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いとしの「はまなす」フルムーン
~変わりゆく鉄路をめぐる4446kmの旅~

  • ●1日目|金沢を経て北へ「はまなす」乗車
  • ●2日目|札幌から網走へ国鉄型特急の旅
  • ●3日目|釧路を経由して十勝川の湯宿へ
  • ●4日目|帯広から青森へ「はまなす」乗車
  • ●5日目|津軽海峡を往復函館を訪ね帰京

1日目|北陸新幹線で金沢観光の後、北へ青森からは急行「はまなす」に乗車|北陸新幹線[東京⇒金沢⇒大宮]/東北新幹線・奥羽本線[大宮⇒新青森⇒青森]/津軽線・津軽海峡線・江差線・函館本線・室蘭本線・千歳線・函館本線[青森⇒札幌]

  • 金沢駅に到着した北陸新幹線「かがやき」。写真はE7系とほぼ同じ仕様のW7系(W9編成)

  • 金沢で散策したい「ひがし茶屋街」。家並は2階にも特徴があり、旧型客車の列車のようだ

  • カレーライスの街としても知られる金沢。大きなカツがのったカレーはボリュームも満点!

  • 金沢から大宮に戻り、E5系「はやぶさ」で新青森へ。E5系のグリーン車はモダンな雰囲気

  • 青森駅に入線した急行「はまなす」。先頭に立つ電気機関車ED7913はED75785を改造したもの

  • 急行「はまなす」のB寝台(開放B寝台)。1区画4人用で上下左右に寝台がある。写真は上段

 平成27年3月14日の北陸新幹線金沢開業に続き、平成28年3月26日には待望の北海道新幹線が新青森~新函館北斗間で開業する。

 日本の鉄道が大きく変貌を遂げつつある今、新たに活躍開始の列車もあれば、一方で去りゆくものも。とりわけ、社会の変化もあって数を減らしている夜行列車。かつてあれほど走っていた夜行列車を懐かしく思うフルムーン世代も大勢いるだろう。この機会に、温泉やグルメも楽しみながら、変わりゆく鉄路を体感する旅に出てみよう!

 初日、まずは北陸新幹線で金沢へ。新型車両、E7系・W7系の洗練されたグリーン車は居心地がよく、時間の流れがとても速く感じられる。新幹線によって北陸地方は心理的にも実感としても東京から近くなり、春夏秋冬、それぞれに魅力あふれる金沢が気軽に観光できる。青森発の夜汽車に乗る前、まさか金沢散策ができる時代になったとは驚きだ。ちなみに東北新幹線が開業するまでの間、上野から青森まで、花形の電車特急「はつかり」でさえ9時間弱もかかっていた。

 夕食用に金沢で買い求めた駅弁を大宮にて乗り換えた東北新幹線「はやぶさ」で味わうのも今の時代ならでは。青森到着後はシャワー設備のない急行「はまなす」乗車に備え、駅近くの天然温泉「青森まちなかおんせん」で汗を流すのもお好みで。

 今ではJR唯一の定期急行列車「はまなす」。フルムーンパスで追加料金なしに利用できるB寝台が連結された唯一の夜汽車でもあり、伝統的な開放B寝台(4人用の区画)の旅をぜひ堪能してほしい。

1日目●乗車距離:2037.1km 運賃・料金合計2人分:146,700円
【個別区間(列車)ごとの運賃・料金と乗車距離】
東京~金沢:@18,750円(乗7,340円 特グ11,410円)乗車距離450.5km
金沢~大宮:@18,220円(乗7,020円 特グ11,200円)乗車距離420.2km
大宮~新青森:@20,210円(乗10,150円 特グ10,060円)乗車距離683.4km ※「はやぶさ」の運賃
新青森~青森:@190円(乗190円)乗車距離3.9km
青森~札幌:@15,980円(乗8,200円 急B寝7,780円)乗車距離479.1km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

はまなすフルムーン 1日目
1

発着駅 時間 メモ
金沢を観光し、北海道へ(車中泊)
~ E7系・W7系、E5系に乗車 ~
東京 発 7:20 北陸新幹線【かがやき503号】グリーン車 E7系・W7系
金沢 着 9:54 観光&ランチ
金沢 発 14:51 北陸新幹線【かがやき528号】グリーン車 E7系・W7系
大宮 着 17:02 乗り換え
大宮 発 17:46 東北新幹線【はやぶさ29号】グリーン車 E5系
新青森 着 20:40 乗り換え
新青森 発 20:49 奥羽本線 普通
青森 着 20:55 乗り換え
青森 発 22:18 急行【はまなす】B寝台 ※運休日に注意!
札幌 着 6:07 車中泊で札幌到着

旅のメモ

観光の問合せ
■金沢:石川県金沢観光情報センター
(JR金沢駅内) TEL. 076-232-6200

「はまなす」の愉快な仲間たち(1)B寝台(開放B寝台)

