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フルムーン夫婦グリーンパスで行く新幹線の旅|懐メロ“青春”フルムーン|~高知、長崎、京都、函館。思い出の名曲と旅する日本~

  • 1日目|瀬戸大橋を渡り高知への歌紀行
  • 2日目|南国、高知から歌と共に長崎へ
  • 3日目|長崎を半日観光 そして、京都へ
  • 4日目|京都で秋を満喫 上野から北斗星
  • 5日目|函館を名曲散歩 歌を心に東京へ

3日目|あの歌この歌、長崎を半日観光し秋、紅葉が錦に輝く古都、京都へ|長崎本線[長崎⇒新鳥栖]/九州・山陽新幹線[新鳥栖⇒新大阪]/東海道新幹線[新大阪⇒京都]

  • 行こうか戻ろうか思案したという長崎の思案橋(欄干の一部)。市内電車の停留所もある

  • 柳が揺れる中島川の川端を歩き、2連のアーチが美しい眼鏡橋へ。川面に眼鏡が映っていた

  • 長崎のシンボルの一つ、浦上天主堂。ここの鐘楼は「アンジェラスの鐘」と呼ばれている

  • 新鳥栖駅でも名物駅弁「かしわめし」が購入できる。北部九州は「かしわめし」がうまい!

  • 新大阪に到着した「さくら」。新鳥栖から新大阪まで「さくら558号」なら2時間50分の速さ

  • 季節が進むにつれて暖かい食べものが恋しくなる。京都では「寄せ鍋」も食べてみたい

 オランダなどとの交易で栄えた長崎。その残り香は今もエキゾチックに漂い、そして、時に妖しく人々の心に迫ってくる。だからこそ長崎をテーマにした様々なジャンルの歌が生まれたのだろう。

 名曲『長崎の鐘』(藤山一郎)をはじめ、『思案橋ブルース』(中井昭・高橋勝とコロラティーノ)等々もあり、また、『精霊流し』で知られるあの人、さだまさしも長崎市の生まれ。秋といえば、コスモスの季節。『いい日旅立ち』の山口百恵が歌う曲に、彼が作詞作曲を手がけた『秋桜 (コスモス)』もあり、長崎を「さるく」(散策)する時にぜひ口ずさんでみたい。

 「さるく」する長崎、大浦天主堂(国宝)やグラバー園がある南山手から歩き始め、途中、オランダ坂や新地の中華街、丸山あたりをぶらぶら。思案橋界隈の雑踏を抜け、眼鏡橋など中島川に架かる石橋群を渡り、諏訪神社方面へ行ってみるのもおすすめ。10月ともなれば、7~9日の3日間、諏訪神社の祭礼「長崎くんち」が開かれる。他方、大浦天主堂から、殉教の地、西坂を通り、アンジェラスの鐘が鳴る浦上天主堂方向へ出かけてみるのも一案。

 モデルプランでは、旅の3日目、長崎を昼過ぎの列車で発ち、京都には夕方着としたが、列車の本数もあり、ご夫婦のお好みで発着時間をアレンジしてほしい。

 紅葉が色づけば、錦をまとったように輝きを増す京都。夜、ライトアップされた紅葉にも古都の風情が感じられる。

3日目●乗車距離:812.3km 運賃合計2人分:62,180 円
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
長崎~新鳥栖:@ 5,150円(乗2,420円 特グ2,730円) 乗車距離122.4km
新鳥栖~新大阪:@ 22,480円(乗9,620円 特グ12,860円) 乗車距離650.9km
新大阪~京都:@ 3,460円(乗540円 特グ2,920円) 乗車距離39.0km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

東京発5日間・後編【旅の3日目】
3

発着駅 時間 メモ
長崎から京都へ(京都泊)
~ N700系、700系に乗車 ~
長崎 発 12:20 特急【かもめ22号】グリーン車
新鳥栖 着 13:47 乗り換え
新鳥栖 発 13:54 九州・山陽新幹線【さくら558号】グリーン車(N700系)
新大阪 着 16:44 乗り換え
新大阪 発 16:53 東海道新幹線【こだま674号】グリーン車(700系)
京都 着 17:07 この日は京都泊

