『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

『フルムーン夫婦グリーンパスで行く新幹線の旅 “イカ”にも多幸!幸運招きフルムーン~イカ食べて、タコ食べて、元気いっぱいの旅~』
フルムーン夫婦グリーンパス(以下、フルムーンパス)は夫婦の合計年齢が88歳以上で利用でき、JR全線が乗り放題、一部例外はあるものの、N700系「さくら」など新幹線を含めグリーン車に何度でも乗車できる。フルムーンパスでグリーン車に乗って、日本列島をリッチでおトクに旅しよう。幸多き旅には、日本を元気にする力がきっとある。

  • 1日目 明石焼きを食べ岡山は下津井へ
  • 2日目 新幹線「さくら」でイカの呼子へ
  • 3日目 唐津、高島へ渡り宝当神社を参拝
  • 4日目 群馬の名湯にてリフレッシュ!
  • 5日目 名物カツ丼を食べ栃木経由で帰京

1日目 明石で明石焼きを味わい下津井へ 快適な新幹線で始まる“多幸”な旅 東海道・山陽新幹線[東京⇒岡山]/山陽本線[西明石⇔明石]/瀬戸大橋線[岡山⇒児島]

  • 東京駅を出発した700系「ひかり」。望遠レンズで眺めると、なんとなくイカに似ている?

  • タコで有名な明石。「明石焼き」(タコ焼き)は玉子焼きともいい、ダシにつけて味わう

  • 名物のタコをあつかう店が多い明石、魚の棚商店街。食べ歩きも楽しくて気分も元気に

  • 岡山からは快速マリンライナーで児島へ。先頭車2階のグリーン席は眺めが抜群にいい

  • タコ漁盛んな瀬戸内、下津井漁港。宇宙人の干物のようにタコを干す風景も漁港ならでは

  • 下津井の宿の夕食。メインのタコしゃぶは美味で、なんとタコを追加していただきました

 日本人になじみ深いイカやタコ。イカを開いて干したスルメは「寿留女」とも書く縁起物で、一方のタコも「多幸」の字をあてたりする。どちらもなかなか縁起が良さそうだ。各地で名を馳せるイカやタコを味わう旅も、日本全国、新幹線を含めグリーン車に乗り放題できるフルムーンパスなら、楽ちんで快適、ほとんど疲れ知らずにできる。

 東京駅8時3分発、岡山行き「ひかり463号」に乗車。700系のグリーン車は何度乗っても心地いい。シートに身体を横たえながら車窓を飾る富士山を眺めるのは、なんともいえない贅沢な気分。

 西明石駅で新幹線を下車し、在来線で一駅乗れば明石に着く。明石といえばタコ。地元では玉子焼きという明石焼き(タコ焼き)をぜひ味わってみたい。食後は市内きっての商店街、魚の棚(うおんたな)をぶらり散歩。目と鼻の先、明石海峡で獲れたタコやタイなど、海の幸がいっぱいに並べられている。

 明石のタコに続き、新幹線とマリンライナーを乗り継ぎ、岡山は下津井へ。瀬戸大橋のたもと、下津井もタコで知られている。漁港で干されるタコはまるで宇宙人の干物のよう。モデルプランでは下津井漁港でバスを下車するとしたが、それぞれ宿泊する宿に最寄りのバス停のご利用を。

 さて、多幸な旅、初日の夕食。下津井の宿でタコ料理に舌鼓を打つ。刺身やタコしゃぶのおいしさは言葉にならないほど。気が付けばタコしゃぶを追加して平らげてしまった。

1日目●JR乗車距離:767.5km JR運賃合計2人分(通常):5万9860円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
東京~西明石:@2万1090円(乗9350円 特グ1万1740円) 乗車距離612.3km
西明石~明石:@160円(乗160円) 乗車距離3.4km
明石~西明石:@160円(乗160円) 乗車距離3.4km
西明石~岡山:@7290円(乗2210円 特グ5080円) 乗車距離120.6km
岡山~児島:@1230円(乗480円 グ750円) 乗車距離27.8km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるkm数
※乗:乗車券 特グ:特急、グリーン料金
※路線バス分は含みません

モデルコース

明石で明石焼きを食べ、下津井へ
<2泊3日コース 1日目>(下津井泊)
1日目 駅名 時間 メモ
東京 発 8:03 東海道・山陽新幹線【ひかり463号】グリーン車(700系)
西明石 着 11:28 在来線に乗り換え
西明石 発 11:39 山陽本線普通電車
明石 着 11:42 明石焼きを食べ、魚の棚商店街へ
明石 発 13:11 山陽本線快速電車
西明石 着 13:15 新幹線に乗り換え
西明石 発 13:32 山陽新幹線【ひかり467号】グリーン車(700系)
岡山 着 14:17 在来線に乗り換え
岡山 発 14:42 快速【マリンライナー39号】グリーン車
児島 着 15:04 バスに乗り換えて下津井へ
JR児島駅 発 15:30 路線バス250円
下津井漁港前 着 15:48 下津井の宿でタコ料理等の夕食を

旅のメモ

観光の問合せ
■明石:明石観光協会 TEL.078-918-5080
■下津井(倉敷市):児島駅観光案内所 TEL.086-472-1289

COLUMN 1 イカ&タコ、どんな栄養があるの?