 急行「はまなす」に連結されている車両のなかで最上位設備にあたるB寝台車。寝台車にはA寝台とB寝台があり、座席車に置き換えてみれば、前者がグリーン車に相当し、後者が普通車にあたる。とはいえ、B寝台車も以前に比べればぐんと居住性がアップ。かつての客車B寝台は寝台幅が52cmと狭く、おまけに1区画に寝台が左右に上段、中段、下段と計6つもあった。フルムーン世代であれば、かつての狭いB寝台車に乗車した方もいるのでは。
 やがて客車寝台に開放B寝台ながら1区画に上下左右と4つの寝台が並ぶ車両が登場。寝台幅も70cmに広がった。急行「はまなす」に連結中の車両もこのタイプ。基本的な編成の場合、2両のB寝台車が連結されており、もちろんフルムーンパスで追加料金不要で乗車でき、女性専用の区画も用意されている。

「はまなす」のB寝台車。窓側通路から寝台区画に入る。寝台はカーテンで個室風にできる

2日目|国鉄型車両の特急で網走へ向かう名物ザンギ丼を味わい流氷観光も|函館本線・宗谷本線・石北本線[札幌⇒網走]

  • 朝、札幌駅に到着すると、急行「はまなす」の先頭はDD51形ディーゼル機関車に変わっていた

  • キハ183系のディーゼル特急「オホーツク」。グリーン車は横3席(2席+1席)でゆったり

  • 網走駅に到着した特急「オホーツク」。独特の顔立ちはかつて「将棋の駒」みたいと言われた

  • 網走の新名物「オホーツク網走ザンギ丼」。いわばサーモンのから揚げ丼でパワフルな味わい

  • 流氷の季節、網走港を出港する観光砕氷船。流氷を船上から眺めるコースは人気になっている

  • 網走で食べたサロマ湖産の生ガキ。冬場、網走ではバフンウニも旬を迎えるなど海の幸が旨い

 北海道新幹線開業に伴い運転が取り止めとなる急行「はまなす」。北海道の海辺で咲く花にちなんだ列車だが、今では貴重な存在のB寝台車は一段と予約が取りにくい「高嶺の花」となった。予約はぜひお早目に!

 グリーン車こそないものの、普通車指定席、普通車自由席の連結もある急行「はまなす」。いずれの設備もフルムーンパスでは追加料金なしに利用できる。青春時代、4人掛けボックスシートの自由席に座り、夜汽車の旅をされた経験をお持ちの方もいるだろう。将来はできなくなるかもしれない客車、それも座席車による夜行列車の旅。今しかできない旅をいろいろとしてみよう。

 北の都、札幌。道内各地を結ぶディーゼル特急が発着する札幌駅で、一際エンジン音を響かせている列車がある。それこそが網走へ行く特急「オホーツク」だ。充当されているキハ183系気動車は国鉄時代、昭和56年(1981)10月から量産車の使用を開始。くしくもそれはフルムーンパスの誕生と時を同じくしている。やがては新型車両に置き換えとなるであろう特急「オホーツク」。石北本線を力走するキハ183系の旅も今のうちにしてみたい。

 オホーツク海に面した網走。例年1月から3月にかけて、オホーツクの冬の使者、流氷が押し寄せてくる。網走は流氷観光の拠点になっており、砕氷能力のある観光船が人気だ。

 流氷シーズン以外では、博物館となった網走監獄などの観光に、「オホーツク網走ザンギ丼」などグルメ散歩を。網走産オホーツクサーモンを揚げた「網走ザンギ」には、北海道で一般的な鶏肉のザンギ(北海道風から揚げ)とは一味違うおいしさがある。

2日目●乗車距離:374.5 km 運賃・料金合計2人分:27,000円
【個別区間(列車)ごとの運賃・料金と乗車距離】
札幌~網走:@13,500円(乗6,800円 特グ6,700円)乗車距離374.5km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

はまなすフルムーン 2日目

2

発着駅 時間 メモ
札幌から網走へ(網走泊)
札幌 発 7:21 特急【オホーツク1号】グリーン車
網走 着 12:46 この日は網走泊

旅のメモ

観光の問合せ
■網走:網走市観光協会
TEL. 0152-44-5849

「はまなす」の愉快な仲間たち(2)「のびのびカーペットカー」(普通車指定席)

 急行「はまなす」で最もユニークな車両がこの「のびのびカーペットカー」だろう。通常1両連結(連結がない場合もある)され、名前もミステリアスながら、車内もちょっとした秘密基地のよう。座席はなく、カーペットが敷かれた車内では、それぞれの区画で横になって休むことができる。
 この区画がまたユニークで、上下2段式なものの、下段は枕木方向に横になり、上段は線路方向に横になる。各区画は個室にはなっていないが、こと上段が秘密基地のような雰囲気を見せている。
 「のびのびカーペットカー」は設備としては普通車指定席の扱い。ほぼ寝台車のようで寝台料金不要のため、「はまなす」で一番人気の設備という人も。もちろんフルムーンパスで追加料金不要で乗車でき、女性専用席もある。

急行「はまなす」のユニークな「のびのびカーペットカー」。特に上段は秘密基地のようだ

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