旅のメモ

観光の問合せ
■長崎:長崎市総合観光案内所(長崎駅構内) TEL. 095-823-3631
■京都:京都総合観光案内所(京都駅ビル2階) TEL. 075-343-0548

フルムーン“懐メロ”コラム 3 歌謡曲

 それまでは「流行(はやり)歌」と呼ばれていたらしい大衆的な歌曲。流行るか流行らないかわからない曲を「流行歌」というのはどうかとなって、昭和の初期頃、「歌謡曲」の呼び名に。以来、ムード歌謡など、このジャンルの楽曲はすそ野を広げていき、うれしい時も悲しい時も、いつも人々の心に寄り添うように定着。最も身近で親しみのある音楽となった。
 旅や鉄道も歌謡曲のテーマになじみ、ご当地ソングも登場。これらは一例をあげれば、『遠くへ行きたい』(ジェリー藤尾)が旅心を刺激し、『終着駅』(奥村チヨ)、『小樽のひとよ』(鶴岡雅義と東京ロマンチカ)、『ふりむかないで』(ハニー・ナイツ)、『ブルー・ライト・ヨコハマ』(いしだあゆみ)等々、本当に多種多様。それぞれの人にとって思い出深い名曲が数多くあると思う。

夜景きらめく横浜も数々の歌のモチーフになった。海といい高層ビルといい横浜は絵になる

4日目|深まりゆく秋とともに旅する京都
夕刻、「北斗星」が待つ上野駅へ|東海道新幹線[京都⇒東京]/東北新幹線[東京⇒上野]/寝台特急「北斗星」[上野⇒函館]

  • 京都が最も色鮮やかに輝く季節、秋。あちらこちらの社寺をめぐり、紅葉狩りを楽しもう

  • 南禅寺界隈で出会った紅葉。黄色から赤へのグラデーションがまるで錦のように美しい

  • 東京に戻る700系「ひかり」グリーン車。上野へは東北新幹線で行くと乗り換えが楽と思う

  • 上野駅13番線の寝台特急「北斗星」。この夏から13番線の発車メロディは『あゝ上野駅』に

  • 「北斗星」の2人用B寝台個室デュエット(下段)。下段はフラットな個室で出入りしやすい

  • 食堂車がある「北斗星」。予約不要のパブタイムに出かけ、パスタやハンバーグを味わおう

 千年の古都、京都。平安時代から脈々と受け継がれてきた文化、伝統。特に秋ともなれば木々が色づき始め、やがて紅葉が古都をあでやかに染めていく。

 毎年、この時期になるとJR東海の「そうだ 京都、行こう。」 キャンペーンが気になる方もいらっしゃると思う。今秋のキャンペーン寺院は「南禅寺 天授庵」。南禅寺の塔頭(たっちゅう)であり、こちらの紅葉もそれは見事。周辺にも紅葉スポットが集まり、旅の4日目は、シーズンにあわせ、紅葉狩りをしてみたい。

 大原に嵐山、東山に高瀬川。京都は旅人の心の琴線に触れる都。それゆえ数多くの歌に描かれている。懐かしいザ・ベンチャーズの作曲による『京都の恋』(渚ゆう子)や『京都慕情』(同)、また、『京のにわか雨』(小柳ルミ子)に、京都の地名がたくさん登場する『女ひとり』(デューク・エイセス)などなど。歌と共に歩く京都もきっと素敵だ。

 東海道新幹線で東京に戻り、いよいよ上野からは北への旅が始まる。上野駅はこの夏、開業130周年を迎え、寝台特急「北斗星」などが使用する13番線の発車メロディが『あゝ上野駅』(井沢八郎)に変わった。この曲は高度成長期の1964年(昭和39年)に発表された“応援歌”。ちなみにこの年、東海道新幹線が開業し、東京オリンピックがあった。開催が決まった2020年の東京オリンピックも待ち遠しいかぎり。