 日本で好まれているイカとタコ。なんと日本はイカもタコも世界一の消費国だとか。イカについては、世界の漁獲量の約半分、タコについては、国によっては食用にしないところもあるなか、世界全体の6割ほどを消費しているという。日本はまさに「イカタコ大国」だが、そのイカとタコ、おいしいおいしいと食べている割には栄養面にうとかったりもする。あらためてチェックしてみると、低カロリーで高タンパクに加え、最近では「タウリンが豊富」という点が着目されている。タウリンには身体や細胞を正常状態に保つ働きがあり、血圧の上昇を抑えたり、コレステロールを低下させたりする働きもあるようだ。

 ただおいしいだけではないイカやタコ。栄養面での効果はまだまだあり、適度に食べれば健康維持に大いに役立つ。まずはイカ&タコに感謝!

明石、魚の棚商店街で見かけたタコ。イカといいタコといいタウリンを豊富に含んでいる

2日目 新幹線「さくら」グリーン車に乗りイカと朝市で有名な佐賀県呼子へ 瀬戸大橋線[児島⇒岡山]/山陽新幹線[岡山⇒博多]

  • フルムーンパスで利用できるN700系「さくら」グリーン席。大人の旅にふさわしい雰囲気

  • 博多駅に到着した山陽・九州新幹線「さくら」。N700系は流れるような横顔をしている

  • イカで名高い佐賀県呼子。ぐるぐる回る“回転式イカ干し機”も呼子名物の一つだろう

  • 呼子の港で見られるイカを干す風景。心地よい海風に吹かれ、イカは風味を増していく

  • 呼子のイカのお造り。コリコリとした食感のイカはどことなくN700系先頭部に似ている

  • 呼子発祥という「いかしゅうまい」をいただく。もっちりとした味わいがたまらなく旨い

 旅の2日目は、タコから一転、とびきり新鮮なイカを目指し、新幹線「さくら」に乗って佐賀県北部の港町、呼子へ。

 下津井からのバスを児島駅南で下車し、歩いてすぐの駅で特急「南風8号」に乗車。岡山では山陽・九州新幹線「さくら551号」が待っている。N700系「さくら」のグリーン車は落ち着いた雰囲気で大人の旅にふさわしく、車窓を眺め駅弁などをつまみ、博多まで快適に過ごしていける。

 博多から呼子へは以前なら直通の高速バスがあったが今春廃止になってしまった。今は呼子の手前、唐津大手口までは高速バス、そこで路線バスに乗り換えて向かう行き方も。

 玄界灘に面し、港を取り囲むように町が広がっている呼子。日本は世界で最もイカを食べる国だそうだが、春から秋にかけては当地でヤリイカと呼ぶケンサキイカ、また秋から冬にかけてはミズイカ(アオリイカ)など、呼子では一年を通して新鮮なイカをさまざまな調理法でいただける。

 呼子で真っ先に食べたいのは生き造りなどのお刺身だが、呼子発祥という「いかしゅうまい」もイカ独特のもっちりとした食感が後を引くおいしさ。そして、お造りのゲソやエンペラの部分を天ぷらにしてもらったものも美味。揚げることで一段と香ばしくなってビールとの相性も抜群。呼子では本当にイカを余すところなく味わえる。

 タコに続いてイカを食べ、“イカ”にも多幸な旅の夜が更けていく。

2日目●JR乗車距離:469.8 km JR運賃合計2人分(通常):3万6840円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
児島~岡山:@1720円(乗480円 特指1240円) 乗車距離27.8 km
岡山~博多:@1万6700円(乗7140円 特グ9560円) 乗車距離442 km
※通常期の場合  ※距離は運賃計算に用いるkm数
※乗:乗車券 特グ:特急、グリーン料金
※路線バス分は含みません

モデルコース

イカで知られる佐賀県呼子へ 
<2泊3日コース 2日目>(呼子泊)
2日目 発着駅 時間 メモ
下津井漁港前 発 10:48 路線バス250円
JR児島駅南 着 11:08 JRに乗り換え
児島 発 11:20 特急【南風8号】普通車指定席
岡山 着 11:40 新幹線に乗り換え
岡山 発 11:51 山陽・九州新幹線【さくら551号】グリーン車
博多 着 13:39 博多駅隣接の博多BT(バスターミナル)へ
博多BT 発 14:13 高速バス「からつ号」1000円
唐津大手口 着 15:44 路線バスに乗り換え
唐津大手口 発 16:05 路線バス730円
呼子 着 16:35 イカ料理の夕食を

旅のメモ

観光の問合せ
■呼子(唐津市):唐津観光協会 TEL.0955-74-3355

COLUMN 2 イカ&タコ、食べ方もいろいろ

 遠く弥生時代の遺跡からタコ壷も出土している日本。イカやタコは古くからなじみ深く、それだけに様々な食べ方で好まれてきた。

 イカであれば、イカそうめん、イカ焼き、イカめし、塩辛、天ぷら、スルメ、などなど、タコであれば、丸ゆで、しゃぶしゃぶ、タコめし、タコ焼き、塩辛、天ぷら、などなど。また、刺身の盛り合わせや寿司、あるいは、おでんでは、イカとタコの“競演”もよくみかける。

 各地の味覚としても根付いているイカとタコ。北海道函館で食べるイカそうめんの喉越し、佐賀県呼子で食べる刺身も格別。愛知県知多半島沖の日間賀島や篠島で食べるタコの丸ゆで、兵庫県明石の明石焼き、瀬戸内のタコめしも旨い。イカにしてもタコにしても、その土地土地の食べ方で味わうのが最高においしいと思う。

イカもタコも食べ方はいろいろ。厚切りのお刺身「たこぶつ」はぷりぷりした歯ごたえ

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