗:乗車券 特グ:特急、グリーン料金

モデルコース

鹿児島でランチを食べ、岩国へ
<4泊5日コース 2日目>(岩国泊)
2日目 発着駅 時間 メモ
博多 発 9:36 九州新幹線【さくら409号】グリーン車(N700系)
鹿児島中央 着 11:04 鹿児島でランチタイム
鹿児島中央 発 13:34 山陽・九州新幹線【さくら568号】グリーン車(N700系)
新山口 着 15:41 乗り換え
新山口 発 15:57 山陽新幹線【こだま750号】指定席(500系)
新岩国 着 16:32 錦帯橋あたりでお花見を

旅のメモ

観光の問合せ
■鹿児島:鹿児島中央駅総合観光案内所 TEL.099-253-2500
■岩国:岩国市観光協会 TEL.0827-41-2037

失敗しないお花見フルムーン COLUMN 2 つぼみも散り桜も、桜の魅力いろいろ

 「花の命は短くて……」の言葉通り、咲く時はパッと咲いてパッと散ってしまう桜。だからこそ桜は人々を引き付けるのだろう。『徒然草』の吉田兼好ではないが、つぼみにはつぼみなりの、一分咲きには一分咲きの、散り始めには散り始めの、葉桜にさえ趣がある桜。夫婦二人合わせて88年以上も生きてきたフルムーン世代であれば、青春時代さながらの満開桜のみならず、さまざまな桜に親しみを持たれるのではと思う。

 それはさて、開花状況の対象は標本木。大部分がソメイヨシノだが、いくら同じ地域のソメイヨシノでも、それぞれの咲き方は必ずしも標本木とは一致しない。早めに咲くものもあれば、遅めに咲くものもある。枝垂れ桜や八重桜など、別種の桜も多くあり、実際のお花見期間は意外と長い。人生も桜も楽しみ方しだいだ。

待ちに待った桜の季節。つぼみにはつぼみの、満開には満開の、葉桜には葉桜の魅力がある

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