 寝台特急「北斗星」は一路、北へ。『花嫁』(はしだのりひことクライマックス)が描く夜汽車で嫁ぐシーンを思いつつ、食堂車でパブタイムを楽しもう。

4日目●乗車距離:1413.4km 運賃合計2人分:87,000 円
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
京都~東京:@ 17,860円(乗7,980円 特グ9,880円) 乗車距離513.6km
東京~上野:@ 990円(乗150円 特自840円) 乗車距離3.6km
上野~函館:@ 24,650円(乗15,410円 特寝9,240円) 乗車距離896.2km ※1
※1 青い森鉄道(距離121.9km、運賃等@3,770円)、IGRいわて銀河鉄道(距離82km、運賃等@2,790円)分を含む
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

東京発5日間・後編【旅の4日目】
4

発着駅 時間 メモ
京都を観光し、上野から「北斗星」で函館へ(車中泊)
~ 700系、E5系に乗車 ~
京都 発 15:29 東海道新幹線【ひかり526号】グリーン車(700系)
東京 着 18:10 乗り換え
東京 発 18:20 東北新幹線【やまびこ217号】普通車自由席(E5系)
上野 着 18:25 乗り換え
上野 発 19:03 寝台特急【北斗星】2人用B寝台個室デュエット
函館 着 6:35 函館を観光

旅のメモ

観光の問合せ
■京都:京都総合観光案内所(京都駅ビル2階) TEL. 075-343-0548

フルムーン“懐メロ”コラム 4 演歌

 歌謡曲から派生したジャンルの一つとされる演歌。日本人特有の情念や心の葛藤をドラマチックに歌った曲が目立つ。それだけに演歌は人によって好き嫌いがはっきり分かれるかもしれない。
 記憶では、昭和40年代から50年代にかけて絶頂期を迎えた演歌。代表曲をたどれば、『涙の連絡船』(都はるみ)、『函館の女』(北島三郎)、『柳ヶ瀬ブルース』(美川憲一)、『伊勢佐木町ブルース』(青江三奈)、『新宿の女』(藤圭子)などが昭和40年代のヒット曲。また、『舟唄』(八代亜紀)、『雨の慕情』(同)、『津軽海峡・冬景色』(石川さゆり)、『能登半島』(同)、『北国の春』(千昌夫)、『ふたり酒』(川中美幸)、『奥飛騨慕情』(竜鉄也)などが同50年代のヒット曲。こうやって並べてみると、演歌にはすごい曲が多い。

津軽海峡へ向かう船上、函館山が見えた。この海峡は、やはり演歌がよく似合う

5日目|演歌を口ずさみながら函館を歩き
津軽海峡を眺め東北新幹線で帰京|函館本線・江差線・津軽海峡線・津軽線・奥羽本線[函館⇒新青森]/東北新幹線[新青森⇒東京]

  • 函館らしい坂道、八幡坂。海には旧青函連絡船が見え、坂の上には北島三郎の母校がある

  • 海に突き出た岬が立待岬。ここをモチーフにした『立待岬』を熱唱したのは森昌子だった

  • 10月頃、函館のカエデも赤く色づく。京都の雅な紅葉も素晴らしいが、北国のカエデもいい

  • 函館市の戸井は、対岸の青森県大間と並ぶ本マグロの産地。写真はその戸井産、本マグロ丼

  • 函館港に浮かぶ旧青函連絡船「摩周丸」。津軽海峡を越え、青森と函館を3時間50分で結んだ

  • E5系「はやぶさ」グリーン車の快適なシート。座り心地も抜群、もっと乗っていたい気分に

 北への憧れがそうさせるのか、恋の情念が熱く燃える歌にしばしば登場する北国。なかでもかつて青函連絡船で津軽海峡を越えて行った函館が“歌心”を無性にかきたてる。旅の最終日、函館の街や津軽海峡にさかまく演歌旅情を味わい東京へ帰ろう。

 当地、函館のヒット曲『函館の女』(北島三郎)は、フルムーン世代の大半の方がまだ歌詞をご存じと思う。この曲は東京オリンピックの翌年、1965年(昭和40年)に誕生。同じ年、若大将こと加山雄三の『君といつまでも』もヒットした。国鉄の時代、俳優の上原謙と高峰三枝子によるフルムーンパスのポスターが話題になったが、その上原謙は加山雄三の父親だ。

 函館では函館山の麓、八幡坂を歩いてみよう。坂の下、港にはメモリアルシップとなった旧青函連絡船「摩周丸」が浮かび、まさに夫婦でいつまでも見ていたい風景。しかも、坂の上には北島三郎も通った学校がある。彼も毎日のようにこの風景を眺めたに違いない。

 歌になる函館。津軽海峡に突き出た岬を描く『立待岬』は、山口百恵と同世代の森昌子が熱唱し、津軽海峡といえば、やはりあの歌、石川さゆりの『津軽海峡・冬景色』。青函トンネルの時代も、特急「スーパー白鳥」の車窓には、江差線区間で海峡が広がっている。

 歌は世につれ世は歌につれ。懐かしい名曲の数々が気持ちまで若返らせてくれる。そういえば、夜汽車で嫁いだあの『花嫁』も、今頃はきっとフルムーン旅行を楽しんでいるのだろう。

5日目●乗車距離:878km 運賃合計2人分:57,720 円
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
函館~新青森:@ 7,500円(乗3,150円 特グ4,350円) 乗車距離164.3km
新青森~東京:@ 21,360円(乗9,870円 特グ11,490円) 乗車距離713.7km ※「はやぶさ」の運賃
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

東京発5日間・後編【旅の5日目】

5

発着駅 時間 メモ
函館を観光し、帰京
~ E5系に乗車 ~
函館 発 15:55 特急【スーパー白鳥40号】グリーン車
新青森 着 17:56 乗り換え
新青森 発 18:24 東北新幹線【はやぶさ18号】グリーン車(E5系)
東京 着 21:23 旅の終わり

旅のメモ

観光の問合せ
■函館:函館市観光案内所(函館駅内) TEL. 0138-23-5440

フルムーン“懐メロ”コラム 5 東京の歌

 各種音楽の一つにご当地ソングも含まれている。このモデルコース中にも代表的な曲を列記してみたが、発着地の東京をテーマとした曲もいろいろとある。旅の締めくくり、東北新幹線で仙台を過ぎたあたりから携帯音楽プレーヤー等で聞いてみては?
 東京をテーマにした曲といえば、おしゃれな曲調の『TOKYO』(井上陽水)、ちょっとせつない『東京』(マイ・ペース)から、『東京砂漠』(内山田洋とクール・ファイブ)、『東京ららばい』(中原理恵)。懐かしの名曲なら『東京ラプソディ』(藤山一郎)、デュエット曲なら『銀座の恋の物語』(石原裕次郎/牧村旬子)など。
 テレビの音楽番組もいっぱいあったあの頃、人々は音楽を身近に感じながら生きてきた。フルムーン世代にとっても、音楽は「心の財産」になっている。

浅草も東京名所の一つ。2020年のオリンピックに向け、また新しい東京の歌もできるのだろう

<東京発 懐メロ“青春”フルムーンの運賃総額、JR総乗車距離>
JR運賃総額:323,020円(2名分合計 通常期で算出) ※運賃総額-青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道分
JR総乗車距離:4587.2km ※運賃計算キロ ※総乗車距離-青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道分
お得になった金額:242,520円(JR運賃総額-総費用)
乗車倍率:4.01倍(JR運賃総額÷総費用)
※運賃計算キロは、JR東日本のサイト、えきねっと「乗換・運賃案内」で表示のものです。

● 旅人(著者)紹介 相澤秀仁&相澤京子

写真家、パズル作家。日本のすべての都道府県を夫婦で4巡している。これまでに120日フルムーンパスでの旅をし、JR路線も約11万キロ乗車。著書(夫婦の共著)は写真集『猫ヶ島』、『わらいねこ』をはじめ、『旅してでも食べたい 地もの旬もの回転寿司』など。また、英語クロスワードパズルを新聞に17年に渡って連載。
ホームページhttp://www.aizawa22.com

 

文・撮影:相澤秀仁&相澤京子
※掲載されているデータは2013年9月8日現在のものです。
※JR時刻表9月号を使用。到着時刻等、一部時刻未掲載のものは、えきねっと「乗換・運賃案内」等で表示の時刻を使用。
※運賃は通常期(10月5日)をモデルに算出しました。

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